「オスカー・ピーターソン、かくも偉大なるジャズマン」オスカー・ピーターソン mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)
オスカー・ピーターソン、かくも偉大なるジャズマン
オスカーピーターソンがカナダの人だと初めて知った。いわずと知れたジャズ界の大御所で数多く名プレーヤーの存在するこの世界で燦然と輝く巨人である事に間違いはない。しかもその業績と軌跡は長きにわたり世界中に影響を与えていたことを改めて知らしめられた作品でもある。ジャズの世界で純粋にジャズ界での功績が認められ、そのジャンルに於いて世界文化賞をその音楽部門で獲得した初めての人でもある。それが如何に偉大な事かと言えば純粋ジャズの世界ではオスカー・ピーターソンを含めて、あとはフリー・ジャズのオーネット・コールマンの二人だけである。このドキュメントは途中🎦グリーン・ブックに極めて近い描写がある。「グリーン・ブック」の元ネタかと思ったが、「グリーン・ブック」のモデルはドン・シャーリーと言うミュージシャンであった。ただドンはオスカーと2歳しか違わずその活躍に於いてオスカーが体験した世界とほぼ同じアメリカを経験していたことは間違いない。同じピアニストでこうした高い評価を得ていた黒人ミュージシャンたちは、その音楽性故一部の専門家や興行主には評価されたものの中々な苦難の連続をそのツアーで味わった事であろう。改めてアメリカの黒歴史を私たちはこの映画で知ることとなる。それにしてもオスカーのピアノはあまりにシンプルで美しく現代社会における規範となっている為、やもするとその偉大さに気が付かないまま通り過ぎてしまうが、この作品で改めてその原点を見た思いがした。
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