バビロンのレビュー・感想・評価
全312件中、281~300件目を表示
映画界栄枯盛衰の物語
昔の映画のお話
すごいパワー
歴史の転換期
猥雑で下品なカオス
映画を愛する人間が作った映画讃歌であり、映画に身を滅ぼした人々への哀悼であり。
繁栄ののち、人知れず埋もれ、後の世に発掘されてその時代を知ることになった古代バビロニアのように、フィルムに残った人々の姿もまた、歴史の中で消えたり復活したり。
そんな栄枯盛衰を描いていました。
(その映画への愛も、とっ散らかりすぎて&断片的引用で終わっていて、あまりリスペクトは感じない部分も大きいけども)
ただ、圧倒的に「猥雑」で「下品」。
のっけから、大小便、殺人、ゲロと容赦なく。
『ラ・ラ・ランド』みたいにおしゃれなフィルムかなぁ?って間違ってデート気分で観に行ったカップルが、「調べておきなさいよ」と喧嘩して別れるレベルに下品。
新興産業の初期のカオスを具現化した、と単純には言い切れない。
この点、観に行こうと考えている方々はご注意と覚悟のほどを。
それでも、ラスト近くの老年期に入ったジャック(ブラッド・ピット)のセリフは、輝いていました。
私はマーゴット・ロビーが暴れるってだけで肯定的に観ちゃうんですが……
これは観る人を選ぶ作品です。
絶賛と酷評がありえる、賛否両論にならざるをえない。
ダメな人には生理的に受け付けないでしょうね。
映画関係者には受けるかもしれないから、賞を取る(ないしはノミネートどまり)かもしれないけど……
興行成績は不安な作品だなぁ(特に日本では)。
品がない
1920年代のサイレント映画から
トーキー(音声付き映画)へ進化していく時代
"おい映画好きの観客ならわかるだろ?"
的な魅せ方な作品
テンポ良く進むのはいいが
3時間使ってる割には登場人物の深堀弱く
あまり感情移入出来ないまま進むので
時折、え?なんでその言動、行動になんの?って
おもってしまうこともしばしば。
そして冒頭から品がない
この品のなさが最後まで定期的にある
この下品さを使用して表現したかったこと
伝えたかったことあるかもだけど
私にはそれを受け止める前に嫌悪感が勝ってしまった……
そしてラスト……
またはじまりました
"おまえら映画好きならわかるだろ?"
映画好きだけど
おれぁもっと単純明快ストレートな作品でいいかな
って改めて思った3時間でした。
ララランドみよっと。
ラ・ラ・ランドをもう一度
象の肛門、どアップからの地獄絵図、あんな観たことも無い笑撃的な場面が終わってから遅れて多数の客が入って来た、さすがブラピ、ハーレイ・クイン、デイミアン・チャゼルではなく『ラ・ラ・ランド』の監督としての知名度と宣伝、そしてシネコンって場所!?
序盤の卑猥な乱痴気パーティーが豪華で煌びやか、あのシーンが撮りたくて本作を作ったのかと思える程に全編通して一番テンションの上がる見どころ、明らかに後半から失速する物語展開に三時間の上映時間が間伸びする感覚ヲ。
1900年代から50年代に至るハリウッドのスキャンダルを綴った映画監督でもあるケネス・アンガーの著作「ハリウッド・バビロン」を少し想起しながら、デイミアン・チャゼルがサイレントからトーキーへと移り変わる映画の歴史を捉えながら劇中の音楽も含めて『ラ・ラ・ランド』をもう一度、撮り直したような感じが個人的に!?
ジャズ・トランペット奏者のシドニー・パーマーが主要登場人物でありながら深掘りされずに物語との関わりが薄いようにも、マーゴット・ロビーが演じるからこその愛嬌でカバーできた役柄、他の女優だったらイライラするだけの最悪な女でしかない、エマ・ストーンとか?
マーゴット・ロビーが嘔吐する場面は衝撃的ながらも象の脱糞には敵わない。
芸術的、かつ玄人向け
やはり長かった。もしかしたら面白くて気にならないかも?なんて期待したけど、予定通りだった。。。
前半はそれなりに集中できたけど、後半がイマイチで飽きてしまった。でもラスト40分はそれなりに盛り返したかな。
エンディングは私の感想の表題にもした、まさに芸術的でした。正直ミーハーな私には理解できないものでしたが、玄人、通の方には響く映画だったのでは?
