「生き延びるために、手を組みませんか?」正欲 ゆきさんの映画レビュー(感想・評価)
生き延びるために、手を組みませんか?
近年「生きる」というテーマで作品を発表している朝井リョウ先生。
本作の原作となった同名小説は、1年前位に読みました。
まず、この物語は皆が目にして
「共感」出来る作品ではないし、そもそも共感が目的ではないのかもしれないです。
「マジョリティ側の人間が、マイノリティを理解する」って、よく考えると、それこそ上から目線ですよね。
そこを突きつけられたんです。
どんどん増えるアルファベット。
LGBTQIA+
人間なんて100人いたら、嗜好も性癖も全て違って当然だ。と、思っていた私でしたが、そこにも当てはまらない、私なんかでは到底理解の及ばない所にいる人々の存在を知りました。
お互い理解し合えるような関係を築けるのが理想だけど、
中途半端に理解して、わかったフリはやめなくてはと思いしりました。
(性犯罪は勿論論外です)
そして、原作ありきだと、長い物語の中で、どこをピックアップしていくかが重要だと思うのですが、本作は映画で伝えたい事を上手に切り取って、つなぎ合わせていたと思います。
朝井先生お得意の群像劇。
様々な人物が交錯して、クライマックスにむけての見せ方がお見事でした。
夏月(ガッキー)が佳道(磯村君)と擬似セックスしながら抱き合う時の
セリフが印象的でした。
「どうしよう。もう1人で生きてた時間に戻れないかも」
誰か1人でも自分を理解してくれる他者がいて、心が繋がる事が出来た時の安心感や自己肯定感って、マイノリティもマジョリティもないのにね。。
小説で上手く理解出来なかった部分が、本作で少し補完出来た気がしました。
まぁ、ケチをつけようと思えばありますが、それに勝る衝撃と余韻に包まれました。
エンディング曲も良かったです!!
レイトショーで終わりが23時過ぎだったのですが、歩いて帰りたい気分になりました。
車だったので仕方なく窓全開で帰りました。
1人で余韻を噛みしめたい作品。
ガッキー新境地!おでこの吹き出物も敢えてかな?
磯村君は安定安心◎
チャレンジングな役が続きますが、様々な顔を見せてくれますね。
(ちょい渇水かぶりw)
佐藤寛太君。目力が!ダンスもすばらしま!
吾郎ちゃんは吾郎ちゃん。
彼が少年性犯罪を扱う作品をやるなんてビックリです。
俳優さんみなさん達者でした♪
⚪︎おまけ⚪︎
あるシーンのロケ地が近所で驚いた。
生ガッキーチャンス逃す( ; ; )
良い映画を観れました。
こんにちは。
1人で余韻を噛み締めたい作品。
☝️まさに。
しばらくレビュー出来なかったです。
一歩踏み込むものをつくる→みる→それに対して一歩踏み込み考える。
地道に重ねていくことで、浮かびあがる空気が自然にやわらかい空気を増やしていく。
時間はかかりますが、(メディア)映画の力がかならずそこにある。
そう思いたいです。
コメントありがとうございました。
ほとんど思いつきで一気に書いているので余り褒められると恥ずかしいような…
それはともかく、そうですね、「わかったふり」は容易に憶測につながり、それが誤ったイメージを創り、根拠のない憎悪や軽蔑の元になる危険を孕んでる…というのはなんだか「ヨーロッパ新世紀」にも共通するテーマのように思われます。
私は、朝しっかり目に食べないと午前中持たない派です^_^
『水』は、何らかのメタファーなのではないかと思います。
OPで桐生さんが水に浸っていくところのシーンが何かを示しているのではないかと思います。(作品のテーマ的なもの)
こんにちは。
ゆきさんがレビューされているようにマイノリティとマジョリティの関係は今のままの距離感で当分続くものだと思います。
ただ、マイノリティの方々の活動はとても大切で克服してゆく問題ではありますが、いささか「結果を急ぎすぎていらっしゃるのではないのかなぁ」と思います。良い結果が出るのは孫子の代でも良いのでは?
そんな気がします。
今晩は。
原作も読んでいたので、(原作者作品は「桐島、部活辞めるってよ」「何者」など映画化された作品を含め結構好き。)どうやってまとめるのかな、と思っていましたが、とても面白かったですね。(尚、私は原作と映画との比較はしません。夫々の作り手の想いを比較することは意味がないと思っています。逆に映画化するにあたり、製作陣がどのようにアレンジメントするかを楽しみにしています。)
稲垣五郎さん演じる検事の男が、社会的な規範を重んじながら、逆に無自覚なる罪を犯していた辺りは、上手く映像化されていたと思います。では。返信不要ですよ。お休みなさい。