劇場公開日 2023年6月23日

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「コメディに忍ばせた批判精神」大名倒産 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5コメディに忍ばせた批判精神

2023年6月27日
PCから投稿

幕の内弁当みたいな要素詰め込み型で、けっこう楽しめましたよ。
ストーリーは、時代劇によくあるパターンを踏襲。
悪い商人と、悪い老中などお約束を外さない。
予告編から「こうなるかな」と想像した範疇のことはすべて起こるし、すべて回収される予定調和的なものを超えなかった。

ただ、政府高官と、高官に癒着した中抜き業者によって地方財政が食い物にされるって図式が明確で、明らかに平成以降の我が国政府に対する嫌味ったらしい批判精神が流れていて、未読ではあるがおそらく原作の肝・芯は、そこなんだろうなと推察しました。

時代劇と言いながら現代語劇。
予告編でもわかりますが、「マジっ?」「うっそ〜ん」などのセリフが飛び交い、リアリティラインがギャグ寄りな作品でした。
『超高速!参勤交代』『引っ越し大名!』『アシガール』とかの系譜。
まいっか、と思わせてくれるのは、神木隆之介くんの存在感で、なんか彼がいるだけで旧作の『うる星やつら』みたいな、ファンタジー混じりの空気が醸成されますね。

神木くん以外のキャストが、少し前のフジテレビ+東宝っぽかったけども、本作はテレ東+松竹でした。
そのせいなのか(?)、予算がないのがよくわかるVFXでありました。

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コージィ日本犬