大名倒産のレビュー・感想・評価
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想像より深めの話でした。
予告編から多分くだらないドタバタギャグ映画だろうと想像しながら着席。
神木君演じる主人公の小四郎は小さい頃から父親の手伝いで塩鮭を売っていたんだが、人が良すぎて商売人には向いていないと笑われていた。そんな小四郎が大人になって突然、お城に呼ばれて実の父親の藩主から後任を任される。そりゃプレッシャー半端ないよ。そして理由が明らかになる。あらら、藩は借金25万両(約100億円)を抱えている。その問題を解決する方法が大名倒産。その理屈にはちょっと無理があったかな。責任を取らされ4ヶ月後に切腹させられそうになった小四郎は、借金を返そうと努力を始める。そこで幼馴染のさよと再会し、ペアを組む事になる。この杉咲花ちゃん演じるさよのキャラが面白い。庶民なのに偉いお侍達に対して敬語すら使わない強キャラ。あと、他の登場人物も楽しい奴らばかり。特に松山ケンイチ演じるダメキャラの兄、ずっと鼻水垂らしが凄い。ずっとチョコチョコ笑えるし意外と小四郎をフォローしてくれる、皆んなのおかげで結構ウルウルしてしまった。そしてラストの伏線回収。ははぁん、そういう作戦だったのね。エンドロールのダンスも結構楽しかった。お見事でした。
神木君
予告編が大いにおちゃらけていたので、
いくら神木君主演でも今回は映画館でなくてもいいかなと思っていた。
だが、妻の希望と他に選択肢がなかったことから渋々?観賞。
そもそもの期待値が低かったこともあって、想定よりはかなり良かった。
とにかく神木君のキャラが役柄にぴったり。
頼りなげながらしっかり芯のある微笑ましい好青年だった。
杉咲花も同様、ちゃきちゃきの越後娘がジャストフィット。
神木君とのコンビに心温まった。
兄役の2人も良かった。
心に染みるシーンも多かった。
ストーリーも単純なドタバタかと思いきや、良い方に裏切られた。
予告編がうまくミスリードしているのだが、
私のように単純ドタバタと思い二の足を踏む方もいるのでは?
軽妙で悪くなかったが、そろそろ重厚で背筋が伸びるような時代劇も観たいかな。
単純に楽しむコメディ時代劇
続編も頑張ろう
MVPは杉咲花だが、藤間爽子が存在感抜群
江戸時代の越後・丹生山藩で、役人の子として暮らしていた間垣小四郎は、ある日突然、自分が丹生山藩主の実子だと知らされた。そして、実の父である一狐斎は、小四郎に藩主を任せて隠居してしまった。突然藩主へと大出世したかに思えたのだが、実は丹生山藩が25万両(現在では約100億円)の大借金を抱えていることがわかった。返済期限は5ヶ月。どう返そうか頭を抱える小四郎に対し、一狐斎は、借金の返済日に藩の倒産を宣言して踏み倒すという、大名倒産、を命じた。一狐斎は小四郎に責任を押しつけ切腹させようと企んでいたのだった。小四郎の命は?、丹生山藩はどうなる、という話。
藩が倒産したらどうなるのかわからないが、有ったら面白そうなストーリーだった。
小四郎役の神木隆之介はさすがに上手く、笑いも自然で良かった。
小四郎の幼なじみのさよ役の杉咲花が本作のMVPだと思う。切れ味抜群で楽しめた。
松山ケンイチ、佐藤浩市も良かったが、藤間爽子の品のある姫が存在感抜群で美しかった。
面白くて楽しいコメディだった。
一言で言えば、時代劇風おふざけムービー
NHK歴史バラエティ2時間スペシャル
やられたらやり返す‼️❓倍返しだ‼️❓
芸合戦
悪くはない、でも何かもの足りなさを感じた
主人公の痛快さで巨額の負債をV字回復させるサクセスストーリーを期待してましたが、実際にはそこまでの痛快さはなく、質素倹約に努め、負債の原因も突き止め対処していく、という淡々とした展開で率直な感想としては物足りなかった
主人公を演じる神木隆之介さんは元気よく好印象でよかったし、佐藤浩市さんや浅野忠信さんは相変わらずカッコよかった、そして宮崎あおいさんも杉咲花さんも可愛くて魅力的、その他 名だたる役者さん達がたくさん出ていてそれぞれ巧いなぁと満足
でも何か足りない感じ
から回り気味の寒いギャグシーンや所々に出てくる中途半端に現代チックな演出、そしてなんとなく間延び感のあるストーリー展開が理由かな
エンドクレジットはさらに引きました。。。苦笑
作品全体的には明るくて元気がいい映画で決して悪くはないですが、ちょっとしたら全く印象に残ってない、という類の作品な気がします
コメディ時代劇
大名倒産・のあとしまつ?
