暴力をめぐる対話のレビュー・感想・評価
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独裁政権だけでない権力による民衆暴動鎮圧の実態
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パリにおける民衆暴動を起こす側と鎮圧する側との葛藤を描いたラジ・リ監督作品の『レ・ミゼラブル』を思い起こした。本作の場合は、暴動の映像を振り返りながら、その正当性を支持する意見が多かった一方で、時折鎮圧する側を支持する意見もいくつかあった。その肩書きには、警官労組役員というものがあった。鎮圧する警官の方が労働者の立場である、という意見もあった。ゴムの銃弾使用への抗議に怯む場面もあり、独裁政権下の韓国やミャンマーのように殺傷を厭わない態度よりはましかもしれないし、本作映像にあったように、マクロンがプーチンを批判し、警官労組役員が言うように、予防的措置よりましだという見解もあるのかもしれないが、近年の香港での鎮圧やアメリカでの黒人虐殺と比べても遜色なく酷い対応にみえる。旧ソ連のフルシチョフ政権下におけるスト鎮圧を描いた『親愛なる同志たち』でさえ、軍隊にも人民に銃を向けることを拒む良心のあったことが描かれていることを鑑みると、やはりあってほしくはない実力行使だと言わざるを得ないし、日本やアメリカも、分権主義という形を取っているので、警察の国家保有ということだけでは説明にはならないと思われる。
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