「Sewer Home」ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック! ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
Sewer Home
ミュータント・タートルズの新たな映画化作品。以前のタートルズたちに比べるとアメコミタッチ強めのキャラデザや雰囲気に仕上がっていました。
「ミッチェル家とマシンの反乱」で共同監督と脚本を務めていたジェフ・ロウが監督として支えてくれているのがとても頼もしくて、タートルズはじめキャラを一人一人大切にしていましたし、アニメーションのクオリティも高くて尚且つ個性全開なのもグッドでした。とにかくよく動き回るのが特徴的で、特別な能力は無いけれど、武術で鍛えた身体能力を武器に躍動しまくるシーンがとても印象的でした。
ド派手に正面から映す大胆なカーアクション、横スクロール&視点切り替えでスピード感満載の剣撃と打撃のアクション、2Dと3Dが融合したような独特なタッチから繰り出される落書きのようにカラフルな世界観が広げられていたりと、とにかく楽しい事全部詰めって感じだったので目の保養になりました。
現実で言う人種問題と同じようにミュータントたちと人間とでは種族の違いが壁を隔てることになっており、タートルズの父親代わりのネズミのスプリンターが一度外に出てから敵視された事を受けて、地下水道に閉じこもっていると言うのは現実味があるなと思いました。
タートルズたちは学校に行きたい、映画を観たい、恋をしてみたいなどなどたくさんやりたい事がある思春期ボーイズなので、度々外で遊んで人間と交流して、その度に目をキラキラ輝かせているのが印象的でした。
そんなタートルズと最初に交流するエイプリル、彼女は緊張しいなのもあってカメラを向けられた瞬間にとんでもない量のゲロを吐いてしまい(かなりコメディタッチに描かれてるので不快感は全くありません)、学校では敬遠されている立場でしたが、タートルズと協力して街の怪物の正体を明かせば自分のジャーナリストとしての才能が開花するかも!という一歩を踏み出すきっかけになっていたのはとてもグッとくるものがありました。
今作のヴィランとして立ちはだかるのは実験で変化してしまったスーパーフライ。そして弟と妹たちを引き連れて、人類皆殺しを企んでいる中々凶悪なヴィランです。
ただ、完全な悪というわけではなく、弟と妹たちを救って育て上げた父親代わりのような事もしていますし、タートルズたちを同士だと思って仲間にスカウトしようとする辺り、根が本当に良いやつなんだなと思い、どこか憎めないキャラになっていたのも良かったです。
様々な生物が融合して出来上がったスーパーフライ完全形態のデザインの禍々しさは最高で、各能力を活かせているようで活かしきれてなかったのもまた一興です。
超強力なので、どうやってスーパーフライ軍団とタートルズと父親とエイプリルとでどうやって倒すのかと思いましたが、そこにエイプリルの必死の(ちょいゲロ)アナウンスにより市民が総出で加勢してくれるのは胸熱でした。全員でバトンを繋ぎ、種族の垣根を超えてスーパーフライ撃破で全員が讃えあうシーン、ややあっさり感は否めませんでしたが、それでも真のヒーローになれたという充実感がしっかりと伝わってきてとても嬉しかったです。
スーパーフライ軍団は地下水道で共に暮らし始め、タートルズたちは地上の学校に通い出し、無事にプラムも行われて夢のスクールライフが始まるというところで物語は終わります。まだ科学者とかはガンガン生きているので、新たな兵器を生み出してタートルズと再び戦うっぽいのでとても楽しみです。ぜひ続編で心ウッキウキにさせてほしいです。
鑑賞日 9/23
鑑賞時間 18:10〜20:00
座席 F-12