「新垣結衣さんの演技が素晴らしい傑作!」正欲 Jettさんの映画レビュー(感想・評価)
新垣結衣さんの演技が素晴らしい傑作!
一番印象に残ったのは新垣結衣さんの演技
いつもは可愛らしく柔らかい印象ですが、本作ではかなり特殊な嗜好を持つ役回りです
初登場シーンから回転寿司での目が据わったアップで登場し、お節介に話しかけてくる客にキレたり、嫉妬のあまり人の家に植木鉢をぶつける、それ以外にもこれまで絶対にNGとしてきたであろう”シーン”までも熱演していて、とても良かったです
アップも多く、あらためて可愛いい人だなあとしみじみ思い観てました
キャスティング面でいくと磯村勇斗さんも良かったです、最近 特に重いキャラクターの作品に出ることが増えて来ましたね、将来有望な若手実力派俳優の一人である事は間違いないでしょう
先日、「月」を見たばかりなので、普通にしていても、どことなく不気味さを感じたのは私だけでしょうか(苦笑)
人は一人一人 生き方も嗜好も違って当たり前だし、それを他人がああだこうだ言う権利は無く、”人に迷惑をかけていなければ”全く問題ない
さらに自分と全く同じ嗜好・価値観の人とずっと一緒にいられることほど幸せなことはない
主人公の新垣結衣さん演じる桐生夏月と磯村勇斗さん演じる佐々木佳道も他人には理解してもらえないであろう”水フェチ”として生きづらい人生を送っていて、そんな同じ嗜好を持つ者同士でずっと一緒にいようと決め、支え合い生きていくことを決めるが、”人に迷惑をかける嗜好の持主”達のためにささやかな幸せが奪われていく悲劇が描かれていき、とても切ない気分になりました
特にラスト、夏月が稲垣吾郎さん演じる検察官・寺井にトラブルに巻き込まれて拘留中で会えない佐々木へ頼んだ伝言、”私はいなくならないから”というくだりがとても辛く悲しい気分になりました
一方で伝言を頼まれた寺井はというと、自分はいつも礼節をわきまえ、常に正しい言動と行いでマジョリティと思っているはずなのに、妻と息子に愛想をつかされ別居状態になり孤独な状態に陥っている男、水フェチのカップルをなじっておいて、自分の方が彼らより不幸な人生を送っているという皮肉な展開も印象的でした
と、いろんな意味で考えさせられ、見ごたえのある、観て良かったと思える良い作品でした