劇場公開日 2023年9月1日

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「明治、大正、昭和の歴史を考えさせられる作品でした」福田村事件 ヨシリンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5明治、大正、昭和の歴史を考えさせられる作品でした

2023年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

福岡市で森達也監督と田中麗奈さんの舞台挨拶付きで観てきました。
私は東京都本所の生まれで、父が1歳の時に関東大震災があり鉄橋を渡って逃げたと聞きいています。3年前に父が亡くなり、父が生まれた大正時代を調べる機会が増えてきた中で映画「福田村事件」を知りました。
福田村事件の10日後に大杉栄、伊藤野枝の虐殺があり、伊藤野枝の出身地、福岡市西区での100年プロジェクトに9月15日参加してきました。また、部落解放運動の水平社が設立100周年として2022年に制作した映画「破戒」を9月14日に観てきましたので、明治、大正、昭和の歴史を考える日々です。
1903〜1904年日露戦争、1910年韓国併合、1917年ロシア革命、1919年大韓民国三一独立運動、1923年関東大震災という歴史の流れを知っていなければ、この映画は理解出来ませんし、その後の昭和、平成、令和に続く歴史の理解と、私たちの将来の行動を考える時に必要な情報が福田村事件には含まれていると思います。
舞台挨拶の後で制作の裏話を聞き、映画の印象がだいぶ変わりました。役作りに長い時間をかけること、監督の演出を含むこだわり、企画を持ち込むが殆ど断られたこと等、色々聞くことが出来てとても楽しい時間でした。素晴らしい映画、本当にありがとうございました。

ヨシリン