物語では、気狂い女が前年は格好良く、行けいけ!って応援的に観てたが、後半はイライラ、、、
そして、ブラピは主役だったの??
てっきりマーゴットロビーとディエゴガルバの2人が主役かと思ったよ。
あの最後のブラピは3番目って感じを拒めないなー。
ラスト、直前には想像ついたけどなかなか良かった。
何もわからないわけではないが
人には滅びの時が来ても、映画は栄光の時を繋いでくれる
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』と『ラ・ラ・ランド』のコラボ作品⁉️
だって、プラピとマーゴット・ロビーの組み合わせに加えて、音楽もほとんどラ・ラ・ランドなんですから‼️
でも、いいんです❗️
楽しいったらありゃしない。
プラピの話と、マーゴットの話が絡んだり絡まなかったりで、展開として一本筋が通ってる、なんてことにはまったくなってません。
それなのに、カオス(混沌)と絢爛と欲望という人間の営みが生み出す状況に、時代(時勢)という抗うことのできない絶対的な波が押し寄せてくるのですから、片時も目を離してる暇がないのです。
人の思惑なんて、時代の趨勢の前にはなんて無力なんだろう。
必死に抗う姿はなんて美しくも哀れで、こんなに感動するのだろう。
そんなこんなで、あれこれ思ってたら、ずっと気持ちがざわつきながら落ち着くことなく見てるので、3時間を超える映画なのに、まったく長いとは感じませんでした。
消えゆく人の滅びのオーラを絶妙に醸し出したプラピの演技。
そのブラピに語りかけた批評家エリノアの言葉。
→100年後に見られる映画、50年後に生まれた人が見るかもしれない映画、その中にあなたは永遠の命を繋ぐことができる。
そして、ラスト10分の映像体験は、映画ファンへのサービスのようでもあり、コソッとジェームズ・キャメロン監督へのラブレターを忍ばせたようでもあり。
何はともあれ、本当に映画が好きなんだなぁ、という思いが伝わってきて、泣きそうになり、そうか、このための3時間だったのか!とひとりで合点してました。
濃密で心に突き刺さる"The Film"
ラ・ラ・ランドはなぜかあまり好きになれませんでした。でもこの映画はとても好き。
構成もキャスティングも衣装も台詞も演技もスピード感も歴史背景も「セット」も音楽(アレンジ!)も全てが熱い映画愛に繋がっていてとても良かった。上映時間はRRR超えだったが1秒たりとも無駄なシーンがなかった。
ブラピと同じ時代に生まれたことを心から幸せに思った。洋画好きの父が映画の話をする時によく挙げていた女優の名前(グロリア・スワンソンとかグレタ・ガルボ)がブラピの声でブラピの口から発せられたのを聞くことができただけでもう幸せだった。ブラピの役がイタリア出身設定なのでイタリア語をちゃんと喋っていて「イングロリアス・バスターズ」のリベンジができた!一方で1920年代、ヨーロッパはバウハウスだ、なんで未だに僕らは時代劇やってるんだ!これは映画を愛するジャック(ブラピ)の心からの言葉で身に沁みる。そして映画評論家のエリノアがジャックに伝える言葉は辛いけれど真実。溝口・小津・黒澤監督、そして山田五十鈴や田中絹代や京マチ子が居た世界をこんな「バビロン」的フィクション映画に誰かしてくれないかな。
マーゴットはこういう役がぴったりで彼女以外に考えられない。彼女の代表作の一つになると思う。ディエゴ演じる役は一途でピュアなところが最初から最後まで全くぶれなくて映画に愛された天使だった。冒頭から最後までとにかくかっこよくていい映画だった。チャゼル監督&作曲家ハーウィッツ、素晴らしい!
