「”寺井が最初に置かれた理由について”」正欲 szmushiさんの映画レビュー(感想・評価)
”寺井が最初に置かれた理由について”
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映画のエンドロールにせよ、食品の原材料名にせよ、説明の最初に置かれている名前がメインであると思う。今回エンドロールで最初に書かれていた名前は、「稲垣 吾郎 寺井 啓喜」であった。
それを見て、違和感を感じた。メインは桐生 夏月(新垣 結衣)でないのかと。寺井が最初に置かれた理由。そのことについて考えてみたいと思う。
稲垣が演じる寺井は、はじめから最後まで自分の常識に当てはまらない人間に対して、理解を示さない人物として描かれる。
映画を見終わって、自分は寺井に対して嫌悪感を抱いていた。もう少し歩み寄ればいいのにと。ただ、自分も歩み寄れているのかと疑ってみると、どこか、表面上で価値観を認めようと口ばかりで言っているだけになっているのではないだろうか。
本当に、自分と全く異なる価値観を持つ人を目の前にした時、その価値観を受け入れるこは出来るのだろうか。多かれ少なかれ、自分は寺井の側面を持っているのではないだろうか。
最も自分と照らし合わせて振り返るべき存在は、寺井であるからこそ、最初に書かれていたのではないかと考えた。
考えさせられる映画で、非常に満足できる内容であった。
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