劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCEのレビュー・感想・評価
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常守さん最高
主人公の常森はすごいキャラクターだ。シビュラによる全体支配的な体制を憎みつつも、必要性を否定しない。でも、全てをAIに明け渡そうとも思わない。ペシミスティックにならず、ニヒリズムに陥ることもなく、どこまでも彼女はリアリズムに物事を考えられる人物として描かれている。近年のアニメーションのキャラクターの中で突出して魅力的だ。 今作では、AI時代に人が作った法律は必要かが問われる。今作の悪役的な位置づけのキャラクターはAIを神のようにあがめている。対して、常森は、AIに全てを委ねるつもりはない、AIがある現実を受け入れた上で、それでも人の意思を捨てずに社会を運営していくべきとの考えにのっとり行動し続ける。そして、人の作った法を守るための究極の選択をする。 常森のように強固は意志を持って生きることができるか、AI時代を生きる人はそれを問われることになるのだと思う。2023年にこの映画が公開されたのはとても良いタイミングだったと思う。
虚淵サイコパスファンにはつまらない
レビューというより、日記の様になってしまうけど、 PSYCHO-PASS1期が非常に熱かった記憶だけある。2期も見てる。 その上で今作を見たけど、なんかこうストーリーの盛り上がり、緊張感?興奮しない。 見ててよく分からない…というか序盤から観る気が失せてた。 何でかな〜って思って、他人のレビュー見てて「2期の続き」って言ってるの見て気づいた。 「あれ?2期ってなんだっけ?ww」 そう!2期から先が全く記憶に残ってなかった。そんな感じで今作見たら、つまらないのは当たり前かwww
キャラアニメ
シーズン1以降不評も多いPSYCHO-PASS、今作も例にもれずつまらないがキャラ萌えとか狙ったシーンが目立ってそれに満足な人は満足だと思う。
実際キャラクターたちは作画もバックグランドもかなり魅力的だが、ストーリーがもうズタボロかつチープ過ぎて無理。
完全なシステムとして存在していたはずのシビュラシステムに欠陥が多すぎたり、唯一の弱点として映えた免罪体質以外にもトンチや屁理屈レベルの話でシステム回避するのにうんざり。その一方でシビュラ側が行政や他国にまで介入、工作していたとか言うんだから作り手はある程度能力に線引きしてるのかもしれないが、見る側としてはご都合主義である時は完璧ある時は無能にされてるとしか感じられない。無駄に説教臭い見せ方してる分、最後の展開が読めてしまうのも残念。
また制作側の都合なのかテレビシリーズで未来、劇場版で過去編という構成に2回もなってるがシーズン3がぶっとび過ぎてて無理だったのでそちらとの繋がりが強すぎるのもイマイチ。
ラストの展開に意外と賛否あるみたいですが、主人公が正式に免罪体質だと明らかになって法の統治を望むというのであれば至極真っ当な展開でした。むしろそれを読めないシビュラさん・・・
なにこれ
全シリーズ観てきてずっと好きだったけど、なんで劇場版の序盤からあんなに作画崩壊してるの?ソファの角度何あれニトリでも見た事ない角度だよ。
表情の表現がやっぱI.Gだな、って納得できる豊かさだけど全部作画がバラバラで観てて不快。特にアオリ構図。
TV版ではスピード感あってかっこよかった戦闘シーンも、なんかちょいちょいノロノロしてて迫力に欠ける。回し蹴りおっそ…って思っちゃった。
3期の謎は大体分かったけど、無理矢理1本に納めました感が強い。朱ちゃんが何故投獄されているかは分かったけど、朱ちゃんの今までのキャラクター性を考えてあの決断するかな…。ちょっと解釈違いなんだよな。
雑賀先生の退場物凄く納得いかない!完全に御涙頂戴役じゃん。狡噛達の頼れる師を、あんなちょい役みたいな幕引きさせるの勿体なさ過ぎる。
あと謎にbgmのバランスが悪いシーンあるよね。突然の馬もビックリしたし、ヒントが無理矢理過ぎる…。
