「陰謀論者の妄想?」アムステルダム SP_Hitoshiさんの映画レビュー(感想・評価)
陰謀論者の妄想?
ぼくがアホなだけかもしれないが、話でよく分からないところが多く、中盤から陰謀論者の妄想を見せられてる気分になった。
ミーキンス将軍とその娘が「秘密の組織」によって殺されて、その組織や真犯人を追う、というある意味わかりやすいストーリーではあるのだが、「秘密の組織」の行動があまりに一貫してないので混乱する。
ミーキンス将軍や娘は簡単に殺すのに、主人公たちはいくらでも殺せる状況があるのに殺さないとか、「秘密の組織」の正体である五人委員会(?)が簡単に組織の名前を出すとか…。
主人公たちの行動もよく分からなくて、五人委員会の所轄の病院を主人公たちがつきとめて、そこにミーキンスの娘を殺したやつもいたのに、そこを警察に教えるとか調査するとかしなくてわけがわからん。
最後にロバート・デ・ニーロ演じるディレンベック将軍が黒幕の正体を演説するのだが、これも謎だらけ。主人公たちがこの演説に関わっているのは明らかなはずなのに、黒幕たちがのこのこ出てきてたり、主人公たちも自分たちの存在を隠そうともしてなかったり、???の連続。はちゃめちゃでとてもこの話が「実話」だとは信じられない。
この映画が実は陰謀論者の妄想で、その混乱した頭の中を見せられてる映画だ、というなら納得できる。
ただ、独特な映像美や雰囲気が魅力な映画のように思う。バート、ハロルド、ヴァレリーはそれぞれとても魅力的なキャラ。とくにヴァレリーはすばらしい。アムステルダムでの甘美な生活とその生活への郷愁はぐっとくるものがある。映画のポスターにもなっている印象的な色合いの画面や、ヴァレリーの作品群も幻術的な意味で良い。それぞれの人物のアップ、ほとんどカメラ目線ではないか、というような目線も向け方も、ドキっとする。
ラッセル監督の映画って実は本作ではじめて観たのだが、もしかしてこの独特な作風が人気なんだろうか。
今晩は
デヴィッド・O・ラッセル監督作品の中で、今作と雰囲気が似ているのは「アメリカン・ハッスル」だと思います。クリスチャン・ベール(スンゴイ、太っている。デニーロ・アプローチどころではない。)始め、有名俳優を湯水の如く起用しています。今作より、分かり易いですよ。では。返信は不要です。