「オシャレなレトロホラーの怪作」Pearl パール ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
オシャレなレトロホラーの怪作
素晴らしい。きっちり前作同様コンセプチュアルホラーの前日譚を更に馬鹿げた感じで仕上げている。
『X』もホラーかどうかというとむしろグラインドハウス的なコンセプチュアルオシャレホラーだったけど、遡っての本作もルック的に凝りに凝っている。
設定では20年代?ゆえになんと元祖ポルノ映画とも言うべきブルーフィルムみたいなのまで出てくが、ルックは写される時代よりもちょっと先の40年代〜50年代風味で、ミュージカルスターを夢見る農場のサイコパス娘のグロテスクな殺戮をテクニカラー的に見せる。
なんと言ってもミアゴス。途中から二階堂ふみのこんな映画も観たかったとか思いながら観ていたが、演じがいあったろうな。洒落てんな〜と思いながら観ていたけど、終盤、オーディション終わりの出て行く女を追っかけてゆったりと玄関口に現れるその佇まい(後ろの隅のロングショット)がぞくっときて、そのままゆっくりワンカットで追いかけてくる時にこの映画、好きだな、と思った。
そしてレトロなエンドクレジットに傾れ込むアイリスアウトはちょっと見たことのない面白さ。
更にエンドロール終わった後に30年代のフィルムロールの切れ端演出まで、まあ『ミッドサマー』路線の見事なまでのレトロオシャレなスラッシャーだった。
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