「森崎、最高だよ。」少女は卒業しない TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)
森崎、最高だよ。
ここ数年「ここにも河合優実」と気づくほど、作品選びも良く、且つ本人が爪痕残す演技で最早「信頼」のおける彼女。初主演作品となれば観てみたいと思っていたら朝井リョウさん原作とのことで、これまた間違いないだろうと鑑賞を決めました。
ちなみに、中川駿監督は存じ上げなかったので過去作を確認すると、前作『カランコエの花』がAmazon Prime Videoにあり評価も高い。公開1週目のカリテは午前中回がなかったこともあり、公休だった本日、朝一にこの短編を前もって鑑賞しました。で、これが確かに良かった。特に終わり方が最高過ぎですが、うっかり「レコメンド」を有効にしたまま観るとこの演出が台無しなので、まだ観てない方は設定を無効にしてご覧ください(笑)。
話が脱線しましたが、、期待度をさらに上げつつ半年ぶりのシネマカリテへ。
鑑賞してみてまず言えるのは、河合さん主演とありますが「卒業式」という軸に対して、ある役割を担うまなみを演じることで「主演」という見方も出来ますが、基本的にはまなみ、由貴、杏子、詩織という4人の少女たちの群像劇です。「三者三様」(「四者四様」という言葉はありません)エピソードもいいしキャラクターにあった演技も素晴らしく、若者たちの真っすぐで感情の高まっていく様子にオジサンのバカになった涙腺が刺激されます(苦笑)。
勿論、男性陣のことだってちゃんと見てますよ(笑)。
まず、司書教諭・坂口役の藤原季節さん、いいですね。生徒に丁寧に「敬語」で接する感じがとても真摯で慈愛も感じる。詩織(呼称は「作田さん」)からの信頼も当然と思え、またちょっととぼけた感じもむしろ好感を覚えます。
そして、杏子が部長を務める軽音部の部員で杏子と同じ中学出身の森崎を演じる佐藤緋美さん。『ケイコ、目を澄ませて』でもケイコの弟役で存在感あり、とても素晴らしかったことが記憶に新しいですが、今作終盤におけるパフォーマンスは特に最高です。元々HIMI名義で音楽活動をしていますが、兎も角多くは語りません。まさに「映画を観てのお楽しみ」と言って過言のないシーンです。
と言うことで、中川駿監督、チェックインに入れて今後の作品をまた楽しみにしたいと思います。