「女性どうしの結託と、許されない行為と。」恋のいばら yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
女性どうしの結託と、許されない行為と。
今年8本目(合計661本目/今月(2023年1月度)8本目)。
一言でいうと、「シスターフッドもの」に分類されるでしょうか(女性は2人出ます)。
この2人の女性に共通して浮かび上がる男性、そしてその男性について心配していること、その心配事が真実かどうか、真実であれば何とかするのか、というために行動を起こす…という趣旨のストーリーです。
この「共通して心配していること」については他の方も書かれていますが、今現在(2021~2023)、一般的によく言われている「問題」で、新鮮さはありませんが、映画で真正面から取り上げられるのは比較的少ないのではないか…と思います。
そしてその2人は最初こそ結束して動いているものの、いろいろな事情から、その関係性(結束性)も微妙になっていき…という趣旨のお話です。
これらの「男性が何をたくらんでいるのか」などを書くと一気にネタバレになってしまうし、少し短めの映画ですので(98分)、このあたりにしておきましょう。
なお、「恋のいばら」というタイトル、ちょっとんんん??と思われるかもしれませんが、映画を「最後まで」みると、なるほどね、と思います。
個人的に、玉城ティナさんの演じ方に好感が持てました。
なお、一部、「やや違法性が強い行為」が描かれていますが(他の方のレビューも参照のこと)、PG12の扱いであり趣旨は理解できること、またこれらを回避すると映画のストーリーが全体として崩壊してしまうことなど考慮して、減点なしとしています。
なお、参考として以下をあげておきます(参考までに。映画内でちらっと出ること)
--------------------------
(減点なし/参考/捨てられたごみの所有権と、所有権の放棄)
・ 映画内でゴミ出しをしたり、ゴミを拾ったりするところです。
実は、民法上「所有権の取得」は規定されていても(176条以下)、「所有権の放棄」については触れられていません。しかし、一般にどこの市町村でも、「ゴミ出し」は一般的に行われており、「ゴミ出し」は「自分の所有物でいらないと思うものを捨てる」行為なので、その意味で「所有権の放棄」という概念が暗黙に働いています。
ただ、「所有権の放棄」はこのように「常識的な範囲で行使できる」のであり、例えば投棄が禁止されているもの(例えば、硫酸ピッチ)を捨てることはできませんし、これには限界があります。
また、「所有権が放棄されたもの」については、「合理的な範囲」でそれをまた自分のものにすること、それ自体は通常妨げられません。「まだ使えると思った人が、ものを大切にする」ことまで禁止はできないし、「ものを大切にすること」は文化の一つだからです(所持が禁止されているものを拾った、(拾った結果、自宅が)ゴミ屋敷にしているなど特殊な状況でない限り、行政も何も言わないのは、「そこまでどうこう言うものではないから」という点につきます。
--------------------------