正欲のレビュー・感想・評価
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ソウルメイトに出会える幸運の事蹟
疎外感満載の中で、
真偽を疑義しながら生きて行く葛藤の展開と集結。
理解のしようのない生来からの世界観を、
言葉でも映像でも表現できない部分を、
水をモチーフとした、
千住博の様な滝の映像が出てきたときに、
二人の関係が整列したことを感じた。
友人でも、親友でもない。
奇跡の出会い。
性行為の予行演習は不要だね。
もしよければ、
ひょうきんな稲垣くんが、
検事らしく絞めてくれれば、
より高次元な作品として成立した。
それでも、
ラストの締めは最高だった。
( ^ω^ )
第34回柴田錬三郎賞を受賞した朝井リョウの同名ベストセラー小説を、
稲垣吾郎と新垣結衣の共演で映画化。
「あゝ、荒野」の監督・岸善幸と脚本家・港岳彦が再タッグを組み、
家庭環境、性的指向、容姿などさまざまな“選べない”背景を持つ人々の人生が、ある事件をきっかけに交差する姿を描く。
横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、
不登校になった息子の教育方針をめぐり妻と衝突を繰り返している。
広島のショッピングモールで契約社員として働きながら実家で代わり映えのない日々を過ごす桐生夏月は、
中学の時に転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。
大学のダンスサークルに所属する諸橋大也は、
準ミスターに選ばれるほどの容姿だが心を誰にも開かずにいる。
学園祭実行委員としてダイバーシティフェスを企画した神戸八重子は、
大也のダンスサークルに出演を依頼する。
啓喜を稲垣、夏月を新垣が演じ、佳道役で磯村勇斗、大也役で佐藤寛太、八重子役で東野絢香が共演。
第36回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品され、最優秀監督賞および観客賞を受賞した。
ストーリーと配役の妙は堪能
これが問題作らしくみえるのは、それは新垣結衣さんがその役をやっていることがかなり強い。しかも堂にいっている。パブリックイメージとはだいぶ違うが、きっとそのような要素を持っている人なのだろうと思う。テーマとはかなり合致している。
にしてもフェチズム、ダイバーシティ、SNS、現代的なアイテムを散りばめて回収していく、想像するにおそらく原作のものである構成力は後半グイグイと発揮される。正直前半は映画的快楽がほとんどない情報の配置に終始して、さほど面白いものには感じられないが、話芸というのは映画のひとつの力だな、と感じられた。
で、水フェチか、水フェチなんてあんのか、と思いもするが、こんなフェチまであるのかもよ、というファンタジーというかメタファーな気もするのでさほど気にはならない。世界の隅の隅でひっそり暮らす未来のマイノリティに対しての眼差しがしっかりとあった気がする。マジョリティとマイノリティを図式的にも提示して、敵対と融和のドラマも作ったうえでの最後の対峙と、新垣が言うそのセリフ、いなくならないから、というのはやはり巧みなストーリーだな、と思う。
ある意味、究極の愛かも
とても特殊な性欲の形ですが、「何に対して」によって見え方が違って面白いと思いました。ネタバレしないとして、 ●●に対して感情が湧くという時点でまったく理解できないのですが、そこが肝になっているとも思います。これが別のものになれば一気に犯罪とか恐怖になるのでしょうけど。●●なので、何が悪いのかと思ってしまう。
「普通」をかざして正論を言うことが滑稽にも思えます。
性癖については「普通」なんて有り得ないし。もし「普通」があったとしたら、それが1番変態とも言えますので。
磯村勇斗さんはもちろんですが、新垣結衣さんも凄いですね。悪ガッキーというか、裏ガッキーというか、ちょっと気持ちが悪いというか怖いというか。
だからこそ、笑顔が輝きますね。ちょっと性的なシーンも新鮮です。
何ヶ所かウルっと来ました。
本当の意味で、「あなたしかいない」なので究極の愛だと思います。
音響整音が残念
裸でしろよ。
ガッキーが出てるから、ゴローちゃんが出てるから、磯村勇斗が出てるから、観に行ったけど、ガッキーでなくても、ゴローちゃんでなくても、磯村勇斗でなくてもよかったな。この3人だったから最後まで魅せられたけど、役回りに合った地味な俳優さんたちが演じてたら誰も観に行かないか。
子どもは学校行けよ、とか、水出しっぱなしにすんなよ、とか言ってしまう明日も生きていたいと思ってる年寄りには響かなかった。
普通の人の役まわりの稲垣吾郎にとどめの一言を浴びせたかったんだろうけど、最後の方の展開必要だったのかなぁ。(あの一言はよかったですね)
岩代太郎の音楽はいつも美しく、そんなに盛り上がるような場面でなくてもしっかり盛り上げてくれる。
磯村勇斗は、ビリーバーズ、波紋、渇水、と水続きだな。あ、CMもか。
わかりあえるところ、ひとりじゃない、お互いが大事に思えるところがよかったですね。
セックスするならまず裸になりましょう。
映画館の大きなスクリーンでワクワクするような映画を観たいという普通の人間(普通ですよね?)の欲は満たしてくれなかった。
多様性の進化系?
