バビロンのレビュー・感想・評価
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映画製作という狂気。
デイミアン・チャゼルの最高到達点と言っても過言ではない。それほどの愛と熱量を帯びた作品だった。
ララランド以降、大衆向け映画にシフトチェンジするかと思いきや全くそんなことは無かった。
それどころか、デイミアン・チャゼルの狂気はセッションよりも更に速度を増していき、本作を持って次のステージに達したと見て良いのかもしれない。
酒池肉林のオープニング。
これをあろうことかノーカット長回しで臨場感たっぷりに見せてのけた。
この狂いに狂った映像体験だけでもう満点だ。
サイレント映画の撮影シークエンスのワクワク感とヒヤヒヤ感。この興奮を1人でも多くの人に映画館で体験してほしい。
映画好きなら誰もが想像するであろう"セット裏"のマジックが脅威の映像で表現される。
そして何より素晴らしいのは、本作がサイレント映画からトーキー映画への変化。
そこで移り行く人間ドラマ。
更に現在へ続く映画史までを包括している点だろう。
これは単にエンタメ映画として消化するにはあまりに惜しい作品だ。その先にある深遠なテーマと哀愁漂うドラマに身を預けてほしい。
それともう一つ。
これまでデイミアン・チャゼル作品が嫌いだった人にこそこの作品をオススメしたい。
なぜなら、この作品にはスタンリー・キューブリックやクエンティン・タランティーノのイズムが色濃くリスペクトされているからだ。
これまでの監督の作品像を180度回転させるほどの狂気の映像体験。賛否割れるのは当然だが、好きな人はどこまでもハマってしまう。そんな中毒性の高い最高に尖った作品に仕上がっている。
映画に刺激を求めている人にはぜひオススメしたい。
ラスト10分はトリップ感すら覚えた。
愛憎入り混じった狂気の3時間を体感せよ。
象と蛇と鰐
利権が絡んでマーゴット・ロビーのセリフがカットされたところが気になる/本当に利権が理由なの?
1920年代の無声映画からトーキー映画への変遷期を役者と制作側、劇伴のミュージシャンたちから描いたエンタメ作品。
マーゴット・ロビーお目当てでの鑑賞です。
だもんで、☆半分おまけ。
いきなり象さんのドバドバ排泄シーン。インド人?えっ、メキシコ人?
伯爵だかの豪邸でのパーティーシーンは猥雑過ぎます。
お下品なマーゴット・ロビーにはハーレイクインで多少慣れておりますが、 PUSSY 連呼し過ぎ。
オリビア・ハミルトンが女性監督役で出てきた女優さん(サマラ・ウィーヴィング)がエマ・ストーンにみえたり、マーゴットロビーのひとり二役にも見えたりして、メイクアップのイリュージョンの世界にも引き込まれました。
利権が絡むという理由でマーゴット・ロビーのセリフがカットされた無音部分がとても気になりました。本当に利権が理由なのか??? とんでもない汚い差別発言なのか? それとも、視聴者の想像に任せるという一種のギミックなのか?
巨大なディルドを乗せたトンピングの小人などの乱痴気パーティや後半の最後近くの暗黒界の帝王(トビー・マグワイヤ)の地下牢のような見せ物小屋描写はナイトメアアリーでもそうだが、今村昌平監督の「ええじゃないか」へのオマージュではなかろうか。 ヘビ女は出てこないが、ガラガラヘビは出てくるし。中国系の女優さんを準主演にもってきて、吸血させるあたりも。
CG使い放題の現在に比べ、40年前の巨大オープンセットによるスペクタクル時代劇は興行的にはまったく振るわなかったが、海外では高く評価されたらしい。さしずめマーゴット・ロビーの役のネリー・ラロイはぶっ飛び新人女優でもあり、桃井かおりの役とダブらなくもない。
無声映画からトーキーへの変遷により壊れてゆく役者の話は、ええじゃないかの三木のり平の印象的なセリフ、
「時代の変わり目はきつうございますな」
を思い出しました。
ブラット・ピットのジャックは緒形拳の演じた古川条理にかぶります。
スッキリ感には程遠い内容でしたが、マ二ーを演じたデイエゴカルバのネリーに対する想いと回想シーンはよかったです。
長いのに全然眠くならないのはさすが。
アカデミー賞作曲賞貰えるかな?お下品な曲もあるからねぇ。
シドニーのトランペットはとにかくよかった。
変わりゆく時代をかっこいい音楽で
結構始まってすぐ、びっくりしました!途中もまあまあ、お下劣なシーンも
そして、ラストのシーンはグッときます。
変わっていく映画界を取り巻く人たちのお話。変わることで、取り残される。
とある時代には受け入れられたものが、古くさくなる。それは仕方のないことなのでしょう。
混沌としているけれど、それをかっこいい音楽でまとめた。
長さを感じさせない映画でした。
機会があったら、もう1回観たい映画です。
無駄に長い3時間
この3時間は長い!
