「ありえないでは済まされない」正欲 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
ありえないでは済まされない
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通常スクリーンで鑑賞。
原作は既読。
多様性とは、マジョリティーが自分たちの想像し得る範囲での「違い」で全てを理解した気になっているだけではないか?
多様性の範疇から弾かれている人たちの生き辛さや苦悩を理解しようなんて、軽々しく思うのは傲慢なのかもしれません。
孤独って誰しも抱えているのではないかなと思いました。私も少なからず周囲に合わせて自分を偽っている部分があるし、誰にも共感して貰えないと感じることもしばしばです。
だからこそ、それを分かり合える存在に出会えた時の喜びは何物にも代え難い。夏月と佳道が共闘によって孤独じゃなくなり、ふたりで生きている姿を愛しく感じました。
ですが実際、こんなにも深く分かり合える存在と出会える確率なんて低いです。しかし、誰かとの繋がりを求めずにはいられない。どんな性的嗜好だろうと、人間である限りは。
私も知らない世界に想像が及ばない人間のひとりなのだとハッとさせられましたし、ありえないで片づけてはいけない価値観があると云う気づきは自分の中で大きいです。
原作を読んだ衝撃を未だに引き摺っていますが、改めて突きつけられた感じ。普通とは。正しさとは。価値観は変わったとしても、繋がりの大切さは揺るがないと信じたい。
※修正(2024/06/28)
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トミーさんのコメント
2023年11月19日
共感ありがとうございます。
難しいですよね・・分かりあえてる二人だけの国では満足出来ないのが苦しい所ですよね。友だちでも濃淡ありますし、初対面だと危険性も高いと思いますし、ああ! 悩ましい!!