フェイブルマンズのレビュー・感想・評価
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映画の虜になった主人公がプロになるまでの物語で、話運び自体は主人公...
映画の虜になった主人公がプロになるまでの物語で、話運び自体は主人公の少年期である50〜60年代にかけてをゆったりと沿うような作り
本作の時代考証も面白いところですが、映像は良くも悪くも強い影響を与える諸刃の剣というのが主題だと感じました
序盤ワクワクするも途中から単なる学園ドラマで拍子抜け
金曜レイトショー『フェイブルマンズ』
今週はアカデミー賞ノミネート作品が、2作品公開
スピルバーグ監督がメジャーになって行くと同時に、映画をどんどん観るきっかけになった監督の自伝的作品なら当然コレ優先🎬
最初の1時間くらいは、映画を撮るって事に魅了されて行く少年の描写が面白かったですが・・・
その後、単なるアメリカの学園ドラマが延々と続いて拍子抜け。。。
子供の頃の描写に激突を連想するシーンがあったので、映画監督デビューの激突からブレークしたジョーズを撮るシーンまではやって欲しかった。
監督した歴代の作品の名シーンが、エンドロールで流れると期待するも何も無しで残念-_-b
〝予感〟だけでこれだけ魅せてくれるなんて‼️
6歳の時に初めて連れて行ってくれた映画館。
さあ、どんな映画、どんなシーンと出会うんだ?
6歳のスピルバーグよ!
おおっ!あれだったのか❗️(←見たことないくせに、訳知り風)
あれが15歳の時に作った戦争映画だと⁈
凄すぎる❗️(←プライベート・ライアンの素地が既にあったのですね←誰でも分かる)
少年5〜6人による自転車での街中疾走❗️(←ETのあのシーンに繋がるのか!←誰でも分かる)
列車の衝突シーンの再現、眩しいヘッドライトでドレス(ネグリジェ?)が透ける視覚効果、編集力で際立たせるイケメンスポーツマン(←眩し過ぎる自分を見て虚構虚飾で成り立っていることを悟らせる。視覚効果の陰影だけでなく、演出・編集による人の心の陰影
まで映画は表現できるのだということを既に会得していたのか、凄いぞスピルバーグ⁉️)
理系の天才である父は冷静で現実的で理屈っぽいところもあるけれど、人としてはとても寛容。
プロを目指せるほどのピアノ奏者である母は、子どもたちをあるがまま優しく受け入れるけれど、自身の情熱的な感性にもとても素直なだけに精神的には不安定な人でもある。
さまざまなきっかけや家庭環境、人間関係…
そのどれもが、後にジョーズやETやインディ・ジョーンズ、その他数えきれないほどの感動や影響を生み出すスピルバーグを予感させるのです。
この映画、どのエピソードをとっても、後のスピルバーグへの〝予感〟だらけなのです。
2時間半の最初から最後まで、〝予感〟だけで構成されています。
なのに飽きないし、面白い‼️
思い起こせば、未知との遭遇もETも、鑑賞中ずーっと、これから何か驚くべきことやいいことが起きるという予感に包まれて見ていた気がします。
その予感が的中したのか、どうやってそこにもっていくのか。スピルバーグ監督の映画は、そういう自分の予感が映画の中でどうなっていくのかが気になるから、飽きたり見逃してるヒマは無いのです。
いやーな予感〝恐怖編〟の代表が、激突やジョーズだとすれば、ワクワクドキドキの予感〝そういうのが見たかった編〟の代表がETやインディ・ジョーンズ❗️
1970年代から2020年代の今に至るまで、本当に感謝の言葉しかありません。同時代に生まれてくれて、ありがとうございます。
【忘れちゃいけないシーン】2023.3.5 追記
あと3日も経つと忘れてしまうので、記録しておこうっと。
少しのネタバレも許すまじ❗️という方は、以降、ご遠慮いただくほうが無難です。
ジョン・フォード監督が、若きスピルバーグに伝えたこと。
その絵を見て解説してみろ。
えーと、馬が二匹遠くを見ている⁈
人が◯人いて…
違う❗️地平線はどこにある?
地平線は、上にあっても下にあっても面白い絵になるが、ずーっと真ん中にあったら退屈で仕方ない。
さ、とっとと帰ってくれ❗️
ーThank you❗️
ーMy pleasure.
