「「おバカ映画」と「バカの映画」の違いがわかる」FALL フォール バソラプンテさんの映画レビュー(感想・評価)
「おバカ映画」と「バカの映画」の違いがわかる
塔の上で遭難するというアイディアは良かった。
偶然によって塔の上に取り残されて、知恵と勇気と友情でサバイバルして生還する映画・・・を期待して見始めたのだが、実際には全然違った。
バカな登場人物がバカな理由で自業自得の危機に陥って、バカな解決法を思いついて更にピンチになるという、バカのマッチポンプ映画だった。
これがギャグの「おバカ映画」なら笑って見てられるのだが、シリアスなピンチを演出しようとしているから笑うこともできず、ひたすらバカのアホな行動に付き合わされる「バカの映画」で、見ていて辟易する。
そもそも危険地帯に行くのにだれにも知らせず、装備も短いロープ一本、服装も半袖短パンにズック、水もペットボトル一本、非常時の連絡手段がろくに電波の届かないスマホだけとか、事前準備があまりに足りず、自殺しに行ってるようにしか見えない。仮にも人が死ぬレベルの山を登れるクライマーとは思えないアホすぎる行動計画。
事前に知人に行き先を告げておくとか、長めのロープを持っていく、水分と非常食を持っていく、発煙筒とか笛とか、まともな装備を持っていっていたら一瞬で解決した話。
ピンチに陥ってからも、簡単に解決できるのに、アホな選択ばかりして自ら更なるピンチに陥る。
例えば、短いとはいえロープがあるなら、両手と両足にロープを持って、太い立木に登る応用で安全に降下できる。
携帯を落として連絡する手段を思いついたなら、靴に詰めて落とさないで、ドローンに付けて下ろすとか、着ている服を落下傘代わりにするとか、リュックに服を全部詰めて緩衝材にするとか、いくらでもやりようはあっただろうに。ハゲワシを捕まえたなら、生肉を貪るより、そいつにスマホを括り付ければよかった。
そもそも頭上に航空障害灯のライトがあるなら、それを壊してドローンを充電なんてしてないで、それを使ってSOSのモールス信号を送ればすぐに助かった。(そもそも航空障害灯が100vの裸電球とかおかしいだろw)
ドローンにメモをつけて飛ばすなら、拾った人が無視できないようにしておけばよかった。例えばお金を付けておくとか。(映画的には下着をつけておくとかw)
メモの内容も、「テレビ塔で遭難してる助けて」だけじゃなくて、「いつどこで誰がどうなってて、どうして欲しくて、してくれたらお礼をします」まで書いておかないと。
もうここには書ききらないぐらい、全編通じてツッコミどころだらけで、全然映画の内容が頭に入ってこない。
総合すると、塔の上で遭難するというアイデアだけは良かったので、星1ぐらいですね。
見るのはお勧めしません。
>短いとはいえロープがあるなら、両手と両足にロープを持って、太い立木に登る応用で安全に降下できる。
他にもこの方法を書いてる方がいらっしゃったんですが、あの状況でこの方法って実行できますか?
自分ではその方法が思いつかずモヤモヤしてます笑