「親ガチャとかバカ言ってるニホン社会を撃て」REVOLUTION+1 redirさんの映画レビュー(感想・評価)
親ガチャとかバカ言ってるニホン社会を撃て
2022年12月、シネマジャックアンドベティでみた。まだ山上徹也は精神鑑定留置中で、逮捕以来本当に情報がでてこない。出さない。そもそも最初から統一教会と言わず宗教団体などと報道していたところからずっと。
だから、というわけでもないが、淡々と徹底して仮想山上目線で語られ撮られた映像はあたかもドキュメンタリーか、何も出てこない情報を補足し捕捉するようなへんなリアリティがあり、こういうところが微細に繊細で、足立正生監督のすごいところだと感じた。
オリオンの三つ星、父親が京大生であったことは本当なのだな、きちんと丁寧に調べ描かれていて、監督の思い(込み)も含蓄、フィクションノンフィクションの垣根もクソくらえだ。そもそも官製メディア情報が跋扈する中、出さぬならこちらから出すまでよと言う気概も勝手に感じている。そもそも国葬(酷葬)に合わせ急遽撮影された作品なのでそういう意図は違うのかもしれないが、親子関係父との関係と、母との関係そこに兄との関係も加わり足立正生監督が撮るべくして撮った作品。まだ進化しそう(映画館にパンフレットもなかった)な気とするがこのバージョンでかなり高い完成度。
母親役の俳優さんも当日映画館にいらして、役者なんだから当たり前だがら佇まいがあまりに違うので驚いた、難しいと思ったがこの役を見事に演じられだと賞賛したい。キャスト、スタッフみんながそれぞれの想いを複雑に感じながら同じ目線を持って作られた作品と思う。
宗教二世にサヨク二世。人は1人の個体として生まれるので、その個体個人としての自由さえ担保されればなんでもいい、どう生きても良いのに。そんな当たり前のことも考えられないこのクニの現状。親ガチャとかくだらない言葉が大手を振ってSNSのみならずマスコミ、テレビも喧伝し、政治家もスポーツ選手も芸能人も皆世襲制でなんとも思わず世襲三世4世議員に投票しクニを、自分の生きる場の舵取りを任せてなんともおもわない愚かなクニの現実を、空き地で黙々と銃の試し撃ちする山上(川上)が撃っているようにも思え、空き地での試し撃ち、実験のシーンが印象に残る。そこはアパートの密室ではなくオープンエアで一人だが一人でなくなる可能性もあったのだ。
最後の妹さんのシーン。独白。私は私で生きてく、やってく。
一瞬なんか、あれ?と思ったけど、小川さゆりさんのことを想起させるし、みんな親ガチャなんかじゃない、これからのことが大事だ思うからこれも必要。