※戸田奈津子さんの字幕+私の拙過ぎる英語力なので、正確性は担保できません(←開き直りという)、悪しからず。
映画作りは、作る側の心をズタズタにする。その対価とは
スピルバーグの映画に対する思いがストレートに伝わってくる。
怖がりのサミー少年が、初めて見る映画は列車強盗があるアクション映画。列車と自動車が激突するシーンにショックを受けるが、そこはスピルバーグ少年、脳裏に焼き付いてしまう。列車の模型を走らせるだけでは飽きたらず、激突シーンを8ミリフィルムで撮ってしまう。
第1幕は、少年時代。第2幕は、父親の仕事の都合で引越したアリゾナ時代。ここでサミー少年は、映画制作の楽しみを存分に味わうことになる。
ところが、またもや父親のキャリアアップのためにカルフォルニアに移り住むことに。色々な事が起こる第3幕へと突入する。
温厚でエンジニアとして成功していく父、ピアニストとしても活動する芸術家肌の母親。その2人に加えて、父親の親友であり助手でもあるベニーが家族のイベントごとには必ず存在する。徐々に、ベニーに対して違和感を感じるようになるが、この辺の演出を映像だけで表現してしまうのが、さすがスピルバーグ。
映画作りは、作る側の心をズタズタにする。作中で何度かセリフとして出てくるが、その対価に何を得られるかは、言葉では語られない。
フェイブルマンが撮った映画を観て、笑いころげる顔、興奮する様子、内面を抉られたように反応する人間。そのリアクション全てが、サミーのさらなる映画への情熱の原動力になり、これが最高の報酬だと思う。
フォード監督が、サミーに与えたアドバイスには、唸ってしまう。たったあれだけのことだが、私には目からウロコでございました。
デミアン・○ゼルに煎じて飲ませたい Part2
2時間半があっという間!自伝映画ということで、宇宙戦争のようなスペクタクルは一切ないのですが、最初から最後まで全く目が離せなく、「もう終わっちゃった!(まだ観たい!!)」というのが映画終演直後の感想。
どこまでが事実でどこからが嘘なのかわからない。映画の嘘と真実がさりげなく語られるが、本作の中で主人公のサミーが母親へ語る終盤のシーンは、これは今のスピルバーグから母親へのメッセージのような気がして泣けた。
スピルバーグは幼少期から家族や友達を撮って映画やホームビデオにしていて、この映画自体も完全にそのスタイルに乗っ取っており、それを今のスピルバーグが映画にするというのがこれまた泣ける。
幼少期から現在のキャリアに至るまで全てやるのかと思ったら、ハリウッドに足を踏み入れるところまでで本当にスピルバーグの人生における序章も序章。そしてスピルバーグのインタビューなどで度々逸話として語られていたある伝説の監督との対面と彼に言われた衝撃的な言葉が満を持して実写化笑 (そしてこの監督を演じたのはあのお方!)
あのラストカットのチャーミングさったら!
だからスピルバーグが好きだ。
映画愛や映画好きを自称する監督であればあるほど、オレはこんな映画から引用するぜ!という映画偏差値の高さをひけらかすような描写が多く鼻に付くのだか、本作の余裕っぷりときたら!!さすが巨匠の余裕。
インディージョーンズの次回作で引退を仄めかしている91歳のジョン・ウィリアムズとは本作が最後の共演なのかな。
一年一本ペースで大作映画を作れる天才なので、仮に100歳まで生きるとしたらあと26本撮れる!笑
まだまだ終活なんて言わないで欲しい。
次回作はまだ未定とのことですが、楽しみに待ちたいと思っています。
愛おしいスピルバーグ少年
少年が映画にのめり込んで行く青春とその家族の物語。細部まで楽しめてとても感動的だった。
観ているとサミー少年の体験が、後々のスピルバーグ監督のあの作品やこの作品のきっかけになったのかと、ニマニマしてしまう。
サミー少年はやがて映画の力を思い知る。
それは人を感動させ癒やし、見る者の価値観をも変えてしまう。
映画好きなひとりとしてこの作品を観ることが出来て良かった。
母親役のミシェルウイリアムズの演技が最高に素晴らしい。子どもたちにかける愛情に何度も涙を誘われた。
まさかの「あの人」が・・・!
