バビロンのレビュー・感想・評価
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下品さの裏に重厚的な物語が隠れている
「酒、ドラッグ、セックス」という3拍子揃った狂乱的映画は今まで散々あるが、うまくコミカルに描かれておりクスッと笑えるシーンが多かった。
そして開始数分後からスピーディーに展開していくのが心地よかった。「セッション」や「ラ・ラ・ランド」と同じ監督と誰もが納得できる、音楽にのせて演技が進行していく感じが興奮を呼び寄せる。
鑑賞後何よりも思うのが、マーゴット・ロビーがとにかく輝いている映画だということ。彼女にしかこの役はできないであろう。
絶対実現不可能だが、映画館で誰も他に人がいない中で強めのお酒をちびちびと呑みながら観たいものです。家族やパートナーと観るものではない。「映画」へ対する愛と敬意が大きければ大きい人ほど、この映画は刺さりそうだなと思いました。
生き方が下手なネリーに感情移入しました。
<ラ・ラ・ランド>が面白くなかったので、大して期待していなかったが、予想外に大変ドキドキさせられました。ローリング・トウェンティーから世界大恐慌、禁酒法時代に入る前までの古き良き時代を描いた映画。この映画で地に足を着いた生き方をしたのは、ゲスなハリウッドセレブに、たった一度の映画出演で決別したシドニー、くだらないハリウッド人種と思いながら、上手に渡り歩いたアンダーグラウンドの女王フェイ、日の当たらない場所で
ゴキブリのように生き残る、ゴシップ屋のエリノアの3人でした。対照的に映画を愛してやまない大スターのジヤック、貧しかった子供の頃から成功を夢見てのし上がろうとしたネリーとマニーの挫折が痛々しかった。デ-トリッヒをモデルしたと思われる、退廃美が、魅力的ですね。
シドニ-は目の前の大金に躍らされせず、ミュージシャンの道に戻ったのは、本質を見極める能力ある本物でした。フェイはマイノリティーとしての苦しみを越え、欧米で翻訳者としての再チャンスを掴むため、旅立った強く賢く冷静沈着な魅惑的な女性でした。こうして中国系アメリカ人の成功は、人一倍努力して、今があるんてすね。
ジヤックが普段はあんな破壊的な生活をしているのに、映画にたいしての情熱が真面目で凄くて驚きました。いくつもの語学をマスターして、大スタ-になっただけありますね。ト-キ-に夢と期待を抱いていたのに裏切られ、忘れられたスタ-になるよりも、忘れえねスタ-として終幕を迎えたのは、哀しくせつなかったです。
機転と気配りができるマニ-と、場が読めない破滅的でコンプレックスだらけのネリ-は、性格は正反対だが、貧しさから抜け出そうとする気持ちだけが、惹かれていたんですね。ネリ-は、上辺だけ上品ぶったハリウッドセレブリティに、嫌気して本音をぶちまけた、か弱くデリケートな痛々しい女性でした。一方、貧しいながらも良識ある家庭で育ったと思われるマニ-ですが、ネリ-に振り回されなければ、成功してたかもと思いました。しかし、ハリウッドは一寸先は闇の世界なので、平凡だが堅実で良識のある世界に早々に戻って良かったです。
それにしても,あの時代に女性監督がいたのですね。ト-キ-の初頭時代は演技と音楽とセリフが同時撮影で、失敗すれば何度も撮り直しなんて、大変な時代でした。この映画に引き込まれたのは特に、ネリ-の悲痛な叫びを体当たりで演じたマ-ゴットと、ジャックの胸がしめつけられるような、心に突き刺さる、演技描写のブラッドが素晴らしかったからです。
ラストで、夢の世界で生き残るのは壮絶だなと、重々しい気持ちになりました。
時代に流されず、夢を見過ぎず、自分を見失わずに生きようと教訓になった映画でした。
マーゴット・ロビーを通してハリウッドを楽しむ
1920年代のハリウッド黄金時代に、夢を追いハリウッドへやって来た青年マニーと新進女優のネリー(マーゴット・ロビー)が大物俳優ジャック(ブラッド・ピット)と出会い、それをきっかけに、怖いもの知らずのネリーはスターになっていった。そして、時代はサイレント映画からトーキー(発声映画)に移って行き・・・てな話。
サイレント映画の時は美しければ声なんてどうでも良かったのが、トーキーになり、声が変で潰れていった女優が居たのは何かの作品で観て知っていたし、大変革だが時代の流れで仕方なかったのだから、合わせていかないといけないと思う。しかし、酒を飲み、薬に手を出し、オッパイ出しまくりの乱交もどきが当時のハリウッドの裏側だったのだろうか?
