劇場公開日 2023年2月23日

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「ちひろさんのキャラクターは魅力的だが、100パーセント共感することはできない」ちひろさん tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ちひろさんのキャラクターは魅力的だが、100パーセント共感することはできない

2023年2月28日
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人と人とは基本的に理解し合えないと思っていて、心から孤独を愛しているのに、かといって、人を拒絶したり、人との間に壁を作ったりする訳ではなく、むしろ、極めてオープンに人に接する「ちひろさん」のキャラクターが、なんとも独特である。
しかも、そんなちひろさんが、孤独や疎外感を感じている周囲の人々を互いに結び付け、彼らに居場所を与えていく展開は、どこか「寅さん」的で面白い。
有村架純も、人との距離を保ちたいのに、決して「人嫌い」ではないという、どこか矛盾した役柄を、とても魅力的に演じている。
ただし、ちひろさんに、100パーセント共感して感情移入できるかと言えば、それは難しかった。
「孤独を手離さないこと」が幸せなことだとは、どうしても思えないのである。
彼女の人格形成の背景には、子供の頃からの壮絶な人生経験があるということは容易に想像がつくのであるが、それがもう少し具体的に語られたならば、彼女への理解も深まったのではないだろうか?
いずれにしても、彼女が早く3人目の「同じ星の人」に巡り合い、それが未婚の男性であれば良いのになぁと願うばかりであるが、余計なお世話というものか・・・

tomato