おまけ
サントラCDを入手しました。20年代の音楽(例えばMax Raabeのような)的に敢えてしなかった監督とハーウィッツの気合いと憧憬を金管が吠えつつ羽毛のような優しさで私達を愛してくれる。ワーグナー(トリスタンかな)もムソグルスキーもボレロもタンゴもワルツもハワイアンもロッキーも居る。聞いてるだけで泣ける、踊る。大音量で聞こう!
退屈
結論から言うと退屈な映画でした。
"セッション"を見た時はその世界観に引き込まれ、震えたが、"ララランド"で茶番を見せられ、"ファーストマン"は観ておらず、本作に臨んだ。
冒頭のエログロシーン自体は悪くなかったが、尺を取りすぎ。ショートフィルムやミュージッククリップとしてならシーンによってこれはこれでアリかと思ったが、その後の展開を足して行くと待たされた挙句、残念な盛られ方をした料理を食べて、何の味だったかもよく分からないまま後味悪く店を出た感じでした。
切り取れば良いところもなくは無いが、なんとなく言いたいことは分かるが、特にメッセージ性も感じられず、正直一人だったら途中で劇場を後にするレベルでした。
でも音楽は良かった。
一部の映画業界関係者の悦ぶストーリーではあるが、
映画は好きかい?
遂にやってきた、バビロン公開日。
2023年公開、新作映画で最も期待していた本作。期待が高すぎるがあまり、不安がかなり大きくなっていたが、デイミアン・チャゼルはやってくれた。「ラ・ラ・ランド」は真面目な僕で、これが僕の真の姿。って感じ。マジでスゴすぎて、笑いが止まらない笑笑笑笑 いやぁ!!!なんだこの、クソ最高な映画は!!!!
1920年代、ハリウッド。
映画を愛する人々が大勢いた、時代と土地。
毎晩パーティ。酒、ドラッグ、セックス。酔い潰れ、覚醒し、人前で平気でやりまくる。
開始10分にして、この世の下品全盛り。苦手な人はご帰宅下さいと言わんばかりの、ぶっ飛び具合。
私はもう期待の斜め上行く、最高の演出に酔いしれてしまい、ニヤニヤが止まりませんでした。こんな下品な幕開けは他にない!!!散々イカレ狂った後のタイトルコールには鳥肌が立たずにはいられず、この時点で神作だと確信。ホント、監督、何者??
マーゴット・ロビーの狂った踊りと、予告でも流れた愉快で派手な音楽。これ、テンション上がらない人いるの?大興奮すると同時に後悔。Dolbycinemaでなぜ見たかった、自分。こんな最高な映像と音楽、もう一生味わえないかもだぞ!!!ということで、開始数分にしてリピート確定。出来るだけ、音響のいい映画館で見ることをオススメします。Dolbyで見ることを想像すると、鑑賞前のウキウキがまた戻ってきちゃった。
開始0秒からラスト189分まで、どのシーンも最高の一言であるため、何から褒めていいのか分からないが、第一に音楽が神がかっている。流石、「ラ・ラ・ランド」でアカデミー賞を取った監督。全身を刺激するミュージックを爆音で、美しき映像とともに流してくれています。金管楽器というのは、こんなにも色んなものを彩ってくれるのか。こんなにも五感を擽るのか。デイミアン・チャゼルは、そのツボを理解しすぎている。もう、どんなジャンルだって、彼は最高品質の作品を届けられる。自信を持ってそう言える。
また、音楽と同じくらい役者も最高。演技をしていてこんなにも楽しそうなブラッド・ピットは初めて見たし、ハーレイ・クインを初めとした数多くのイカレ役をこなしてきたマーゴット・ロビーも、頭がもげそうになるほどはしゃぎ、人生までも楽しんでいるように思えた。常軌を逸している。ディエゴ・カルバの幅の広さにも驚きが隠せない。3人の代表作となること間違いなし、な恐ろしい演技力だった。
ハイテンポ、ハイスピード、大ボリューム。
189分という超長尺を、一切の無駄なしで駆け抜ける。RRRも、アバターWOWも、顔負けの破壊力。なんでそのテンションを維持できるのか。そして、なぜ私たちはここまで長い映画を平気で見ることが出来るのか。まさに、魔法。これぞ、魔法。時間も尿意も全て忘れてしまうほどの没入度合い。歯切れの良さは気持ちよくて仕方ないし、全力で走っていくようなこの映画に恋に落ちてしまった。
この映画は、映画人生そのもの。
映画を撮る人、映画に出る人、映画を支える人、そして映画を見る人。映画を愛する全ての人に送る、映画。時代は移り変わる。しかし、映画は永遠と残り続ける。映画人生に無駄なんて一切無い。1本の映画に影響され、また新しい1本の映画が生まれる。そう、映画は素晴らしい。人生はもっと、素晴らしい。
思わぬラストには涙が止まらなかった。
大号泣とはまさにこのこと。自分がどれほど映画を愛していたのか。この映画を見て分かった。私の映画人生を大きく動かした本作。映画を好きでいてよかった。そのまま好きでいてくれ。いや、もっと好きになってくれ。そう言われているような気がして、凄まじい鳥肌が全身を襲い、エンドロール中は泣きっぱなしだった。
もう、たまらん。
本当にありがとう。こんな映画を作ってくれてありがとう。こんな泣かせ方はズルい。興奮と感動の3時間。容易に人にオススメできるような映画では無いが、私にとっては至極の1本となった。クソ最高な映画に祝福を!!!!!