なんか全体的に残念ポイントが散りばめられていてガッカリした。1回観たら充分かな。一期観てこよ。
復習は必要・・・でも、全部見直す余裕はないし・・・
テロに挑む公安局メンバーの闘いを描く物語。 人気TVアニメの劇場版第5作です。 一応、このシリーズは全部鑑賞済みのはずですが・・・完全な失敗でした。 過去作がうろ覚えで、本作の物語が今一つ入って来ません。 過去作の復習を終えてから、鑑賞するべきでした。 作画は流石のProduction I.Gクォリティ。3DCGは大嫌いなのですが、日本でこのレベルの作画は見事・・・だと思います。 ただ、クライマックスの常守朱の行動は少々無茶で唐突。制作陣は「奇抜なアイデア」と考えたのでしょうが、興ざめしてしまいました。 私的評価は、復讐を疎かにした分を考慮して普通にしました。
知らないで観てはいけません
シビュラシステムが導入された日本では、法律の存在意義について議論されていた。そんな時、外国船舶で事件発生。公安局の常守朱と厚生省の慎導篤志 が現場へ向かうが、捜査権は外務省海外調整局行動課が握り、慎導が会議に招 いていたストロンスカヤ博士が遺体で発見される。博士の研究理論であるストロンスカヤ文書を狙う組織ビースプレイカーによる犯行とみられ、常守は組織を追う行動課との捜査に加わるが、そこに狡噛慎也の姿があった。 TV版は見ていません。サイコパスものではありません。どんな話かなと、まず1作目を観賞。と思ったら、最新のものでした。全然内容を知らないで観てしまう、という失敗をしでかしました。やはり、よくわからないところがあります。観た感じでは、攻殻機動隊より時代が前かな。とりあえず、やはり1作目を観ないと。
2.5期か
レンタルでパッケージ裏も見ずに借りた。常森がジャケットだったから「完結編かな?」と勝手に思ったら、3期の前の話だった。まぁ、常森がなんでいきなり収監されているのか分からないままだったから、それを放置で完結は無いだろうけど映画でやる程の事かなぁ。
しかし、シュビラシステムが欠陥だらけって1期の時点で分かってて、そのまま進むのが・・・・まるで現代日本のままだな。
とりあえず、どうやってオチを付けるのか確認はしたいから見てるだけ。
大塚明夫ボイスで聖書の一節を聞くとハンバーガーが食いたくなる。
レビュータイトルは『パルプフィクション』の影響、これは仕方ない。 やや難解な会話に加えて、シリーズをまとめる内容 映像に見入って思考停止させられるので 一回ではちょっと頭に入ってこなかったが、 PSYCHO-PASSの一作品として良くまとまった作品 劇場版としてのスケールアップも良い ・タンカー潜入+鳥になってこい!幸運を祈る! ・シャドーモセス島 ・ゲノム兵 ・しかも大塚明夫(スネーク) ・繰り出されるCQC などなどメタルギアソリッドオマージュを感じられるシーンがあるが 設定としては破綻していない、展開としても成立しているので、問題なく楽しめる 終盤の無人工業都市の美術の素晴らしさはもちろん 全編にわたって背景美術が良い。映像作品としてハイクオリティだ 作品のテーマ性も抜群 エンタメ性も高い展開 劇場版としては満点
最新作にして原点回帰、共に生きるとは何なのか
最初に、ものすごく大切なこととして、今作は前回の「THE FIRST INSPECTOR」まできっちり観ている人がめちゃくちゃ満足するお話です。 点数が高いのもある意味当たり前。PSYCHO-PASSシリーズが大好きで、全作品網羅してる人しか基本的には観ない作品なんだから。 それを大前提として、原点回帰を盛り込み「シビュラシステムと人類の共生」が目指すもの、クリアすべき弱点、懸念、シビュラシステムのある世界で人類がとるべき態度とは何かを再確認する物語に仕上がっていたなと思う。 時系列が「THE FIRST INSPECTOR」の前、なので前回謎として残ったままの部分が観客視点ではクリアになっている(第3シーズンのキャラクター的には謎のままなんだが)、というところが面白い。 構造上前作未鑑賞でも話は通じるが、観ていた方が圧倒的に面白いと思う。帰ってからちょっと観返したしね。