「This Wish」ウィッシュ ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
This Wish
ディズニー作品はコロナ禍戦後でポリコレに配慮しまくりな作品が増えたせいか、作品へのハードルはそこまで高くなく、今作もそこまで期待せず観に行きましたが、「ウィッシュ」の先にやった短編の出来が素晴らしくて、少しだけハードルが上がりました。
ここ最近のディズニーにしてはまともというか、変にLGBTやポリコレを混ぜずに作られていたので、楽しく観れました。
王道な物語はスッと飲み込めましたが、もう少し捻りのある物語だったら良かったのになと贅沢ながら思ってしまいました。
願いを集めている王様に立ち向かうという構図は、子供の頃見ていたディズニー映画によくあるもので、その点では懐かしさすら覚えてしまいました。
過去作のオマージュが盛り込まれているようで、ディズニーにそこまでお熱じゃない自分でも分かるネタが盛り込まれていたのは面白いなと思いました。
星型の生物には謎の魅力があるんですが、今作のスターもまさにそれで、喋りこそしませんが、自由奔放に動き回って、アーシャを困らせたりしますが、やる事はしっかりやる良い子なので見ていて微笑ましかったです。
ミュージカルは盛りだくさんでしたが、全体的に楽しそうだったのがとても良かったです。見せ方に派手さはありませんでしたが、曲のインパクトはよく残りましたし、メイン曲は映画を観終わった後でもしっかりと頭の中で流れているので、楽曲は素晴らしかったなぁという印象に落ち着きました。
アニメーションは綺麗ですし、観やすいんですが、今までのゴリッゴリ美麗なCGとは違い、平坦さも用いているCGだったので違和感が少しだけありました。
残念だったのはヒロインのアーシャ含めキャラクターのほとんどに魅力がなかったところです。
アーシャがこれといって特別な力があるわけでも無く、かといって特徴的な性格でもないので、立ち位置的にはヒロインの友達くらいの子がメインを張ってる印象だったので、彼女の活躍にも共感することができずじまいでした。
その友達たちもワーッと出てくる割には基本グループで協力してくれるせいか、印象に残りにくいのも残念でした。唯一友達を裏切った彼だけは何かしてくれるのかなと思いましたが、普通にやられましたし、反省までのスピードが早すぎてちょっと萎えました。
スターはとても可愛かったので救いはありますが、
これでもかというくらい勧善懲悪ものになっていたので、ここ最近鳴りを潜めていた悪は絶対許さないディズニーがここで発動してしまったかなと思いました。
一つのことを解決するとまた一つ問題が出てきてしまう、でも好みの問題になっただけマシかなと思いました。
100周年と謳う割には地味な作品になっていました。ただこの作品を機にディズニーが再び夢を見せてくれるという路線に舵を切ってくれたら良いなと思いました。
とりあえず白雪姫のリメイクは止めましょう笑
鑑賞日 12/15
鑑賞時間 10:40〜12:45
座席 N-28