馬っ鹿じゃねえの? こんな傑作作りやがって な3時間
ド下品なオープニングから超エロい群集乱舞へ。
ゴージャスな香りから絢爛な退廃までが極端に振れる心地良さ。
襲いかかるJAZZの響きはエンドロールまで身体を揺らす。
タランティーノが身悶えしながら嫉妬しそうだ。
最高の讃辞として「このキ◯ガイ💕」と贈りたい。
刹那、刹那、刹那
やはりちょっといけすかないデイミアン・チャゼルよ
ブラピは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」に続くハリウッド三部作(私が勝手に名付けた)の二作目(ということにしておこう)で半分プロデューサー的彼がもっとも常識的で信頼できる安定の演技でこの映画を辛うじてアカデミーの枠内に引きとどめている。デイミアン・チャゼルは若くして巨匠になってしまい3時間を超えようがおかまいなしでやりたい放題が許されこの超クレイジーを装った映画愛を騙ったとんでもなくハッピーで虚無で背徳なくせにポリコレで無意味な楽しいムービーを我々に見せてくれるのだからなんとも切ない。それにしてもマーゴット・ロビーが役に入れ込みすぎでもったいなく、とってつけたような父や母との関係性やドラッグギャンブル依存がこれっぽっちのリアリティーも無く最後のマーニーとのダンスが8mmにおさまり闇に消えるシーンのあまりにも甘すぎる事よ。機材レンタル屋の兄ちゃんやスタジオの録音技師はさもありなんのあるあるで笑える。トーキー映画の最初のスタジオシーンは「テイク8」(上田慎一郎の名作を想起させられる)を全部きちんと見せてくれて3時間の巨匠映画に感謝。トーキーの時代到来で台詞を覚えられない悪声の俳優や字幕技師が廃れる諸行無常は周防正行の「カツベン!」の弁士にも通じるのだが、そこにテーマを絞っていればもっと優等生作品でいられたものを。アーメン。
期待したが...
かなり期待して観た。
ネリーの、初めての撮影場面で役者として開花しようとするシーンは爽快だった。その後もエネルギーあふれる女性を魅力たっぷりに熱演していたと思う。エンディングまで彼女の笑顔が目の奥に焼き付いていた。
ただ、映画全体としてみると、当方としてはいただけない作品だった。
刺激性のある映画は嫌いじゃない。それはエンタメとしての醍醐味でもある。
しかし冒頭の酒池肉林のようなパーティの場面、後半の地下の場面も、やたら時間が長い。なにを見させられているんだという気さえした。
こういった作品は芸術性を高く、どこかで品位を保ったものでなければ、不快感しか残らない。
映画界へのオマージュのようにも思えるが、それにしては中途半端。時代を茶化しているのかと途中感じた。
ブラッド・ピットは相変わらず魅力のある俳優だが、本作品では馴染んでいないように、ひとり浮いているように見えた。顔つきが近代的ハンサムだからか?
全312件中、281~300件目を表示