配信サービスが充実した今だから、この辺のハードルはかなり下がったなと思う。 一方で、我々シビュラシステムファンとしてはシステムの更なる成長戦略や、システムのフェーズ移行が描かれず、なんとも歯痒いですな。 シビュラが「人類との完全なる共生」を目指し、この無理難題にどう対応するのか。その戦略性がこのシリーズの一番の見どころ。 シビュラが目指す「共生」の具体的な目標は、まず自分の正体を受け入れてもらうための「存在の有用性」を確固たるものにすること。 次に自分の脅威となる組織あるいはシステムをパージし、保全性を高めること。 最後に日本だけでなく世界全土をシステムの統治下に置き、拡張性を高めること。 この3つの目標は個々に独立するのではなく、例えば世界にシステムが拡張することでよりユニークな脳を発見し取り込み、有用性を高める作用をもたらすように相互に利益のある行為である。 今作「PROVIDENCE」で再確認されたこととは、シビュラと人間、そのどちらもが互いを信じ、依存するのではなく「必要」としながらも自律するバランスの難しさなのだ。 「優秀な」システムに何もかも丸投げしたら、そりゃあメチャメチャ楽だろう。言われた通りに適正に沿って生きて、経済活動の歯車をこなしながら、恐ろしい程の不幸にも見舞われないかわりに、あらゆる可能性を自ら捨て去る。 だがそれは実はシビュラが望まないことでもあるのだ。あいつは人間を軽んじているように見えがちだが、根本的に人間の可能性を信じている。 シビュラが見ている理想は、常に人間の可能性の先にあり、人間が進化する限り己もまた進化しようとし続けることそのものだ。 ただ、進化や可能性への適応方法がちょっと乱暴な手段を伴っているだけで。 面白いもので、PSYCHO-PASSの公安部や外務省行動科の連中は、みんな「シビュラは必要だが個人の考えは曲げない」タイプ揃い。 そうでなくてはストーリーにならないから当たり前なのかもしれないが、シビュラ信者の霜月管理官ですら自分のワガママは絶対に通してくる。 その態度こそがシビュラが望むものだと、全人類が気づく時こそ、シビュラが求める理想のスタートラインになるだろう。 個人的には、シビュラに対してものすごい「胡散臭さ」を感じているし、自己決定権をシステムに委ねることに愚かさすら感じているが、一方で意外と人間的で清濁併せ呑む、懐の深いシビュラのことが大好きでもある。 PSYCHO-PASSは面白い。それはシビュラが面白いからだ。あいつの求める理想が実現する未来は、胡散臭いことこの上ないが、いつか見てみたいと思える未来でもある。
ポップPSYCHO-PASSの完成形
二期以降大衆ウケするような要素を徐々に増やし続けたシリーズの新作映画。 ただ、中途半端に難しいことをやろうとしていた今までとは打って変わって、今回はポップカルチャーに振り切った様子。(2期以降の作品が今作にクオリティにおいて劣後すると言いたい訳ではない) 今作の魅力は3点ある。「書籍のエモい引用」、「カッコいいアクション」、「目まぐるしく展開する衝撃続きのストーリー」だ。 ・書籍のエモい引用 登場人物が要所要所で書籍の引用を行う。これがエモーショナルなのは、"カッコいい"或いは"オシャレ"と感じられるシーンに決まってそれを配置するからだ。 ・カッコいいアクション 躍動感ある戦闘シーンはやはり特徴的。登場人物が繰り広げるアクロバティックな戦闘は、迫力満点。おまけに今作は登場人物間での交戦シーンが多い。そういう意味で、この要素が今作の魅力の大部分を占めるといっても良い。 ・目まぐるしく展開する衝撃続きのストーリー 展開の緩急を操作することで飽きさせない作りにしているのは勿論、緩急を操作するタイミングでは必ず「衝撃的な展開」を用意している。 しかし、今作の最大の特徴は、ストーリーを「軽さ」に振り切ったところにある。これは二期以降のみならず全シリーズを通して、今までになかった試みだろう。 一見難しそうなことをやっているように見せて、因果を追えばストーリーが楽しめるようになっている今作の作りは、謎解きパズルに似て考察者を適度に楽しませてくれること請け合いだ。 ただ、このようなコンセプトにするのであれば、古参しか見れないようなコンテクスト依存の作りにするのはどうかと思う。