朝井リョウ原作映画の魅力
まずキャスティングが素晴らしい。
そして全てのキャストが最高のパフォーマンスをしていて久しぶりに邦画を観ていて感動した。
原作は読了済み。朝井リョウの小説では「何者」が1番グッときていて本作「正欲」はタイトルは上手いこと考えたなーと感心しつつも予想の斜め上を行く内容で、心に刺さるまではいかなかった。
水フェチはあくまでもメタファーで、本当はもっと犯罪に繋がる性癖でもよかったかと思うが、ここらへんが限界でしょう。
実写化となった本作では原作のオムニバステイストを踏襲しつつも順番を入れ替えることでクライマックスの夏月と啓喜の対峙がより際立ち、そして鉄の扉がガッチャンと重々しく閉じるように終幕する演出が素晴らしかった。全体的に照明も暗いし、ひたすら重いんです笑 この映画。
ただしこの重さがあるからこそ、ラストの夏月の台詞に救われ、啓喜の孤独感がより際立ったと思います。
原作でも見せ場だった大也にまさかの反撃をする八重子のシーンで、八重子を演じた東野綾香さんは圧巻だった。本作が映画初出演とは思えない存在感で今後が非常に楽しみである。日本アカデミー新人賞確実でしょう。(日本アカデミー賞は特にチェックしていませんが笑)
監督は面食いなのか、啓喜、夏月、佳道、大也を演じたキャストは原作を読みながら想像していた顔より数段良い笑 だからこそスクリーン映えするのかな。夏月のウザい同僚との対決シーンなど、原作から大きく削ったところもあります。しかしここはクライマックスの夏月VS啓喜をしっかりみせるための的確なバランスだったと思う。
長い間の使い方や自然な台詞など心地よい演出だった。やたらと感情叫んだり、説明台詞の連打など、「ゴジラ-1.0」等で見受けられる日本ドラマ仕込みのクサい演技と演出が本作では全くない!笑 これぞ映画の時間!
今年の邦画ではトップクラスに好きです。
朝井リョウ原作映画が今のところ全部"当たり"という素晴らしいユニバースに私は生きている。売れないと世間的には(普通は)"当たり"とは言わないかもしれませんが。
あとは渡辺大知さんのショッピングモールで遭遇したくない陽キャ幼馴染感ハンパなかったです笑
啓喜の食事がカレーライスやオムライスなどやたらと子供っぽい食事なのは映画だけの演出だと思うが、どういった意図なんだろう。(嫌いな人がいない、みんな大好きな間違いないメニューを食べている=普通であろうとする啓喜そのものみたいな?)