「インターステラー」の「あの人」に匹敵する驚きでした。未見の方にはサッパリだと思うので伏せますが、まぁ「あの人」ぐらいしか「あの人」は演じられないだろうなぁと思いました(笑)。派手さはありませんが、とても温かい映画でした。初日に観られて良かったです。ミシェル・ウィリアムズの演技は特に素晴らしいですね。それ以外の役者さんたちも素敵でしたし、アホな学友たちにも笑わせてもらいました。
彼にとっての神は映画。
スピルバーグの半生を描いたとされる作品。
どんな衝撃を受け、どんな幼少期、青年期を経て監督になっていったのかが分かる。
偉大な映画監督がどのようにして生まれたのかが分かる。
彼の周りの人びとが、いつでも彼の行動を応援してくれていることが印象的だった。
そして、どんなに辛い状況になっても映画、映像はいつも変わらずにいてくれる。それが救いになっていること。そこに心を打たれた。
作中熱心なキリスト教徒が登場するが、彼にとっての救いの神は映画、映像なんだと感じさせてくれた。
生き方の参考にもなるし、子育ての参考にもなる、そして、人間の美しさを描いてくれた作品だった。
(逆転のトライアングルという人間の醜さを描いた映画を見たばかりだったのでなおさらそう感じさせてくれた。)
ちゃんとした青春映画だった!
ここ数年、映画絡みの映画が増えている気がする。「キネマの神様」「映画大好きポンポさん」「浜の朝日と嘘つきどもと」「サマーフィルムにのって」「エンドロールのつづき」「バビロン」「銀平町シネマブルース」等々。ほとんどが素晴らしい映画だ。そして満を持して登場したのがスピルバーグ大先生の自伝的映画の本作。正直あまり期待はしていなかった。自慢か説教か強い主張が入ってる気がして。
でも、そんな心配は無用だった。そんな先入観を持っていた自分を叱りたい。面白いじゃないか。昔ながらのフィルム撮影でどんな工夫をしたのかも面白かったけど、それよりも少年サムが家族や同級生との関係性の中でどんなことを感じ、どんな成長をしていくのかが面白かった。ちゃんとした青春映画なんだよな。
スピルバーグ先生は自分のことを自慢するわけでなく、ちゃんとイタかった自分をさらけ出している。女の子に舞い上がったり、同級生にいじめられたりするシーンもニヤニヤしながら楽しませてもらった。
そして最後。実はこれがこの映画に一番込めたかったことなのかも。あんなに短いシーンなのにとてつもなく印象に残ってしまった。あの後のサムのようになんか希望が湧いてくるんだから不思議。結構長い映画だったのに全く飽きることがなかった。スピルバーグ大先生健在だな。
やっぱりスピルバーグは上手い。でも、この映画を観た人にはスピルバーグの他の映画の前にジョン・フォードの映画を観て欲しいな、映画好きなら。
①基本的には映画への愛が根底にあるのだが、カメラ(映画)の怖さもさりげなく描いているのが、この映画を重層的なものにしている。
②カメラがそのまま映し出す残酷な現実、その現実を隠せる編集、フォーカスしたりスローモーションにしたり等の技術で作り出せる偶像等、映画の陰の面もありのまま描くところに数十年間映画を撮り続けてきたスピルバーグの監督としての歴史と矜持とを見る思いがする。
③ホンの1分ほどでサムの父親の口を借りて映画とは技術的にどういうものか(連続撮影されたフィルムをスクリーンに投影したもの)を簡略に説明する冒頭から巧い。その後も随所で映画に関する技術的な説明がされるが、一方、「芸術(映画)と家族(私生活)」に引き裂かれる芸術家(映画監督)としての苦悩・葛藤・覚悟も、ジャド・ハーシュの叔父さんの台詞やピアニストになる夢を諦めて主婦になった母親の姿等を通して描かれる。
この映画は自分の人生に実際にあった出来事を描いたのではなく「記憶」を描いたとスピルバーグは言っているが、スピルバーグ自身が監督人生を送る中で味わった様々な心情を反映させていることは間違いないだろう。
