「今も脈々と続く集団リンチ」福田村事件 レイは!?★さんの映画レビュー(感想・評価)
今も脈々と続く集団リンチ
100年前の関東大震災のたった5日後に、当時の福田村(現在の千葉県野田市)において、流言飛語を元に本当に起きた地元の自警団員による香川県から薬を売りに来ていた日本人の虐殺事件。被害者には妊婦や子供たちもいたという。
その事件に至るまでの地元の村人たちのそれぞれの日常の変化や、被害者である行商人のストーリーが淡々と描かれ、ラスト20分に彼らが交錯し、酷すぎて直視することを避けたくなるような狂気の沙汰を見せつけられる。
映画で描かれた福田村事件以外にも、千葉県の検見川や埼玉県の妻沼町、群馬県の藤岡などでも同様の事件が起きており、この映画では日本人というよりも「人間」の負の側面、残虐性が浮き彫りにされている。
これらの事件は決して過去に起きた「昔の人」が起こした事件というだけではなく、学校でのいじめや、SNSでの言動による集団リンチなど、現在においても形を変えて脈々と受け継がれている。
この映画をただ心に留めておくだけでなく、テーマのひとつでもある流言飛語によって評判が広まり、多くの人にこの映画を見てもらいたいと、心の底からそう思った★
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