作為的な人物造形
ガッキーが演じる桐生夏月の最後のセリフは、ごく普通の言葉なのにとんでもなく響いた。佐々木佳道は、その言葉を聞いただけで、勇気づけられたに違いない。そして、自分に対する想いを全て感じとったはず。
ラストは感動したんだけれども、人物造形については疑問符だらけ。
稲垣吾郎が演じる地方検事の一家が、嘘くさい。嘘くさいは言い過ぎとしても、家族の匂いがしない。セリフや演出の問題だと思うが、上っ面の会話劇が白々しい。
生きづらい人々は、いろんな形で存在しているし、自分も生きづらさを感じている。だけれども、この作品に登場する人々は、どこか人工的に作られた感じがして、共感できない。
マイノリティを自称する人々の中には、毒蛇の輩も混じっている。そういうリアリティ路線を作品全体で通してくれれば、随分と違った印象になったと思う。
心震えます
価値観を問う作品 【ただし星は明らかに ひいき贔屓目】
朝井リョウさんはひいきにしてるから星⭐️⭐️⭐️3ね。
【エンタメとして】
勿論、色々な嗜好の人がいてイイ
だが、ワシにはヘンテコに映った それって 性的指向ではなくて 趣味じゃないの❓❓
趣味と性的指向は違うよね。
稲垣吾郎さんが 微妙な作品に出演 ビックリだなぁ何が微妙かは観て見て・・・
大学生男女も 結局無機質感満載
いやぁ こんな人たち会ったことないよ。とビックリ‼️
「趣味で日本の名瀑 華厳の滝 那智の滝 袋田の滝 大好き❤です 公園の噴水も大好き」
と言うならわかります。
【法廷の理屈として】
支離滅裂です。
なんでその程度の動画写真やり取り
だけで 検察に身柄拘束されるのか❓意味不明
イヤイヤ 親しい友人として 任意で 都合を聞いて聴取はあり得ても
検察官 検事【定義が違うこと要注意】に そんな 思い込みで人を拘束 する力 なんてないよ。
王様では無く ただの公務員だから
なんで強制捜査、家宅捜索 押さえてるのか意味不明だよ。こんなん人権問題、国賠レベル
国民全体の奉仕者は 司法も同じ
証拠で示される写真が 普通の写真じゃないの❓
【まあ実際の 職務の方は首傾げること必至】まあホテル行ったやつは逮捕当然だけど
【まとめ】問題提起作品と思っていただけると良いです。
私は 朝井リョウさん ひいき贔屓で普通の星でした。
映画館の器に集った猛者たちは 予告編段階から 咳ひとつない精鋭ばかり
ピッチャーエース1番で 4番バッターで甲子園 【昔は定番でしたが平成以降見なくなった】
レベルの猛者or朝井リョウさん愛読者が集ってた。
まあ多分 最初稲垣吾郎さん目線が→違うだろ、それは偏見 がツボかも
朝井リョウさん 直木賞だから大衆文学 ですが 頭のスペックの衰えた私には 純文学だった。
あっ❗️有料パンフは普通です。朝井リョウさん愛読者だと25分以内に読了かもです。
稲垣吾郎さんもガッキー新垣結衣さんも良いけど 磯村勇斗最近よく見るなぁ映画にシフト❓テレビドラマも❓
テレビドラマ観ない人なので無知ですみません。
画面の切り替えが早すぎ。水への執着とそれが性的なことと繫がることと...
画面の切り替えが早すぎ。水への執着とそれが性的なことと繫がることとは別のことなので、話がよく見えない。むしろアセクシャルの分野か?
これまでのフィルモグラフィーから言えば、磯村くんと新垣さんはベストキャスティングだけど、逆に手堅すぎて新鮮味なし。二人のセックス真似っこシーンはよかった。またダンスがよかった。
ドラマの作りは理念的であんまり面白くない。
お前が主役なんかい!
2023年劇場鑑賞268本目。
舞台挨拶中継付で鑑賞。マスコミもいたのでせっかく上映後の挨拶なのに映画の内容には触れているようで触れていなかったのが残念。マスコミの取材は別にしてほしい・・・。
エンドロールで初めて主演が稲垣吾郎と知りました。新垣結衣と磯村勇斗じゃないの?舞台挨拶でも司会差し置いて仕切りまくってたなぁ(笑)
一般的に異性(人によっては同性)に抱く性的興奮を水に感じる人たちの話。例えば人の裸を見て感じることを水に感じ、水を見て思うことを人に対して思うので、当然性交渉もしたことがないのは徹底していると思いましたが、ほんとにそんなことある?
