「たった百年前の出来事だとは信じられない」福田村事件 ぽんさんの映画レビュー(感想・評価)
たった百年前の出来事だとは信じられない
今では考えられないような慣習の村。
部落差別。
震災による混乱。
朝鮮人への差別。
以前読んだ部落差別の本でも同じようなことを感じたが、
生まれも育ちも北海道の自分にはなじみが無さすぎて、
その地域の出身だから人間扱いをしない、というのが実感が湧かない…。
同じ日本人なのに…。
あまりにむごい扱い方で…。
そういう考えがあるから、今でも戦争は無くならないのかもしれないが。
今も昔も、混乱時は特に根も葉も無い噂が出回る。
大きな不安があり、誰かを犯人に仕立て上げてしまう。
同調圧力もある。
福田村での事件がむごすぎて心に残ってしまった。
方言のせいで朝鮮人だと勘違いされ、多くの村人から憎しみを持った目で見られ…。
震災の混乱に生じた暴動で夫が被害にあったと思い込んでいる、一番最初の加害者の奥さんの斧を振り下ろす怖さは、数年忘れられない…。
ちな、最後に夫遠方から帰ってきたけどどんな気持ちなん???一番最初に手だして??
斧で刺された夫、父を取り囲んだ家族も無残に手をかけて…。
逃げ惑う行商人も、ここまでやるか?と念入りに手をかけて…。
この世の地獄かな…?
本当、事件シーンは今年一番えぐいと思う。
加害者は過剰防衛すぎるが、
不安な世の中で家族や村を守りたいという気持ちは理解できる。
噂は時として信憑性の高い事実のように認識されてしまう。
証明書が本物かどうか確かめるまでは待とうや…。
学校の授業では習わないような悪い歴史ってたくさんあるんだろうな…。
被害者や遺族が差別による二次被害を恐れるような世界にならないでほしい…。
戦争や内戦は無いが、自然災害が多い昨今、
何が本当のことなのか見極める力を持ちたいです。
簡潔に感想を言うと、
めっちゃ怖くて、いろんな胸糞があるすっきりしない映画。
これが本当にあった歴史のひとこまなのが
本当につらい。
差別良くない。
24.8.7 レンタルDVD