「朝鮮人なら殺してもええんか」福田村事件 大岸弦さんの映画レビュー(感想・評価)
朝鮮人なら殺してもええんか
福田村は現在の千葉県野田市の一部分
「朝鮮人なら殺してもええんか」と断末魔の叫び(沼部新助・讃岐から来た薬売り行商の支配人)
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関東大震災(1923年・大正12年)があった時、メディアは「新聞」だけでした。AMラジオは同震災の教訓として始まる。
こうした環境では何が正しいのか、分からない状況となっていたのです。
さらに、9月3日に当時の内務省がデマを打電。当時の日本政府が「デマ」を煽ってしまったのです。
打電内容は書籍「福田村事件」49ページ目に記載があります
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讃岐から来た薬売り行商15名が福田村に投宿していたが、朝鮮人との疑いをかけられ、福田村や田中村の自警団によって虐殺。
6歳、4歳、2歳の幼児、妊婦も含まれていた。
タブーに向き合った
関東大震災で、朝鮮人大虐殺は、あったということ。福田村事件では、結果的に日本人を殺害してしまったという皮肉
被差別部落について 薬売り行商人は香川県の被差別部落出身
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千葉日日新聞の女性記者 恩田楓は原作にはない設定ですが、存在感あると感じています。
以下、恩田楓を中心にコメントします
夜、楓は和服を着ている朝鮮飴売りの少女と出会う。「いっしょに歩いてください」「オネガイ」と必死な姿。歩いていると自警団に見つかってしまう。
逃げるのだが足を引っかけられて少女は捕まってしまう。観念し「キム・ソンリョ」と本名を言った途端に自警団の竹槍が突き刺さる。返り血を楓は浴びる。
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翌朝、千葉日日新聞事務所で上司の砂田に「私の目の前で朝鮮人の女の子が自警団に殺されました、書かせてください」と述べるが
砂田は「朝鮮人が放火したり、爆弾を所持していると、内務省からの通達があった」と返す
「記者が目撃した事実より、内務省の電文を信じるのですか。それを紙面に載せるんですか。その結果、なにがおきてるか、部長は責任を取れるんですか。」楓は述べる
砂田は「俺は書かないで起きることのほうが怖い」と返す
楓は「わからないなら書くべきじゃない」
「私たち新聞は何のために存在しているのですか。読者を喜ばせるためですか。権力のいうことはすべて正しいのですか」