自分も川の水が流れているのを眺めているのが好きですし、黒パンストも大好きなんですが、それは共存できますし、別に水に対して興奮するということは一切ないのでなおさら理解しがたかったです。
色々なメインキャストをつなげるためにちょっと強引な展開だったな、とも思いましたし、え、終わったの?という幕切れではありましたが、マイノリティの苦悩と、仲間が見つかった時の喜び、という点ではよく描けていたと思います。
普通って何だ
本作の力か原作の力か知らんけどラストセリフの破壊力よ。
普通・・?
知るか!お前らの世界の定規だろ、便利な言葉で殴んなよ。
俺も人生でちょっと思ってたヤツだ、普通って定義の雑な乱用、普通はコレでアレだぞお前は異常だ!
マイノリティコミュニティで小さな幸せ育んでくたら、その中の1人が違法行為。
犯罪者の部屋から趣味のコンテンツが見つかった、どうせお前らも同罪だろ!犯罪者予備軍だ、
弾圧するぞ迫害するぞ。
80年代アニヲタが食らったらヤツじゃ無いか、別にアニヲタはロリコンじゃ無いし、スプラッタホラー好きが殺人予備軍じゃ無いぞ。
と俺はヲタクとして心当たりに受け取ったんだけど、ヲタはヲタでマジョリティ差別してんのよ、カラオケとか行ったらアホ丸出しにアニソンとか熱唱すんだけど、「普通の歌」とか言って歌謡ヒットソング歌い出すヲタあるあるとか。
マイノリティも集団になれば同じ事やんの。
ここ数年映画が趣味になったり、地下アイドルとか、AMラジオの話とか挟むと「お前はサブカルだ」とか言われて、はあ??
とか思ったりしてる。
サブカルとか知らねーし。
マイノリティの中でも上下のマイノリティを作って区別したがるんだな。
ざけんな!俺はゴリゴリのヲタクだわ!
俺の普通はコレだよ。
痛烈な一言に心打たれる
朝井リョウ原作として話が面白いだろうとは思っていたので、一定安心して観られる。
普段の何気ない人間関係から間接的に社会を描く流れはどれも好み。
観客がステレオタイプなのか、変わってる側なのかで作品への入り方が異なってくる。自分はステレオタイプに近いので、最初は稲垣吾郎に肩入れはしてしまう。作品として、個性とか自分らしく、という言葉を多用して違和感を植え付けることで、どちらかに偏ってもいないので、途中まではぱっとしない映画にはなっている。
ただ、そのぱっとしなさが後半へのカタルシスへとつながってくる。
カタルシスを導くのはガッキーの言葉の数々。
ガッキーをみるのは久々で、地味になったなーと思ったらそういう役。地味な役柄から変わっていくグラデーションはさすが。
磯村勇斗とのシーンはどれも魅力的なシーン。
それぞれ独立した舞台がつながっていく展開。なかば無理やりなつなぎではあったので、少し冷めてしまったし、わかりやすくつけたような音楽も短絡的である。
ただ、つながった先にある、最後の一言は、この映画の2時間の物語と俳優陣の顔が思い浮かび、心打たれた。
2023年劇場鑑賞105本目
泉下のあの方にも見せたい作品
本当は★5つをつけたいが、半分欠ける理由は最後に。
毎度の映画鑑賞の習いどおり、ほとんど事前知識を得ずに映画館へ。本当は、スコセッシ監督、ディカプリオ主演の「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」を見たかったが、微妙に時間が合わなかったので、当日封切りの本作を見た。
その日の産経新聞の映画評で取り上げていたので、ちょっと気になったのも見に行った理由。
冒頭、女がひとりで回転寿司を食べる。美人なんだろうが、髪の毛がベタッとしていて疲れている風。確かガッキー(新垣結衣)が出演しているはず。似ているけど、彼女こんな感じじゃないだろう…と違和感。ガッキーといえば、やはり「逃げ恥」ほか、明るい美人、時に清楚…高身長、モデル体型。憂いがありながらもキラキラ感もというイメージ。
