オスカー・ピーターソンのレビュー・感想・評価
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オスカー・ピーターソン賞賛ドキュメント
カナダ出身の黒人ジャズピアニストで日本にも何回も訪れていますからジャズ好きならずとも名前くらいは知っているでしょうね。
幼いころから父の指導で音楽に目覚めハンガリー生まれのピアニスト、ポール・デ・マルキーに師事、1940年、14歳の時、カナダ放送協会が主催する全国音楽コンクールで優勝、カナダを訪れたNYの音楽プロデユーサーのノーマン・グランツの耳にとまり、24歳の時NYへ招聘され大人気となる。ノーマン・グランツはヴァーヴレコードの創立者でもあり長年ピーターソンのマネージャー役を務めた、ユダヤ人でもあり人種差別に反感を抱いていたので、米国内のツアーでも黒人のピーターソンを差別から守り大切に育てました。
1962年に作曲した“自由への賛歌”は公民権運動の賛歌となったこともあり映画の中盤は人種差別反対を唱える社会派ドキュメント調、カナダでは最高位のコンパニオン勲章を授与され首都に銅像まで建てられた名誉市民、大阪万博カナダ館でも6月にオスカー・ピーターソンの生誕100年を記念したコンサートが開かれたそうです。
そんなカナダの映画ですから、ちょっと褒め過ぎ感満載、映画の大半はピアニストと言うだけではなくその人間性まで讃えるインタビューでまとめられており、後半は脳卒中からの再起や家族愛などが描かれていました。
音楽シーンは多いですが、私の好きなAll of meや酒とバラの日々などはかからず、ちょっと残念、音楽映画というよりは彼を称賛する生誕記念映画という印象でした。
偉大なピアニストであったのは同意も、何故カナダから彼の様な天才的ピアニストが誕生したのか?それは明らかにされておらず残念。
バリー・アブリッチ 監督による2020年製作(81分)のカナダ映画。原題:Oscar Peterson: Black + White。
オスカー・ピーターソンのジャズピアノ演奏は、ソロを除いて、大好きだと思っていたのだが、この映画の演奏は今一つに感じてしまった。好きなのはスタンダード曲の演奏で、この映画で多く取り上げられていた彼作曲の曲は結局あまり好きではなかったのかなとも、思った。
とは言え、彼の人生そのものは興味深かった。てっきり、米国生まれと思っていたのだが、カナダ生まれとは知らなかった。彼があの壮絶なテクニックをどう身につけたに大いなる興味があったのだが、そこは明かされていなくて残念。
日本を含めて世界を股にかけての演奏旅行のスケジュールのタイトさハードさには驚かされた。それに関連してか、結婚には2度失敗していたらしいが、3度目の妻(白人女性)が彼を心から愛している様で、少しグッと来た。娘さんが彼そっくりの体つきでビックリもした。
監督バリー・アブリッチ、製作マーク・セルビー 、ランディ・レノックス 、バリー・アブリッチ、撮影ケン・ヌ、編集ニコラス・クレイマン。
出演
ビリー・ジョエル、クインシー・ジョーンズ、ハービー・ハンコック、ブランフォード・マーサリス、デイブ・ヤング。
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