映画館で見れてよかった
なんとか上映期間内に見る事が出来た。 ドミネーターの出番は控えめだけど、だからこそ終盤のドミネーター登場場面でもうワクワクが止まらない。 コウガミに助けられてドキドキしてるのになんとも無いフリをするあかねちゃんかわいい。 またシリーズを見直してしまうんだろうな。
常守朱が大好きな方にとっては大変な名作だと思います。
皆の生きる指針となり、命を懸けるに値すると慕われ、己の犠牲を顧みず自らの信念を通した素晴らしいキャラクターとして描かれているのですから、絶賛の嵐も当然だと思います。
ですが、私はシリーズが進むに連れ、公式…というか監督の常守朱への思い入れが強くなり過ぎているように感じ、彼女というキャラクターが大の苦手になってしまいました。
そして今作も物語の全てが彼女のために進むかのような展開で、すっかり萎えてしまいました。
彼女がいかに劇的に、感動的に一時主役の座から去っていく様を描きたいがために逆算して作られた物語には何の面白味も感じません。
3期、そしてFIのラストに繋げるための辻褄合わせが、過去作と矛盾するという皮肉過ぎる結果になっています。
そもそも刑法だけが法ではないのに、法の廃止議論からして荒唐無稽で、それを自らを刑事と称する常守がどうこうするという話もおかしいです。それは刑事の仕事ですか?それにシビュラに判定できない対象が続々と出て来ている中、無理があるだろうと。
また、暴力によるテロを行った常守を正当化し、何一つ瑕疵が無いよう、責任が及ばないよう、かつ彼女がより可哀想に見えるようにお膳立てされたご都合主義に終始していました。雑賀の死さえそうで、彼女の悲劇を演出するためだけに意味なく殺されて行ったようにしか見えなかった。
彼女が公衆の面前で殺人を犯しながら、周囲には何の影響もなかったという説明はどうなんでしょうかね…逃げ惑う人々の描写がありましたけど……それに影響が無かったのに、何故彼女の主張は通ったのでしょうか?まあこれも後付説明なので、きっと考えていらっしゃらなかったんでしょう。
周囲に根回し一つ出来ない官僚の常守が、さも優秀であるかのような、皆に崇拝される女神のように描かれているところも違和感でしかなかったです。
また、監督は常守と狡噛の物語の集大成と仰っていましたけれど、狡噛の物語にはとても思えませんでした。1期からの懸案事項であった狡噛の逮捕問題もそうとは解らないような有耶無耶な表現にし、後からラジオ番組の場で監督が発言するなど、画面から伝わらないものを素晴らしいと評価する感性は私にはありません。
それでいて、過去作にあった常守の身体に触れる場面は全て網羅するなど、二人の場面になると途端に湿度高くねっとりとした描写になる辺り、監督は2人を恋仲にしたくて仕方ないのだろうな、というのは伝わってきました。パンフレットでは冲方さんが必死に否定されてましたが…それも今後の売上とか、そういった大人の事情ってやつでしょうかね。
何をしても許される、無敵の女神として描きながら、一方で若い女の子に責任を持たせるのは可哀想だ、素敵な王子様に守ってもらうべきだとでも言うような矛盾を感じます。若い女だろうが男だろうが、自らの仕事に責任を持つのは当たり前なので、この辺も働く女を馬鹿にしているなと思いました。少なくとも常守と狡噛の間に男女の対等なバディの姿など殆ど感じられなかったです。
明確な描写は格好悪いと思っていらっしゃるのか、もっと見たかった場面やここは説明が必要だろうという場面が無かったり、あやふやなまま流されたり、それでいてここは要るのか…?みたいな冗長な場面は多く、正直退屈でした。
現代の社会問題を取り入れて預言者などと持ち上げる向きもありますが、ご都合主義の薄っぺらい展開に終始してしまっていて、エンタメ的にも楽しめませんでした。2時間座っているのが苦痛でしかなかったのが、好きで10年間追ってきた私にとっても衝撃でした。
監督個人のSNSなどでチラホラとネタばらしをするなども、不信感を募らせる原因です。