④母親役のミッシェル・ウィリアムズは相変わらず巧い。というか、サムの肩を押すのはいつも彼女であり、大人の世界の複雑さを彼に教えることになったのも彼女である。
そして、家族の中でサムが母親に一番似ていると真実をついたのはすぐ下の妹。家族ってお互いをよく見ているし、遠慮なく言えるのも家族ならでは。
そう、これは映画の話でありサムの映画監督への道のりの物語であると共に家族の物語でもあるのだ(『The Fablemans(フェイブルマン家)』という題名がそれを語っている)。
⑤サムとその姉妹たち、サムの青春時代と子供たちに日々を描くと共に、大人たち(父親と母親とベニー)のあわいな三角関係の有り様を描くところにもスピルバーグの巧さが現れている。
⑥ポール・ダノも、いつものややエキセントリックな役ではなく、アメリカの中流階級の知的で勤勉で家族思いの普通のお父さんを実に自然に演じている。
終盤、サムに届いた母親からの写真を見た(サムは気付かなかったので見せてしまったが、妊娠していることが見てとれる)時の、様々な感情が浮かぶ何とも云えぬ表情(顔面演技)が素晴らしい。
⑦映画のラスト、撮影所を訪れたサムが思わぬ巡り合わせでジョン・フォードのオフィスに通されるシーン。
見回す壁には『駅馬車』『わが谷は緑なりき』(大好きな映画!)『男の敵』『捜索者』『三人の名付け親』『静かなる男』『リバティ・バランスを射った男』(ここでも登場)のポスターがズラッと並んでいるオールド映画ファンには夢の一時(ひととき)。
ジョン・フォードを誰が演じているのかと思えば、デビット・リンチだったんですね。映画史上の名監督であり大先輩を嬉々として献じているのが見ていて楽しい。
⑧最後、撮影所の中を未来に向かって歩いていくサムの後ろ姿が爽やかな余韻を残す。
終わり方がズルすぎる
正直、なんかそんなおもろくもないし、それでも安定した作りとか演出でそれなりにドラマとして見ることはできるかな・・・偉そうにもそう思いつつ、まぁ巨匠が作り上げる作品の所以は垣間見ることはできるのかなーなんて半ば学びのつもりで眺めていました。それなりに長いし・・・。でも最後、ずるいなーなんて─、思わず爆笑です。そしてあの言い放った事は、昔の監督のものなのか今の監督のものなのか、はたまた巨匠が考え出したことなのか分かりませんが、いずれの可能性も感じる素晴らしい台詞であり、あれだけでももうこの映画の価値はマックスに達している印象でした。最後のご褒美を味わうために頑張って観賞してください。
無邪気な映画愛だけでなく、芸術の「呪い」も感じることができる
劇中、最も印象に残るのは、祖母が死んだ後に突然やって来たその弟が、主人公の少年に語って聞かせる言葉だ。
曰く「芸術という麻薬の中毒となった者は、孤独という代償を払わなくてはならない」というもので、まるで、魔法使いが、少年に呪いをかけているかのように描かれている。
おそらく、これは、長年、映画という芸術に携わってきたスピルバーグの実感、あるいは本音なのだろう。
確かに、主人公の少年は、映画作りにのめり込みながらも、その一方で、両親が離婚したり、人種差別でいじめられたり、プロム会場で彼女にふられたりと、必ずしも幸せ一杯な生活を送っている訳ではない。
特に、主人公が作った映画を楽しんでいる人々と、それを映写している主人公の冴えない顔の対比は面白い。
ただ、どうせなら、芸術を選んだがゆえに味わう孤独のようなものが、もう少し明確に描かれても良かったのではないかと思われる。
芸術家の母親はもちろん、技術者の父親にしても、主人公に対する理解があり過ぎて、映画の道に進むに当たっての葛藤のようなものがまったく描かれないのは、どうしても物足りなく感じてしまう。
ところで、ジョン・フォードのエピソードは、スピルバーグが経験した事実なのだろうか?
