「不思議な魅力に引っ張られる」恋のいばら つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
不思議な魅力に引っ張られる
この作品の面白さは微かに変化していく登場人物の心理と、物語冒頭から想像するような展開から少しズラして進むストーリーテリングだ。
なんか予想してなかった方に進むなと何度か思った。簡潔に言うなら、リベンジものやラブサスペンスではなく、シスターフッド的な作品なのである。
しかし、サスペンス要素はなぜだか充分なので、シスターフッドサスペンスだろうか。
そんな、思ってなかった展開が面白い。
本当は何がしたいのか、本当は何を考えているのか、キャラクターの心境がはっきり見えないまま進んでいく小さなスパイ大作戦は、応援したくなる不思議な魅力に満ちていた。
城定秀夫監督の映画はこの作品で数本目だ。割といい評判を聞く監督であるが、自分にはまだよく分からない。
ダメなわけではなくて、イマイチ特徴が掴めない人だなと思う。同じく特徴のない監督と比べて、画が退屈ではないので、やっぱりいいんだろう。本作もストーリーテリングとは別の牽引力のようなものは感じた。
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