「映像美✖️ミュージカル」ウィッシュ あいさんの映画レビュー(感想・評価)
映像美✖️ミュージカル
※ネタバレ含みます
ザ「こども向けミュージカル映画」です。
内容としては、ディズニー100周年記念作品として、こどもたちに「夢を諦めない」ことをとにかく表現し続ける映画です。
たとえばジブリ作品は、一見こども向けアニメのようで、大人が観ても楽しめる一面がありますが、ウィッシュは完全にこども向けと言ってもおかしくないでしょう。
では大人はどう楽しむか?
それはミュージカルとして歌手の素晴らしい歌声を楽しむことや、過去のディズニー作品を思わせる表現が出てくるところにクスッとしたり、少しだけディープな楽しみ方をすると良さそうです。
主人公の吹き替え役、生田さんの歌声は素晴らしいものでした。かわいいだけではなく、彼女のミュージカル経験が活きています。
ストーリーに壮大さはあっても、ものすごい深みはありません。こどもでも分かるストーリーです。
主人公たちは劇中でこのように歌います。
ーなぜ星に願うのか?
ーぼくたちは、地球の一部だからだ
ー無駄なものなど一つもないんだ
ーぼくたちはスターだ
地球規模の壮大さと、ひとりひとりの尊さ。
イッツアスモールワールドの世界観を感じます。
わたしは『アナと雪の女王』は、姉妹関係の複雑さがよく調査された、とてもパーソナルな作品だと感じています。
こちらもミュージカル要素がありますが、「姉妹(兄弟)関係」がしっかりとテーマになっています。
ウィッシュはというと、タイトルどおり『願い』すなわち将来の夢、叶えたいことを「諦めない」ことが一貫したテーマで、人間関係や、主人公をはじめとした登場人物のパーソナルな部分にはあまり焦点が当たりません。
そのためか、作品としての厚みが出なかったようにも感じます。
良かったのは、友人の裏切りが描かれたこと。これが無ければ、ほんとうにペラペラの薄いストーリーになるところでした。
そして本当の主役はマグニフィコのようにも。
彼の願いは素晴らしいですが、それを間違った方法で叶えようとしてしまいます。
歌唱シーンもしっかりあり、ワンマンライブのよう。(福山雅治さんだからこそ演じきれました)
権力や美貌に自惚れて、間違いを犯す愚かさがしっかり描かれています。
この映画で1番驚かされたのは、アーシャがフェアリーゴッドマザーの若かりしころ?だということ。
まさか最後にそこに繋げてくるとは。
なんかピーターという名のピーターパン的男の子も出てきていましたし、ディズニーファンを驚かせる小ネタがちらほら。
さらっと気軽にミュージカル鑑賞、という雰囲気で、誰でもどの世代の方も楽しめる作品です。
小さいこどもに見せてあげたい。