「ケンは無い・・・」恋のいばら いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
ケンは無い・・・
始め、何が無いんだと思ったが、あぁぁとw バービーも無いみたいですw
今作は、香港映画のリメイクであり、勿論未鑑賞 そのオリジナル題名にも"ケン"が出るからそれに掛っているのではないだろうか
自分が鑑賞した際は、劇場は自分1人だけ 久々にお大臣鑑賞だったw そんなに人気無いのかなぁと思ったが、内容は頗る興味深いストーリーだった
同じ男を好きになった元カノと今カノが、確かに同じ男が好きになるのだから共通項があるのではいう仮定の下(まぁ、それ自体が時代をアップデートしていないのが否めないが)、気が合うという"ファンタジー"を都合良く解釈した脚色である その部分は差し置いてたとしても、お互いの急速な理解度は映画ならではの面白さを演出されていて面白い 城定監督作品の中では比較的分かり易い構成になっていて、細かい伏線回収は、その親切心が滲み出ている内容に仕上がっている
勿論、幾つかは強引な面は否めないが(アンクルブレスレットを観た時に、突っ込むのが定石だが敢えてラスト近くまで引っ張る点等)、それも又ストーリーとしての引っ張りポイントなのかオリジナルリスペクトなのか・・・
いずれにしても、俳優陣の当て書きみたいな配役は完璧な程である 特に松本穂香と、玉城ティナは、そのイメージにパーフェクトに当てはまるピースではないだろうか ピンク映画を噛んでいる監督ならではの女性観察眼、今作のテーマ性の合致にこれ以上は考えられない配役であったと敬服する 下着姿の玉城、最後迄野暮ったい松本、この対比の先の邂逅を見事に演出出来るのは今監督でしか成しえないのではないかと思う
正に今の時代にフィットしたテーマ性であり、特に同性どうしの恋愛と友情のコントラストを表現した内容に、充分堪能させられた作品である 作中に示しているように、"リベンジポルノ"はミスリードであり、実は"憧れ"がパワーとなり、そして"推し"の痒いところを突いてくるタイミングの良さにメロメロになる展開も丁寧に描いている構成は、異性である自分でさえも萌える要素が十二分である
あのフレンチキスこそ、恋愛と憧れ、そしてシスターフッドとしての矜持が凝縮されたシーンであることは間違いない
祖母も含めた3人の女性陣の大団円を堪能出来た良作である
コメントありがとうございます!
なるほど!素晴らしい解釈ですね。確かに、本作は1人の男性を好きになった2人の物語。あくまで健太郎は脇役ですもんね。キャラとして面白みがないのは、個人的には気に入りませんでしたが、クズ感が薄いのには大納得です。ありがとうございました!