劇場公開日 2022年11月11日

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「コメディーに振り切ってしまってもよかったのでは?」奈落のマイホーム tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0コメディーに振り切ってしまってもよかったのでは?

2022年11月11日
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韓国の不動産事情や住宅制度、あるいはシンクホールの問題などを糾弾したり風刺するような社会派の側面もあるのかと思っていたが、完全な娯楽作品となっていて、ある意味、いさぎよい。
コメディータッチでドタバタな前半と、シリアスでサスペンスフルな後半とで、映画のトーンと登場人物のキャラクターがこれだけ変調する映画も珍しいのではないか?
特に、最初は嫌な奴で、どこの店に行ってもそこにいることで笑わせてくれるマンションの隣人が、終盤、英雄的な活躍をする姿は感動的ですらある。
ただし、全体的にテンポが悪いし、深さ500mのシンクホールにも、それを水で満たしてしまう豪雨にもリアリティーの欠片もなく、そのくせ、必然性の感じられない犠牲者が出るなど、コメディーとシリアスのバランスも悪い。
どうせ荒唐無稽な話ならば、最初から最後までコメディーに振り切ってしまってもよかったのではないだろうか?

tomato