「RRR」「アバター」の3時間は全く長いと思わなかったけどこの3時間はホント無駄に長い!
1920~30年代頃のワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド。無声映画からトーキーへと移行する中で時代に抗う映画人たち。というと面白そうなんだけど。
この時代にはこんな人たちがいましたよと総花的に色んな人たちが出てきてなんとも取り止めがない。
ラ・ラ・ランドのようにマーゴット・ロビーとディエゴ・カルバのカップルが主役?と思いきや、主演はブラッド・ピット?でもなく、黒人のトランペッターやら何をしてる人なのかよくわからないアジア人女性やらのエピソードがバラバラに散らばってきて、それがやがて一本の線に…ということもなく進んでしまう。
誰か一人に絞ってじっくり描いたらもっと違った面白い映画になったと思うんだけどなぁ。
それなりにノスタルジーや哀愁は感じるし映画人に内輪ウケしそうなので賞を取ったりするんだろうけど、画面は猥雑で汚いし普通に見たら面白くはないです。てかデミアン・チャゼル監督こんな変態だったんですか。
唯一の見どころはなんと言ってもマーゴット・ロビー!
アバウトタイムの可憐な女性からスーサイドスクワッドのハーレイ・クインを経て今回は野生児として一世を風靡するどうしようもないジャンキー女。こういう役をやらせたらもう無敵ですね!この人の演技の振り幅はホントすごい!
この映画で一番面白かったのは蛇と戦うシーンでした(笑)
狂気の描き方
もう楽しすぎるぜ!
在りし日のトーキー映画に移り変わる時の葛藤(?)がひとつのテーマになっていて・・・
そんな映画あったなあ。あー!「雨に唄えば」だ。
雨に唄えばでは無声映画の女性大スターが、トーキー映画になってあまりに酷い声だったからアテレコすることになったヒロインが、ジーン・ケリーのサポートで女優の道が開かれるという話だったと思う。
奇しくもこの映画にも「雨に唄えば」の曲と、ジーン・ケリーが出てくるけど、ブラピのピンクのカッパを着せられてモブとして歌う滑稽かつ悲哀に満ちた墜ちたスターの悲哀に繋がるとは。
あんなことさせられたらその後の❌❌も致し方ない。
映画見てからは、Apple Musicで聴きまくってます。
さてこの素晴らしい「クソ映画」については「サブライズ」さんのレビューに私の言いたいことは全部書いてあるので紹介だけしておきたいと思います。
リタイヤ
ゴージャスでクレイジーな映画に命を賭けた者たち
最高にクレイジーで豪華絢爛美しさと汚さが入り混じった映画黄金時代のハリウッドで繰り広げられる栄枯盛衰をハイボリュームで描ききった本作。
画面一杯の黄金パーティ、アップテンポのジャズ、リアルかつ大迫力の映画撮影シーンハリウッド黄金期はこうじゃなきゃと言わんばかりの再現に信じられないほど心が躍った。
本作で無声映画黄金期の大スタージャックを演じるブラピの圧倒的なオーラ、溢れ出る色気全てが凄まじく、心を奪われて釘付けになった。ストーリーが進むにつれて纏う哀愁も渋すぎて後半は涙が止まらなかった。
ジャックの若者への温かい声かけ表情に勝手に励まされた。
マーゴットロビーの弾けっぷり、開放感、夢へとまっしぐらに突き進む姿に勇気と思い切りこそが1番美しいのだと気づいた。
そんなキャラだからこその挫折や落ちこぼれぶりは観てて心が痛くなってしまった。
後半満を辞して登場するトビーマグワイアは恐ろしい程の怪演で一気に場面を支配していた
登場からずっと不穏さを極限まで纏い、こちらの緊張感を煽り、独特な喋り方、ねっとりした表情で何するか読めない気味の悪さが最高でずっと心臓がバクバクしてた。
主人公達が見る世界の変化によって自分も
胸が高鳴り、不穏になるにつれ胸騒ぎをする
徹底的にキャラクターに感情移入することが出来る派手ながらも繊細な作品だと感じた。
気は狂ってる。でも、それにどこか憧れる。
「生き残るのは暗闇から見つめる私のような者だけよ」
デイミアン・チャゼル、大きく出たな、というか自分大好きだな。そうな...
バ・バ・バビロン
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