(6/23 23時31分補足)おそらく色々な事情があると大きく引けないのは確か。
今年203本目(合計854本目/今月(2023年6月度)28本目)。
今日は計画有休でしたのでこれを含めて5本視聴。
さて、こちらの作品です。
監督さんというと「老後の資金がありません!」が有名で、本映画もそれに一部似た部分はあります(「経済学映画」とでもいうんでしょうか?)。
ストーリー自体はかなりわかりやすく、今の日本史を学習する小学生くらいの子の知識があれば十分についていける設定になっています。それどころか個々細かいことは一切出てこないので(なお、映画内に出てくる地名は一部を除き架空の地名になっています)、この映画、個人的には「海外進出も考えてわかりやすい展開にしたのでは」と思えます。海外に日本文化を紹介する映画となると、どうしてもこの手の歴史ものになるといくら有名な事項でも海外ではそうではなく、かなり易しくしないと(「レジェンド・バタフライ」でもギリギリか?)厳しいという実際上の問題を抱えるからです。
そしてこの映画は実際御覧になった方はもうお分かりの通り、いわゆる1時間ものの1ストーリーか2ストーリーの時代劇ものであり、ひねりも何もないこともわかります。国内事情の複雑な事情も描かれることはないので(まぁ、一応「越後」という固有名詞は出るので、新潟県の宣伝にはなりそう?)、海外進出もかなりしやすいというところです。
同じ監督さんの「老後の資金~」では多くの方が不自然に思えるのではないか?と指摘されていた点(退職金の扱いなど。民法上は先取特権が行使できるので映画のストーリーのような展開にはならない)はありますが、こちらはそもそも民法成立前なので、「常識的な範囲で」(細かい部分は後に回します)好き勝手やってよく、結果幅が広がり、ストーリーもわかりやすくした結果、比較的今週(6月4週)の本命になりそうな気がします。
採点に関しては、確かに他の方も書かれていた通り「ストーリーが単調に過ぎるのでは?」という印象は確かに受けたものの、このことと「海外進出のしやすさ」とは両立がしにくいものであり(特に歴史もの)、事実上「ストーリーが単調だと了解した上で見る」ことが前提のいわゆるテレビ時代劇の類(1時間もののもの)と同じと考えれば、そこまで減点の幅もなかろうということで、減点なしにしています。
(参考/減点なし/この時代の商慣習と今の民法商法とのつながり)
この時代(江戸時代以降)になると、特に私人間でのもののやり取りを規律する民法商法に相当する概念は、「法律としては」明治維新にかけて民法、そして商法が制定され成文化されたものの、一方で「もののやり取り」を規律するこれら(民法の債権編、商法の大半)は、民法・商法の導入時に、江戸時代以降から続いた事実上の慣習も考慮する必要があり、実際の運用では日本においては江戸時代以降からの解釈では大きく結果が異ならないように配慮されています(特に債権編と、商法全般。商法は江戸時代以降から成立した会社もあったので、あまりに変えすぎると明治維新を経たとはいえ混乱するので、商都ともいえる大阪商工会議所(当時)の干渉が大きかった)。
したがって、「事実上」ほとんどは映画内で描かれている事項は現在の民法の債権編(特に売買)を参照・参考にできるところ、結局は「第三者弁済」(代位弁済)といったものが当時すでに存在し(誰が弁済しようと債権者が満足すればそれで構わない)、実際、解釈上は大きく異ならないようになっています。また、江戸時代から当然商人どうしのやり取り(今なら、商法が適用される)も大きく発達したため、いわゆる連帯債務・保証の考え方もそのまま取り入れられています。
