「今という時代」正欲 zxoidさんの映画レビュー(感想・評価)
今という時代
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傑作です。
キャッチコピーが、「観る前の自分には戻れない」。
でも、わたしは、まったくそうは思いませんでした。
だって、人の幸せに傷ついたり、自分の入ることのできない暖かな家の灯りに窒息しそうになったり、この世から消えてなくなりたい時も、あの少年のように父親を見たことも・・・そのすべてに身に覚えがあります。
そして同じ様に、わたしも、人を傷つけ、浅はかな正義を押し付け、それに気づきもしないこともあるでしょう。
だからこの映画は、今という時代を生きる大人に向けたお伽話だと思いました。
苦しいことばかりの人生だったけれど、そのおかげで、この映画に心から涙できる自分でいられた。
過去を振り返り、これで良かったと。
SNSの片隅で、今日もたしかに人が息づいている。
いつしか、その剥き出しの欲望と混沌の中から、ほんとうの希望が生まれてくるといいな。
そう祈ります。
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