「シンプルゆえに予想される展開と結末をどう料理するかというジレンマ」FALL フォール Tenjinさんの映画レビュー(感想・評価)
シンプルゆえに予想される展開と結末をどう料理するかというジレンマ
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時折お尻のあたりにムズムズするような感覚を覚えながら楽しく?鑑賞しました。家のテレビで見てもこれなので、劇場で見たらもっと怖いでしょうね。
孤独で危険な場所に取り残されるシチュエーションということで、サメ映画の「ロスト・バケーション」を思い出しました。あちらはたった一人(一応、鳥がいましたが)で、こちらは二人ですが。シンプルな構造のお話は大好きです。十分、最後までダレずに見られるようになっていると思います。
スマホのある時代にどう隔離された状況を作るのかと思ったら、塔の上は電波が届かないところだったというのはまあ、必然ですね。助けを呼ぶためにスマホに電波を受け取らせるにはどうするかが物語上の一つのカギになっています。
三日くらいを塔の上で過ごすという状況で時間経過とともに二人の顔や肌にどんどん荒れが目立ってくるのがリアルでいいです。実際、日差しを遮る場所がないのは相当堪えると思います。
この手の映画でありがちなヒステリーを起こすシーンがなかったのが個人的には好感の持てるところ。まあ、あまりにも狭い場所かつ極限すぎる状況なので、そんな余裕もないのでしょうか。
ただ、終盤の展開は意外に感じるとともにそれでいいのかと思うところも。罪を犯した人には罰、ということかもしれないし、ご都合主義を避けたかったのかもしれませんが、ちょっと後味はよくない気がしました。主人公はこの先、ずっと後悔を抱えて生きていきそうで生還を素直に喜べないといいますか。
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