やるならばちゃんと冊子にするなり、残る形でやってほしい。有料だって構わないのですから。その場に居合わせた一部の信奉者にだけ話して終わりに出来るようなものなら兎も角、物語の根幹に関わるようなことまでそれでは……そもそも本編で語れって話ですが。
新キャラ甲斐は魅力的でしたし、霜月の有能さ、須郷の普段は見せない若さなどはとても良かったのに、常守に対してだけは長く携わっていらっしゃるせいか思い入れもひとしおで客観的な描写が出来なくなっているようにお見受けするので、もう次回作には常守は出さないか、少しお休みされてその間に他の新しい才能のある方にシリーズスピンオフでも作って頂けたらと思います。
そして宜野座の髪型弄りはもう二度と御免です。
これまで個性的なキャラクター達がそれぞれの抱える葛藤や正義感を持ち寄って自らの信念に沿って集う様がこの作品の魅力だと思ってきたのですが、常守朱を盲目的に信仰するようなキャラしか居なくなってしまった事が残念で仕方ありません。
また、親友を目の前で殺害されても暴力による決着を望まなかった常守が、自ら暴力によるテロ行為を起こした事をまるで良かったことのように描写し、そして囚われの姫君である常守を迎えに行く王子的役回りを持たせる為にわざわざ狡噛を日本に戻すという物語が集大成とされたことに心底落胆しました。
星1つは、大変なスケジュールの中、スタッフの皆様お疲れ様でしたの意味を込めました。
見てるうちに楽しくなるかもと思いつつ5回見ましたけど、楽しくなるどころかこれまで抱いていた作品への愛情もすっかり薄れてしまったので、次回作があるのか分かりませんが、今後は距離を置こうと思います。
自分の正義を貫く格好良さ
バディ復活、浪花節、チームワーク、ドンパチと、ファンにはドキドキ、ワクワクが詰まっている。ストーリーの細部はよく分からんが、というか、メッセージ性は大してないが、とにかく盛り上がる。映像も音響もバッチグー。そして、格好いい常守。
懐古厨の意見かつ私の好みも絡むレビューである事をご理解下さい
0.5ずつしか評価出来ないので3.5にしてありますが、3.7~3.8位の感覚でレビューしています。
結論から言うと面白かったのですが個人的には痒いところに手が届かない感覚でした。
試写会で野島さんも仰っていましたが、情報量が多く1回では理解出来ませんでした。シビュラのあり方、ひいてはAI全体あり方についてなど家帰って考察したり2度3度見返す事によって面白さが分かるスルメのような映画でした。
狡噛&常守ペアの主役復帰伴って凛として時雨、EGOISTの組み合わせが復活した事もかなり嬉しかったです。あと、SG型等ドミネーターの活躍、SS以来の須郷さんの戦闘機シーンも熱かった。
ただですね……懐古厨である事を承知の上で投稿しますが、やっぱり「犯罪係数」を軸にしたストーリーが見たかった。軸にするのは無理だとしても、もっと「犯罪係数」を深くストーリーに絡めて欲しかったですね。少なくとも本編では。
悪役のボスの色相がクリア、事件後の朱ちゃんの色相がクリア(百歩譲ってまだ分かる)、ピースブレイカーの色相がクリア(その後あっさり執行)など一応理由付けはあるにしてもPSYCHO-PASSのメイン要素であったはずの「犯罪係数」が時々ストーリーの邪魔をしている感じが否めないのは少し寂しいですね……スピンオフ、他シリーズのSFアニメであれば文句は無かったのですがね……
システムとの共生
シリーズも10年を超えましたが、本作はマンネリを起こすどころか更なる世界観をアップグレードした緻密な内容となっており、鑑賞後はその圧倒的情報量に放心状態となりました。
以下、素晴らしかった点を。
○圧倒的な映画表現
昨今、国内のアニメスタジオのクオリティが軒並みに上がっていますが、Production I.Gも多分に漏れず凄まじいクオリティ。
やはりサイバーパンクの世界観を描かせたら国内随一のスタジオ。
登場する舞台やガジェットの作り込みがハンパない。
○PSYCHO-PASS 3へのミッシングリンクが見事
何故、常守朱が収監されていたのか?