いずれにしても、ラストショットのカメラアングルのズレには、ニヤリとさせられた。
自伝的作品もエンターテイメント作品に。
映画好きな子供がいかにして成長したか。スピルバーグ作品らしくただの成長物語ではなく素直すぎる家族の生き方やアメリンテイストな学園もの絡め楽しく見せてくれる。素直に生きるって勝手なのか必要なのか。幸せならいいか。
光と影
わかる!全員の胸が張り裂けそうな気持ちは、わかりすぎるくらいわかる!ただ、それでも、敢えて言おう身勝手であると。
どーせ苦しい人生なら、強く生きるしかない。そして、胸が躍る生き方を選ぼう。
こういうのが、行間という物だと思う。なんでもあけすけにすればいいという物ではない。グレーでいいのだ。解釈の余地を残して、真を伝える。私の好きな感じだった。
しかし、あのキリスト教徒の描き方ww
お母さんを愛し家族を愛し自分も含めて赦せたのかな。あの小躍りのシーンは素敵で、明日に続く希望のある良い終わり方でした。
小さい頃から才能あったんだなとか家族みんな愛らしくて可愛らしいな...
小さい頃から才能あったんだなとか家族みんな愛らしくて可愛らしいなとかブルーが象徴的に出てくるなとか云々置いといて。
ETやキャッチミーイフユーキャン等等でも出てきた両親の不倫・離婚について、じっとりねっとり描かれる。両親死ぬの待ってから作っただの、実名でやりたくなかっただの散々言われているが、驚くほどガッツリやっている(だからそう言われるのもわかる)。“あの2人“の目線の交差を過剰に何度も繰り返すので、ビックリするぐらい説明的(に感じる)
それで言うと、キャンプ場でドレス姿で踊るシーン、性的に見つめるアイツの眼差しでのちに訪れる不穏を予感させるの上手い。(いちお、妹に抵抗させるのは時代的な配慮か??)
ミシェル・ウィリアムズはブルーバレンタインに出ていたので、余計に「the・夫婦倦怠モノ」の色で見ちゃう。ので、自伝的映画と言いながら半分は夫婦倦怠モノ。とは言え、キャラクターの愛らしさもあって、ジメッとし過ぎない。
人種差別やいじめについても描かれるが、本人のあのハンデについてはさほど描かれていない。
スピルバーグの過去作は見といた方がいいに越したことはない。いろんな場面で、プライベートライアンとか「これはあの映画のことか」と言わんばかりのシーンが出てくる。
あと、「地上最大のショウ」と「リバティ・バランスを射った男」は見といた方がいいんだろな。。。
同級生らが、サミーが撮った映画を見て感情剥き出しにするシーン、一瞬??とはなるものの
サミーが自分の才能に畏怖を抱く瞬間でもあって、こんな形で自己言及しちゃうんだという変な驚き。「自分すげぇ」までの威圧感とかは感じないけど、すごく変なことをナチュラルにやってる。あの本人だからそんな表現してもこちらも平伏すしかないんだけど。
ラストのあの人、半年前にカメオ出演についての記事見たような気がするけど、それでもここでこんな形で!?という驚きはあった。
映画愛についての映画は最近散々見たが、仕上がりとしてはこれが1番上品に感じた。
少年の未来を信じた家族の物語
成長期の少年と、それを支えた続けた家族。
家の中では太陽のように明るいママ
時に、月のように透き通ったママを
「ママは泣かさない」と守る少年。
一方、映画へのアイディアは少年を熱狂させた。
「あれはETの場面だ」と思うシーン。
また少年の演出に一変、涙する俳優役のシーン。
キャメラを覗き込み走り回る少年の姿に見た未来。
しかし、少年は悩んで、悩んで、すごく悩んだ。
「映画は事実と違う」それは分かっている。
自分には才能はないのか?と全てを諦めかけた。
そして、あの人の言葉。
ぶっきらぼうだけど、その言葉は少年の心に光を与えた。
、、、終わりはあっという間 !!