疲れてひとり回転寿司はないだろう。
しかし、だんだん話が進むと、この女がガッキー以外の誰でもないことが分かる。
そして、昔の映画記事の表現を使えば、なかなかの体当たりの演技だ。
あらすじなどは他に譲るが、出演俳優の名前と顔が一致するのはガッキー以外では、ゴローちゃん、稲垣吾郎だけ。
僕にとっては、無名に近い俳優がそれぞれ存在感を発揮し、この映画のテーマであるらしい「多様性」を掘り下げていく。
テーマと、俳優の熱演、サスペンスの味付けも効いた脚本と演出があいまってなかなか出来のよい作品。
描かれてい場面に、男子小児性愛に触れた部分がある。これについては、ネタバレになるせいもあるためか、ほとんどの媒体が触れていない。
そんなことは一切知らずに見て、本当にびっくりした。
元ジャニーズタレントの稲垣が、その事件を調べる立場にいる!
かなり「それ」についての描写も生々しく、映画宣伝的にはグッドタイミングのはず。
泉下のジャニーさんは、どう受け取るかが気になってしまった。
ネットで調べると、その点については、夕刊フジのサイト「zakzak」が既に10月に指摘していた。10日に発行された新聞各紙(一般紙)の映画評でもかなり褒められた作品だが、その点(男子小児性愛)にストレートに触れた評はなく、なんとも腰抜けぶり!!
先週、やはり封切り当日に見たゴジラに続いて満点をつけたい、と思うのだが。
見終わって買ったパンフレット(1000円税込み)がいただけない。
売り場のスタッフに「こんなにペラペラで1000円かい?」と訴えたら、「ですよね、せいぜい880円です」と言っていた。
それで、マイナス★半分ですよ。
でも、映画は必見の1本。
高いクオリティを持ち、まったく違うテーストの秀作、ゴジラと「正欲」が同時期に公開されるなんて日本映画、捨てたもんじゃない。
本来は地味な映画で客も来そうにない印象だが、先のスタッフによれば、「ゴローちゃん目当てで結構入りはいい」とのこと。
東京・城東地区のシネコンで鑑賞したが、平日昼下がり、入りはパラパラで男性が多かった印象。今後に期待。
ガッキーを期待したが、、、(>_<)
やんわり
原作を読んだとき心が震えました
今まで知らなかった、気付けなかったことにたくさん気付かされ
目を開かれた気がしました
映画はその切なく繊細な世界観を丁寧に表現していて
俳優陣の表現一つ一つが心に染みました
吾郎さんの狂気を孕んでいるマジョリティーの感じが良かった
普通であること、正しいことを自信満々に言っているが
徐々にその価値観では説明できないことに出会い
家族もうまくいかなくなって
疑問を抱きながら少しずつ壊れていく過程がゾクゾクした
東野さんも印象的だった八重子がそこに存在していて驚いた
LGBTQの方々の気持ちに目が向いたのですら最近です
ミッドナイトスワンで衝撃を受け、
LGBTQという言葉が話題に上るようになり、
さらにもっとたくさんの視点があるのだと気付いてきました
少しずつ世の中も変わってきています
深く詮索しなくても理解できなくてもいいけど
いろいろあるとみんながやんわり知っている感じがいいと思います
参りました❗️本当に色々と考えさせられました
参りました🙏🏻
素晴らしい出来に平伏しております。
数年前、あの朝井リョウさんの新作ということで期待の大きかった原作ですが、面白くないな、という印象しか残らなくて内容もすっかり忘れてました。
(そもそも、面白さで感じようとしてた自分が浅過ぎたのかもしれません)
映画が進むに連れて内容も蘇ってきました。
そして、こんなに深くて重かったのか、と自分を恥じることとなりました。
もちろん、脚本、演出、俳優陣の、この映画に込める気持ちの一体感の成せる技。それが一番の要因なのかもしれません。