バックに流れる音楽はとても良くて、目を閉じても楽しめるくらい素晴らしかった。
ネリーのハチャメチャぶりは、ハーレイクイーンに通じるものがあり、マーゴット・ロビーしか出来ないだろうと思わせる素晴らしさだった。
特に、トーキー初期のテイクを重ねる時、乳首をわざと立たせての熱演はエロくて可愛かった。
破綻した映画。
監督の映画愛が伝わる!もしやニューシネマパラダイスオマージュしてる?
最初のタイトル出るまで割と長いwwごめんなさい、ちょっとそこ寝ちゃいましたww
けど!その後は!ワクワクしたし、ドキドキしたし、監督の映画大好きが伝わって泣けました!
カメラが無くて調達してなんとか夕焼けのシーン(逆によかった)が撮れるところとか、ゴシップ誌の編集の女性が「あなたの作品は未来に残る」的なこというシーンとか(ま、ありがちなセリフなんですが、コレが案外響きました)映画好きにはたまらないシーン満載でした
そしてー!あのマフィアのボス的な白塗りの人、トビー・マグワイアだったのー!?やっぱりー?マジかー!!!
そしてそしてラストの映画見るシーンもしかしてニューシネマパラダイス、オマージュしてます?私はすごく感じてさらに泣けてしまったのですけど!!
期待以上の面白さ
あまり期待してなかったけど予想以上だった。
糞尿、ゲロ、毎晩パーティ、酒、ドラッグ、人前でセックス、裸体、マフィア…
開始10分で『お下品』だと言われるもの全て出てくる。
制作中、人が死んでもお構い無し。
R15で公開されていい作品ではない 笑
ブラッド・ピットは、流石、ハリウッドのトップ層にいるという納得の演技力。見るだけで心動かされる。
マーゴット・ロビーは、あまり好きではなかったが、
だんだんと惹き込まれていった。あんなに魅惑的なダンスと表情ができるのかと思った。
終盤でやはり、マーゴット・ロビーだなって感じだったけどもう苦手意識は私の中でなかった。
サウンドミュージックも最高。
あとで知ったが「ラ・ラ・ランド」の監督だとか。そりゃ音楽に力いれててミュージカル風なんだなと実感。
初代スパイダーマンで有名なトビーマグワイアは 終盤あたりで出てくるレベル。私は出てくると知らなかったので見た時ビックリした。 スパイダーマンのイメージしか無かったから。
イカれ狂ってんのに最高に面白かった
汚いし、裏の世界満載の物語なのに楽しかった。
テーマはgood
派手!刺戟的!音楽良し!ただし胸焼けするかも。
欲望が人間をドライブする
ハリウッドによるハリウッドな作品
デイミアン・チャゼルという監督は正統派な作品を撮る監督だと思う。冒頭の乱痴気パーティーのシーン、ヴィスコンティの「山猫」の舞踏会シーンのオマージュだと思うのだが、頽廃的な要素が目一杯であるにもかかわらず、何故か明るく乾いた感じがした。暗さと陰湿さと変態さに欠けているのだ。ヴィスコンティが撮ると美しい舞踏会のシーンも何故か頽廃し、秘め事を盗み見する後ろめたさがある。チャゼルには後ろめたさがない。マーゴット・ロビーも明るい、底抜けに明るい。この作品自体が燦々と降り注ぐ陽光の中で撮られた全く後ろめたさのない青春映画のように思える。ハリウッドという場所がそうさせるのか?人間が本来持っている暗さにもスポットが当てられ、明るく照らし出されているのだ。度肝を抜かせるための汚らしく、際どいシーンも幾つかあるのだが、後ろめたさに欠けるため、ありきたりのシーンに私は思えた。ハリウッド黎明期から黄金期へと向かう歴史譚の中の悲惨な要素さえも明るく照らし出された大掛かりな青春映画だというのが私の忌憚のない感想だ。
デイミアン・チャゼルとは気が合わない。
デイミアン・チャゼルとは気が合わない。
ラ・ラ・ランドも苦手だし、ちょっと気が進まいと思いつつマーゴット・ロビーが素晴らしい演技をしてると聞き劇場に向かったが、やっぱり合わない。
確かにマーゴット・ロビーは見応えあるし3時間の長尺も別に良いが
マーゴット・ロビー、ブラッド・ピットを起用し
過去のハリウッドを描くとゆう共通点からどうしてもワンハリと比べてしまうが個人的にはワンハリの圧勝で。
映画のマナーを、映画オタクのマナーで塗り替えたのがタランティーノだと考えると
チャゼルは映画のマナーもオタクのマナーも無視して