「えぇ〜! もっと観たいのに」と心の中で叫んだ。
でも、この後の物語は、少年の未来は、
すでに世界中の誰もが知っている。
この映画の続き、何百倍もの映画の時間をくれた
スティーブン・スピルバーグに感謝したい。
※
【”寓話を語る男。”映画に魅入られた青年の半生を、彼を優しく育てる両親や父の友人、そして級友達との関りを通して人生の痛みや、映画の持つ力や魅力に青年が気付き、更に映画道を究める決意を描いた作品。】
ー ご存じの通り、"fable"は、寓話を意味する。
つまり、主人公、サム・フェイブルマンとは、”寓話を語る男”となる。
スピルバーグ監督の今作への想い入れが伝わって来るタイトルである。-
◆感想
・物語は幼きサム・フェイブルマンが有能なコンピューター技師である父(ポール・ダノ)と優しくピアノを弾く事を愛する母(ミシェル・ウィリアムズ)と3人で映画”地上最大のショー”を観に行くところから始まる。そして、サミーは、映画の中で列車と自動車が正面衝突するシーンを見て、家に帰ってからも”衝突ごっこ”にふける。
ー あのシーンは、どう考えてもスピルバーグ監督の初期傑作の「衝突」に繋がっていると思う。-
・映画に嵌ったサミーは、トイレット・ペーパーをフル活用して、妹たちにミイラ男に変身させる。そして、その姿をサミーは父の8ミリカメラで映して行くのである。
ー 今作では、常にサミーは映す側に立っている。-
■フェイブルマン一家には、常に父の親友ベニー(セス・ローゲン)がいる。そして、父が腕を買われてGEに会社を変わる時にも、妻の進言で、ベニーも一緒に付いてくる。そして、ある夏の日にサミーが何気なく撮っていたフィルムに映っていた母と、ベニーが親しそうにしている姿。
ベニーは家族にはそのシーンをカットして見せるが、徐々に母に反抗を始める。
そして、理由を問う母に、一本のフィルムを渡し、自分の衣装が掛かっている小さな部屋で母に見せる。
このシーンは、サミーの母に対する優しさと、遣る瀬無さが伝わって来て、胸に沁みる。又、母を演じたミシェル・ウィリアムズの”貴方が考えているような事はしていないのよ‥。”と涙ながらに訴える姿も。
母は、父を愛しながらも、ベニーにもプラトニックな想いを持っていた事が分かる。
だが、このことにより、父がIBMへ再び職を変えた際に、ベニーはついて来ないし、両親の関係もギクシャクし始め、離婚してしまうのである。
・サミーは、転校前の高校では、戦争映画なども、級友達を集めて取っている。
ー 彼が一人生き残った兵士役の青年に言った言葉。”部下が皆、殺されたんだ・・。その想いを映したい。”そして、青年は涙を流しながら、倒れた兵士たちの間を、ゆっくりと歩いて行くのである。彼の映画センスや、戦争に対する想いが表現されているのである。-
・サミーが慣れない土地で、ユダヤ人である事を級友ローガンやチャドに揶揄されるシーン。そんな彼は、高校の卒業記念映画を撮影する。
ー 海岸で燥ぐ級友たちの姿を映す様も、例えばカモメを取った後に、級友たちの顔にアイスを落とすシーンを入れたり、一工夫している。
そして、自分に嫌がらせをしたローガンが、砂浜でのリレーでトップでテープを切る様を撮ったりもする。そして、彼の映画がプロムで流された際に、ローガンとチャド(彼は記念映画では散々な様で映っている。)は、サミーを呼び出す。が、ローガンはチャドを殴りつけ、自分はロッカーに背を預けながら座り込み涙するのである。
サミーが映画でローガンに訴えたかった事。それは、人種差別はイケナイという事だったのである。サミーは心に痛みを覚えながらも、映画が持つ力にも気付いて行くのである。-
・サミーは大学生活に馴染めず、主にTV映画を製作する会社に、メデタク入社する。そこで、彼を待っていたのは・・。
ー ビックリしたなあ。「駅馬車」「怒りの葡萄」などのポスターが額に入れて飾られている部屋で待つようにと言われたサミーの前に現れたのは、ジョン・フォード監督であり、それを演じているのはデイヴィッド・リンチ監督である。
1900年代の前半から中盤のアメリカの大監督を、1970代から2000年代に掛け、カルト的な映画も含め数々の傑作を制作した監督に演じさせるとは・・。-
<今作は、御存じの通りスティーヴン・スピルバーグ監督の半生を描いた自伝的作品である。
そして、今作は幼き時に観た”地上最大のショー”で、映画に魅入られた少年が、青年期に映画製作を通して、人生の痛みや喜びを学んでいく様を、見事に描いた作品でもある。>
夢を追う少年の苦悩と成長の物語
この映画はスピルバーグ監督の半生を描いた自伝映画であり、夢を追うことの痛みも描いています。
そしてその痛みを受けることへの苦悩、しかしその中にもある映画を撮る喜びなどを知りながら、少年が成長していくという映画です。
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