稲垣吾郎さんは、我々一般大衆の常識🟰正しさと信じて疑わない〝愚昧な部分〟を一身に背負って演じ切りました。いわば、ひとりで人間の原罪を背負ってくれたイエスのような存在。
常識というのは、よくよく考えたら、そういうものだと考える人が多い、というだけのことで、〝正しさ〟を担保するものなんて何もない。
広告や宣伝でも〝常識を疑え〟というキャッチコピーはよく見るのに、本気で常識を疑ってる人は現実社会では少数派。
今や、各種ハラスメントやLGBTQへの配慮や寄り添いが〝常識〟となりましたが、それ以外への(性的)指向についてはまだ常識化していない。
と書いてるうちに、もしかして、常識にも一般大衆への浸透度合いによる序列が生じやしないか?という疑問が浮かびました。
(以下は、極めて個人的な、ということは、極めて非論理的で情緒的にも未成熟な見解です。不愉快に思われる方がいらしたら率直にお詫び申し上げます。)
〝理解されないことによって生じる孤高の精神〟にはある種の高潔さを感じる。
一方で、常識の範疇に入ることについて、〝大衆への迎合〟みたいな、どこか割り切れない心地悪さもあったりする。
少数派で世間からの理解が広まっていない時には、常識派からも一定の支援や応援が得られるが、常識として認知されると、根強く残る差別的な待遇にも自己責任で頑張ってね、と割りと簡単に突き放されるようなことになりはしないか。
ふざけ半分に聞こえるかもしれませんが、〝水〟があるのなら、〝火〟のフェチもある(もしかしたら放火魔というのもそれかもしれない)。排気ガスフェチとか加齢臭フェチとかの性的指向だってあるんじゃなかろうか。
とっ散らかってしまったけれど、色々と考えさせられる映画であることは間違いありません。
肝心なところにリアリティが感じられなかったのは残念としか言いようがない
最初は、地味で、暗くて、無愛想な新垣結衣はうまくいくのだろうかと危惧したが、思いの外、違和感なく受け入れることができた。後半の契約結婚は、「逃げるは恥だが役に立つ」を彷彿とさせるが、理解し合える人と一緒に暮らす時の幸せそうな彼女の表情には、やはりホッとさせられた。
それにしても、タイトルの「正欲」は、その響きから、てっきり「性欲」と絡めているのかと思ったが、2人は、単に「水」に魅力を感じているだけで、性的な興奮を感じる訳ではないし、ましてや、恋愛感情も性的な欲求もないということには、少なからず違和感を覚えてしまった。
もし、それが本当ならば、人に隠さなければならないような恥ずかしい嗜好ではないだろうし、「明日まで生きていたくない」と思ったり、「朝起きたら違う人間になっていることを願う」ようなことでもないと思えるのである。
それから、男性恐怖症の女子大生が、どうして水フェチの男子大学生だけには拒絶反応が出ず、彼を好きになってしまったのかもよく分からない。
そういうものなのだと言われれば、そうなのかもしれないが、かえってフェティシズムや不安障碍を歪曲しているようにも思えるのである。
それから、まったく証拠がないのに、小児性愛者として逮捕され、検察の取り調べを受けるということも、現実ではあり得ないだろう。被疑者となった夫やその妻が、自分たちが「単なる」水フェチであるということを、堂々と主張しないことにも歯がゆさを感じてしまった。いくら、「どうせ理解してもらえないだろう」という諦めがあったとしても、犯罪者に仕立てられようとしているあの場面で隠すようなこととは、どうしても思えないのである。
人と違うことに負い目を感じ、生きづらさや疎外感を持って社会生活を送っている人々の孤独と、共通の価値観を持ち、互いに分かり合える人と繋がることの素晴らしさを実感することができる映画だっただけに、そうした描写にリアリティが感じられなかったのは、残念としか言いようがない。
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