慎導灼の父親が亡くなった真相等、第3期やFIRST INSPECTORへのミッシングリンクが見事に描かれておりスッキリしました。
あのピースブレイカーの残党やビフロストのコングレスマンも登場しており、また第3期を見返したくなります。
○登場人物達の活躍
正にオールスターと呼べる第1期から第3期までのキャラ達が総出演。
SSに登場したキャラも出演しており、シリーズの集大成となる作品なのだと痛感。
また各キャラ達の見せ場も平等で全員が違和感なく自身の与えられた行動をしていました。
○雑賀先生の最期
第3期で姿が見えなかったので久々の登場で嬉しかったのですが、まさかお亡くなりになるなんて...
狡噛さんや朱ちゃんを導き、その深い知識と観察眼で考察する姿が好きでした。
○ドミネーター
やはりPSYCHO-PASSと言えばドミネーター!
終盤にてあのBGMと共に起動した時はテンション爆上がり。
第3期に登場するSG型のドミネーターもしっかり登場。
強襲型ドミネーターも登場し今までエリミネーター止まりでしたが、遂にデストロイ・デコンポーザーを披露。
余りの破壊力に笑いが出ました。
○人間とAIの共生
AIを題材にした作品は大概がAIを駆逐すべき悪性のシステムとして描きます。
しかしPSYCHO-PASSシリーズは、常に公平な視点でシステムを描いてきました。
今作では、いよいよシビュラシステム一極による法律の瓦解直前まで来ています。
現実でもAIが私達の社会に深く入って来てます。
AIが人々の職業を奪うと言われ続けて来ましたが、当時はまだ漠然としか考えてませんでした。
しかしAI生成によるイラスト作成やchatGPTによる文書構築により、我々人間の真価が問われようとしています。
AIによる恩恵と弊害を身近に感じる今だからこそ観るべき作品。
○PROVIDENCEの意味
PSYCHO-PASSならではの神の定義に唸りました。
また今作での砺波の主張が凄く身に染みました。
私は特段、強い政治的思想性は持ち合わせておりません。
活動家でもありません。
しかし昨今の過剰なポリコレに染まる社会に反感を覚えてます。
多様性を押し付けて逆差別が起こっている惨状。
LGBTQ+、フェミニスト、ヴィーガン、環境保護、動物愛護...
多くの思想が世界中で溢れております。
私はそんな活動家・思想家を否定はしません。
しかし一方的な攻撃的論調で来るのが辛い。
だからこそ人間なんかに社会を法律を委ねない方が良いとも思ってしまいます。
感情を持つ人間である以上、私達は客観性やら公平性なんて持てない。
だから砺波の言葉に魅力を感じました。
対して朱ちゃんの「人間とシステムの共生」にも心が揺らいだのも事実。
○狡噛&朱コンビ
もうこの2人が画面に映っているだけで満足。
時折、朱ちゃんが見せる狡噛さんへの想い溢れる表情や仕草が、堪らなく可愛い。
そして圧倒的安心感ある狡噛さんの戦闘力。
第1期のアンサーとも言える朱ちゃんから狡噛さんへの手紙が良い。
ラストの朱ちゃんの決断と慟哭は観ていて痛々しい。
朱ちゃんは常に法を遵守して来た。
法を守る為に法を犯す...
