「「違う惑星から来た人」は意外と多いかもしれない」ちひろさん BONNAさんの映画レビュー(感想・評価)
「違う惑星から来た人」は意外と多いかもしれない
元風俗嬢現弁当屋の謎のお姉さん=《ちひろさん》。
家族じゃない、でも居場所を作ってくれる彼女に惹かれる人は多い。だが、彼女自身が何者なのかを知る人は、多分誰もいない。
弁当屋を舞台にした映画やドラマはたらふく観てきましたが、こんなにも美味そうな弁当を出す店は見たことありません。どこだよ、この弁当屋。毎日行くから場所教えてくれよ。
なお、この作品はNetflixでも配信しているそうですが、港町(ロケ地焼津)が舞台とだけあり、港町の風景や音はやはり映画館で触れた方が良いのではと思います。私は映画館で観ました。
秀逸な人間ドラマ。
家族が悪い意味で家族じゃない登場人物がいて、そこに家族っぽくないけど家族の温かみを届けてくれる人と、家族っぽくないけど本当は家族らしくしたい人が重なり合う。
寂しいと一言で言っても、かと言って誰かと一緒にいたいかと言えばそうでもない。そもそも《一緒にいる》という言葉のニュアンスは人によって微妙に違う。そのニュアンスの違いが、家族や友人という近い距離にありながらも、微妙な亀裂を産んだりする。
この作品の中で出ていた「違う惑星から来た人」を言葉にして表すのは難しい。けれど、なんとなく示そうとするものはわかるし、考え方も理解出来る。そして、ちひろさん。多分多いよ?思っているよりも。と。
良かったです。特に主演が有村架純さんだったのが良かった。港町の謎の女。なのに、あのほっこりした笑顔で全部持ってかれる感あった。
なんで3.5かと言えば、単純にちと長いなと思ったからです。ただ、どこを削れば良いのかわからんですが。
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