好きなものを直列繋ぎで並べるぜって感じな気がするんだけど、たしかに映画は好きなんでしょうね。とは思うが、いろんな映画の直接的なオマージュ?パロディ的なシーンは全て下位互換な印象しか感じなく、映像としてもモサァっとしてみえるんですよね。
例えばラ・ラ・ランドのOPダンスもロシュホールの恋人達のOPダンスの方が圧倒的に気分が湧き立ち感動する。露悪的とも感じる馬鹿騒ぎダンスシーンもバズ・ラーマンの映画のわけわからんが圧倒的に上がる!みたいな混沌としたエネルギーが溢れてくるみたいなエモーショナルはないし…みたいな
ちょっと残念なオマージュを重ねられると、チャゼルが自分の好きな映画に雑に唾つけてるのを観てる感覚になって気分が下がっていく。今回の最後は尚更ですね。
私はオタク的映画好き世代なので、映画の引用って知ってる人が、あっコレはあの映画のあのシーンだなって目配せしあってニヤっと笑うぐらいの塩梅がクールだと思ってるからチャゼルの大胆オマージュはどうしても好きになれません。
しかも、チャゼルってけっこうゴリゴリの白人男性ヘテロセクシャルな感じなのに、クィア文脈に近い映画好きだよねって感じで
今回のバビロンは特にレズビアンや有色人種を題材に取り込んでるけどこのオマージュの仕方だと、とても表層的で文化盗用的とも感じることもできる気がして…余計にチャゼルよ…とゆう気持ちになるんですよ。
ただ、映画の引用が正しい正しくないとかはないと思うので好き嫌いの問題だと思う。
世界一魔法がかかった場所だからこそ、必ず魔法がとける…
ハリウッド黄金期、煌びやかな世界時代に抗えない人間の無力さと儚さを描いたちょっぴり切ないエンターテイメント作品。
いきなり⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎プレイの描写から始まるカオスでド派手な幕開け、煌びやかなパーティー。
ドラッグに裸で踊る女性や男性、人前で乱れて、交えてめちゃくちゃ。初めこそ頭が混乱するけど、いつしかこの世界観に夢中になっている自分がいる。
まるで魔法がかかったような場所・ハリウッド。この夢の地に憧憬を抱いてやってきたディデコ演じるマニーや、ブラピ演じる名優・ジャック、マーゴット演じる魅力的なネリーなど、それぞれの人生が回り出す。
夢中で追いかけた夢や希望、共に過ごした仲間、場所、そして愛した女性…
かつてあった物や人は時と共に消えてゆくけど、思い出とフィルムは色褪せることはない…。
ラ・ラ・ランド同様、ラストのシーンは目の奥が熱くなり、号泣。
こうして時代は繰り返されてゆくのだ。
栄枯盛衰、人生も映画も常々変わりゆくのだと。
記者がブラピに話すシーンでの記者のセリフが名言だらけだった(メモっとけば良かった)!
音楽がとにかく最高!ラ・ラ・ランドらしい音楽で、スカやジャズをベースにした曲に体が自然と波を打つ。この場で踊りたくなるほどに素晴らしい曲ばかり。
面白いの?
当時の映画が好きならば
ブラピ主演かと思いきや群像劇で、ネリー>マニー>ジャック>シドニー>その他といった比重。
全体として『時代』を描いているというのは分かるが、人物、舞台裏、歴史などなど多様に扱いすぎ。
芯になる部分がない上に最後にバイオレンス要素まであり、ごった煮に感じる。
実際どうだったかは知らないが、すぐ脇で同時並行的に撮影が行われるシーンは面白かった。
脇でオーケストラが演奏してたのに、無声映画だったのは驚いたが。
また、その後トーキーに移ってからの環境の変化も興味深い。
しかし、冒頭の乱交パーティや8テイク丸々見せるなど冗長なシーンも多いし、後半ダレる。
そこからテーマや結論が広がるわけでもないので、ジャックとエリノアの対話が着地点でよかった。
個人的にはネリーは最高でした。
チャンスを掴んだ演技の説得力、艶かしいダンス、イカれ具合、闇に消える後ろ姿。。
新聞の片隅の小さな記事で死亡が伝えられる最期も悲哀を感じた。
映画(特に旧いもの)に詳しい方はもっと楽しめるのでしょう。
学の浅い自分には、業界裏のお仕事ものか、ネリーあるいはシドニーが単独主演の方が面白そう。
繁栄と衰退
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