あの涙はこれまでのあらゆるものが込められている。
だからこそFIRST INSPECTORの再会は嬉しい。
SFクリエーターは思想家であり、哲学者であり、預言者でもあると考えてます。
数年先、果ては100年先の未来の人間性を考察してくる
このPROVIDENCEに限らずPSYCHO-PASSシリーズは、AIと共に生きる私達が観るべき作品。
PSYCHO-PASSシリーズは、まだまだ続きます。
そして私達に疑問を投げ掛けて来ます。
これほどの素晴らしい作品に携わり、私達に届けてくれるスタッフ・キャストの皆様に感謝を。
3の解答編。復習をお忘れなきよう
まず今作はサイコパス3の前日譚になるので、この映画を観る前に3は必見です。もっといえば1期から総復習するのもありでしょう。 どうせ過去編だし…と思っていたら3からの登場人物が重要な立ち位置で出てくるので3の記憶を持ってて良かったな、と思いました。 ただストーリーの流れ的に公開順は3よりも前の方が良かったように思います。初見の方でこの映画を最初に観たのなら3、3の劇場版を続けて観た方が暗い気持ちが少しは晴れるかと思います。 常森朱が何故3で囚われていたのか、という最大の疑問は今作を観ることで解消されました。他にも3では明かされなかった過去も明かになりスッキリした気持ちに…なるかと思いましたが、その過去が重くてしんどくて観賞後は下を向いて物思いに沈みながら帰ることになりました。 各々のキャラたちの見せ場があり、胸が熱くなるシーンも悲しくて泣きたくなるシーンも詰め込まれていて感情がいったりきたり、忙しかったです。 特に戦闘描写は見応えがありました。 中でも須郷の銃撃戦は凄かったです…!作画、スピード感、迫力の全てが揃っており、ここだけ別の映画ではないか?と思うほど力の入ったシーンで満足度が高かったです。 個人的に推している花城フレデリカも更に格好よく戦闘も申し分ない強い女性として活躍してくれたので良かったです。無力感もまたよし。 雑賀先生も1期からのお気に入りだったのですが…。 1期から続いてるシリーズものなので変化はつきものなのですが、せっかくのオリジナル要素が薄まってきているように感じました。 特にドミネーターが活躍するシーンは従来よりかなり少なかったのが残念でした。刃物や体術で闘うのもリアルさがあって良いのですが、もっと日高のり子ボイスのドミネーターを堪能したかったです。 脳内チップに憑依されるのも正直納得できませんでした。3から超能力が出てきているのでもはやどうしようもないのですが。今後の展開に期待もあり不安もあり…です。 今作は法律の存在価値が問われる物語となっています。法律を何よりも重要視している常森朱が法律を守るために法律を犯す…最終的にどうなるか結末は分かっていてもラストシーンは自然と涙が溢れました。 他人にも世間にもAIにも揺るがされず、自分の信念をどこまで貫けるのか。 AIとの共存が目前に迫る時代に生きている今だからこそ観てほしい作品(シリーズ)です。
解答編。それ以上でも以下でもないけど、心打たれた
TVシリーズ第三期の解答編です。 完全な一見さんお断りなので、予習は必須。 この作品で第三期の評価はかなり変わると思う反面 この方向、方法しかなかったのかなと。 集大成と銘打たれていたものの、それには少し疑問点が残りました。 ただやはり、彼女の決断には心打たれた。 2時間があっという間でした。 第四期待ってます。 これで終わりではないですよね?
ChatGPT使ってる人は洗脳組
映画の中でAIは正しいかどうかという話があり、 世間ではChatGPTを使っていますよね。 みんなすぐに洗脳されると思いました。 この作品は踊る大捜査線に似ており、 調べると本広克行さんが入っていて、 似てるのではなく本家でした。
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