「僅か100年前の悲劇」福田村事件 アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
僅か100年前の悲劇
1923年9月1日関東大震災の5日後に起きた福田村事件の事は全く知らなかった。
あまりにも悲惨でやるせ無いこの善人が善人を殺戮に駆り立てた事件は、日本人の根源的差別意識、集団心理の恐怖、それだけでは到底理解できないが、森監督が登場人物を丁寧に描くことでそこまでに至る過程は垣間見ることができた。
日本軍人の朝鮮での残虐に何も出来なかった井浦新、夫の出兵中に寂しさから不貞をしたコムアイ、村を守る為に鮮人排除の先頭にたつ水道橋博士、真実を記事に出来ず苦悩する木竜麻生、、。田中麗奈も永山瑛太も東出昌大もピエール瀧も皆、それぞれの立場をよく表現している。
それにしても、1910年から日本敗戦のポツダム宣言受託後の1945年迄の35年間に及んだ韓国併合。韓国のインフラや教育の基礎も築いたとも言われるが、今日までお互いに精神的な遺恨を解消することはできていない。
民族紛争は北も南も西も東も永遠に続く。世界はひとつにはならない。その現実が悲しい、。
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