「オレンジ」劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
オレンジ
連載開始から10年以上、連載当初からジャンプを読んでおり、バレーボールに縁のなかった人生にバレーの面白さをこれでも叩き込んでくれて、直向きにのめり込む熱さを教えてくれた作品です。
実際のプレーは体育の授業くらいで、コートギリギリのボールを足で拾って攣って悶えたのが良い思い出です笑
特典は33.5巻でした。裏話大好き人間なので、やはりこういう特典はそそられます。
ゴミ捨て場の決戦、烏野VS猫駒という好敵手たちが全国の舞台で最初の戦いから紡いできた歩みを全てをここでぶつけ合う、そんな激闘をスクリーンで堪能できるとか終わった後魂抜けないかな?ってくらい興奮していましたが、観終わった後はもう昂りまくっていました。85分という尺にハイキュー!!に関わる全ての人の情熱が注ぎ込まれていました。
この戦い、本誌で読んでいた時一体どうなるんだ?というラリーの連発に毎週ワクワクさせられていましたが、今作では勢いそのまま突き抜けていく構成になっており、原作とは違う楽しみ方ができました。
まず作画がとんでもないレベルになっていました。1〜3期もとても見応えのある作画で、4期では雰囲気が少し変わりましたが躍動感は増していてそれぞれの良さがありました。劇場版では1〜3期の頃の作画へ戻り、そして大スクリーンで繰り出される抜群の躍動感が素晴らしかったです。
ラリーのシーンで交互のコートを映しながらボール視点や審判視点でお互いの空中戦を拝めるというえげつないものが観れて鳥肌ものでした。
研磨の策略で日向に攻撃や攻撃への移動を封じさせて檻の中に閉じ込めるという中々にキツい戦略で挑んできて、日向も心が折れかけるんですが、その状況を打破するためにオープンでの高めのパスに日向が意気揚々と飛びついて猫駒コートへぶち込むという最高のシークエンスで復活する烏野の流れがもう完璧すぎて震えました。
日向と研磨の主観でバレーボールの展開を観れるという没入感が最高で、アトラクションに乗ってるかの如く目まぐるしく動く展開にのめり込むことができました。アタックを拾ってトスして繋げて、フェイントもあってまた取って取られての怒涛の展開に頭フル稼働させないとバレーって大変だろうなとスクリーン越しに思うくらいですから、実際のコートなんて一瞬の集中力の欠けが致命的になるんだろうなぁと思うとリスペクトしかありません。
ストーリーも研磨にフォーカスした点が多く観られ、研磨がバレーを面白いと言うまでの過程が丁寧に描かれ、床に這いつくばりながら楽しーと言うシーンはもう日向と一緒に絶叫してしまいました。
音にも強いこだわりが感じられて、強打でのサーブの音やアタックの音もやっちゃんと同じで腕もげる…ってなっちゃうくらいには轟音でしたし、歓声ひとつひとつ拾っているのもあって、実際に現地にいるかのような感覚になっていたのもまた良かったです。
シューズがキュってなる音も拾っているので、学生の頃を思い出してしまいました(やってたのは別のスポーツ)。
ラストシーン、全てをぶつけて戦ってきた選手の汗で滑ってボールが落ちての決着。激闘の最後は不意に訪れるというハイキュー!!ならではの静かな終わり方、もうのめり込んでいたのでここで決着付いたのかという新鮮な感覚に襲われました。
対戦相手を称え合い、研磨はクロにバレーを教えてくれたことに感謝してクロが涙ぐむシーンでこちらも涙ぐんでしまいました。海さんが3年間を振り返るシーンでクロと夜久さんが涙ぐむシーンでもういっちょ。
優が猫駒を煽りつつも、勝者は1校のみという現実も突きつけてくれるのもバレーボールに全てをかける高校生たちの熱がひしひしと感じられました。
ゴミ捨て場の決戦を終えて、次はついに鴎台との準々決勝、あの激闘までスクリーンで観れるのかと思うともうヨダレが止まりません。公開のタイミングがいつになるか分かりませんが、首を長ーくして待ちたいと思います。ここまで漕ぎ着けてくれてアザーっス!パンフレットもアザーっス!
鑑賞日 2/16
鑑賞時間 21:30〜23:10
座席 H-16