ただ、それらの江戸時代から続いた文化がある一方で、明治維新以降に「早く海外においつかなければ」ということで取り入れた民法・商法は、家族編(親族・相続)を除けば今(2023年)とほぼ同じ構造になっているものの、特に「借金の取り立て・財産の差し押さえ」は、映画内で描かれるように、江戸時代から続くほど強固に出来上がったため、明治維新以後に取り入れられた民法の中でいくつか存在する「財産の差し押さえ」が事実上死文化したものがあるのも、これまた事実です。
※ 特に「詐害行為取消権」(424条)がそうで、「取り立て・差し押さえ」が日本では江戸時代以降、普通に行われていたので、424条が争われたケースはほぼなかったのです(実際に活用が多かったフランスとは事情が異なります/日本ではその後大きな会社(株式会社など)が当たり前になると、この法人バージョンの「破産法」ができたため、ますます出てくる機会は少なくなった)。
※ 詐害行為取消権が問題になる例: AはBにお金を貸している(BはAに返済しなければならない)。しかし、Bはまともな資力があるのでもないのに、自宅にある高価な壺をCに売却しようと思っている(売却するとお金はすぐに動かせますよね)。こんなことをされたらたまったものではないが、Aは何ができるか? というようなケースで登場するのが、この「詐害行為取消権」です。
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(追記/参勤交代は何のために行われたのか)
・ この点は、「現在の」小中学の歴史では、「結果として諸大名の経済力が弱まり、幕府の権力集中の一つの要因になった」と説明され、「目的として諸大名の経済力を弱めることを趣旨としていない」というように説明するように改定されています(教科書参考のこと)。実際、幕府は地方からの藩からの参勤交代には補助をしていた(また、松前藩・対馬藩等は3~5年に1回等という緩和措置が取られていた)、地方藩がつぶれては困るので(結果として農民一揆がおきても困る)、「参勤交代に使用する金額は見合ったものにせよ」という扱いです。
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コメディとしても時代劇としても今一つ
コメディなのは良いのだが、「緩急」の「急」がなく、ずっとダラダラとしていてシマリがない。
庶民から殿様になって浮かれるシーンもなければ、自分を切腹させようとしている先代を問い詰めるシーンもなく、ストーリーも平板で「抑揚」がない。
登場人物のキャラクターも、コミカライズされ過ぎていて深みがなく、現代風の台詞回しや演技も、どこか上滑りしてしまっている。
特に、佐藤浩市演じる先代は悪人なのに、その息子たちが善人ばかりなのは違和感があるし、その先代にしても、ヴィランとしての役割をあっさりと放棄してしまい、肩透かしを食う。ついでに言えば、「うつけ」の次男に、軍艦奉行の娘が惹かれるという設定にも説得力が感じられない。
何よりも、藩の財政を立て直す手段として描かれるのが、節約の励行と官民癒着の暴露だけで、組織論や経営論の観点から参考になるようなことがほとんど語られないのは、物足りないとしか言いようがない。
たったの数日で、越後から江戸へ、大量の塩引き鮭を船で運ぶというあり得ない展開にも呆れるほかない。
気軽に楽しむべきコメディにカタいことを言うのは野暮というものだが、そもそもコメディとしても、時代劇としても、楽しむことができなかった。
手放しでリラックス出来ました
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