「日本が狂っていた時代・・・」福田村事件 ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
日本が狂っていた時代・・・
「福田村事件」、タイトルのとおり、シンプルな展開の話です。
冒頭は、淡々と村の様子が描写され、何が起こるんだろうとワクワクするって言うより、長すぎてちょっと飽きてくる自分もいました。
邦画あるあるで、セリフがうまく聞き取れないってのもありますが。
と、そこに関東大震災です。一気に不穏な空気が作品中に流れ出します。
震災の混乱の中、あらぬ噂が飛び交い、在日外国人が火を放ったとか、飲水に毒を混ぜたとか・・・
在日外国人(朝鮮人等)に対する恐怖を植え付けられ、報復心を煽られる。
日本にもあった人種差別。
自分の通っていた高校の近くの川原に朝鮮人の部落が有りました。時々、動物の耳が投げ込まれたりもしたので、怖い想いがあって近づかなかった。まぁ、ある意味、これも人種差別だったのかもしれない。
僅か40数年前の出来事ですが、今、どうなったんだろう?
【ネタバレ】
本作品のクライマックスは、この朝鮮人に疑われて、行商の一団が虐殺されます。
この緊迫感がすごかった。村びとの気運が上昇していくなか、身の危険に震え出す行商の一団。まさに一触即発!
「朝鮮人なら殺していいのか!」この言葉に触発されたかのように、行商のリーダーの頭に振り下ろされ、鮮血が流れ出る。走り寄る妻は、容赦なく竹槍で突かれ、子供たちは日本刀の餌食となった。
火がついたように逃げ去る一団を、集団が追い詰める。ある者は射殺され、ある者は複数の竹槍で突かれまくる。
妊婦にも容赦なく、村人の殺意が襲いくる・・・
エンドロールでは、当時(関東大震災の混乱時)の状況について説明される。在日外国人(朝鮮人や中国人等)や反対主義者の死者が六千人にも及ぶということであった。
福田村事件は、この混乱の中、疑心暗鬼に迫られた人々が起こしたものである。
まるで、国内で戦争が起きているような・・・
人間を殺害することに罪悪感がなく、むしろ殺意を増長させる当時の日本は狂っているとしか言いようがない。
世界の何処かで戦争中となっている現在だが、日本では、戦争で傷つく者が無いよう、平和が何時までも続いてほしい。
コメントありがとうございます😊
気をつけないと、ですね。
レビュアーの方で祀ってある神社?を訪れた方がいらっしゃいました。探さないとわからない小さなものだったらしいですが。
共感ありがとうございます😊
未曾有の大災害が起き、人心穏やかでなく荒れまくり、危機を感じた国が矛先を朝鮮人心に向けさせたのでしょうか?
新聞社を扇動する辺り、張本人は国のような、?