湯道のレビュー・感想・評価
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角野卓造の顔力
温泉でなくても温泉を名乗る銭湯があるという事をはじめて知った。
テーマはみんなで大きな風呂に入ると日常の嫌な事を忘れ、癒しの効果があるのでみんな銭湯に行きましょう・・・と言ったところか。
自宅が檜風呂に改装されても小日向文世さんは引き続き銭湯には通うのだろうか?とか、そもそも常連客達の自宅にはお風呂があっても毎日450円を払って銭湯に通っているのだろうか?などと無粋なことを考えてはダメで、あくまでも現実とは少し違う設定のファンタジー映画として鑑賞するスキルが求められる。
唯一現実的な立ち位置で現在の銭湯事情を真っ向から指摘した吉田鋼太郎さんはこの世界では悪役のように描かれているが、採算が取れていない事について憂慮する発言もあり、ある意味脚本家のこの無責任な世界観に対する小さな言い訳のようにも取れる。
柄本明さんの怪演は安定の面白さだったが、角野卓造さんが湯船から出てくるシーンは板尾係長以来の爆笑シーンで顔面アップの破壊力は強烈だった。
人間は歳をとると赤ん坊に戻るというというが、角野さんのツルッとした顔が赤ちゃんのようで、取り上げた赤ん坊を産湯に浸け、自分も最期はお湯を掛けられるという輪廻の様な設定についてはよく考えられているなあと思った。
鑑賞後の湯をリザーブしておくべき
銭湯LOVEなこの映画を観てお約束だが風呂に入りたくなった訳だが、よく考えれば銭湯って入ったこと無いな。アラフィフの私が幼少の頃は当時では珍しくなってただろうけど家は五右衛門風呂だった。また家から1分もかからない処に銭湯があったが(子供の頃に廃業された)大人がいっぱいいる印象でいい覚えがない。
最近サイコロきっぷで温泉に行って旅館の露天はもちろん良かったが、旅館前の総湯が地元の人が集まっていて皆さん顔馴染みなんだろう挨拶を交わされていて活気があり(なぜか入れ墨の人が多かった)、寺島進や柄本明のような貫禄を持った方が多く、ややビビりながら湯に浸かった。湯の温度も熱めが好きな私でもかなり熱く感じる湯温で、この映画の銭湯の雰囲気に近く羨ましく感じたのを思い出した。
生田斗真はNHKドラマの『大河ドラマが生まれた日』でも感じたが、ノスタルジーを感じさせる、ちょっと抜けたところがある明るい主人公を演じさせれば、今は右に出る者はいないのではと思わせるハマりっぷりだ。
銭湯に行きたくなるねー
心も温まる!
銭湯好きの方どうぞ〜
感動するけど突っ込みどころも
公開のタイミングで福岡の老舗旅館のやらかしが現実世界で起きてしまう。タイミングが良いのか悪いのか。見解を「かけ流し絶対主義」の人に尋ねたい。
クリス・ハートと天童よしみの関係なんてちょっとうるっときたし、茶屋のおふろとか老夫婦のくだりとかほっこりして良かったと思う。
けど、話の途中途中で挿れられる「湯道」あれはいらなかったなぁ。
代替わりする度に作法が追加されるってめんどくさいと思う。
タオル巻いて湯船に浸かるのはいいのかい?
湯道じゃないけど、サウナでスマホ使って通話するのもいいのかい?
昔ながらの日本の良さを感じれる映画。
お風呂が沸きました🔥わ
銭湯を舞台にしたコメディと思いきや、タイトルどおり「湯道」という宗教というか、道場がフィクションされているとは思わなかった。冒頭に黒人の少年が大人になって刑務所の風呂のシーンに切り替わるところが、最高に笑えるつかみだと思った。でもラストにこの大人になった少年と母親が男湯と女湯を挟んで、見事に締めてくれました。銭湯含め、周りの街のセットの雰囲気の昭和感がとても良かった。銭湯前のラーメン屋がとても気になったが。まあよくもこれだけのキャストをひとつの作品に放り込んでくれましたね。好きな脇役の俳優さんたちがたくさん出ていて嬉しかった😃しかもそれぞれがいい味出してるから、バイプレイヤーが映画を支えてるんだなと改めて感じる作品でした。コン❗️
いい幸せにしてくれる、映画観ました‼️
ビバノンノン!
なんかイマイチ
父が遺した銭湯、まるきん温泉に戻ってきた建築家の三浦史朗は、店を守ってる弟・悟朗に、銭湯をたたんでマンションに建て替えると言った。郵便局員の横山は、湯道に魅せられ、湯道会館で家元から湯を学んでいた。定年後は退職金で自宅に檜風呂を導入したいと考えていた。そんなある日、悟朗が入院し、いづみの助言もあり、史朗が弟に代わって数日間だけ店主を務めることになった。
風呂の話なのでもっと色っぽいのかと思ったけど、そんなシーンはほとんどなく、体育座りで風呂に入る橋本環奈くらいか。
アクションもなく彼女の良さを全く感じられず。
その他、めるるは可愛かったが、戸田恵子、天童よしみ、など年配の出演者での風呂のシーンもあまり映えなかった。
生田斗真、濱田岳も普通。
寒いギャグを飛ばす角野卓三なんかもイマイチだった。
湯〜メークミーハッピ〜
全ての道は湯に通ず
茶道や華道は知っている。
でも、湯道って…?
その名の通り、湯の道。
入り方一つ、湯道具一つに極意あり。
湯に浸かり、己を知る。悟る。その道を行く。
極めし道、極めし者。
高尚な会館、家元、教えを乞う者たちもいる。
全ての道は湯に通ず。
奥深き湯道。
…な~んてのは冗談。
『おくりびと』の脚本家・小山薫堂が提唱する架空の道。お風呂愛好家だそうな。
でも見てると、本当にありそうと言うか、本当にあってもいいとさえ思えてくる。
だって、
日本人は湯に浸かるのが好き。
お風呂、銭湯、温泉…。
歌にだってある。♪︎ババンババンバンバン…
映画にも。『テルマエ・ロマエ』『湯を沸かすほどの熱い愛』『わたしは光をにぎっている』。『クレヨンしんちゃん 爆発!温泉わくわく大決戦』や『千と千尋の神隠し』だってそう。
かく言う私も、1月の誕生日に休暇を取って温泉に一泊するのが自分へのご褒美。
湯の温度はぬるいのは勿論ダメ。熱すぎるのもダメ。
ちょっと熱いくらいがちょうどいい。
最初は熱い。でも、“(句読点の)ああ~”に耐えた後の“ああ~”。
身体を、心を、至福が包み込む。
ゆっくり湯に浸かった後は、湯上がりのビールもしくはコーヒー牛乳。冷たい水もいい。
そして、美味しいご飯。
ああ~、日本人で良かった。
日本人なら全員、この気持ち分かるでしょう!
日本人皆にある、それぞれの湯道。
さて話の方は、日本映画らしい王道と人情と群像劇のちょうどいい湯加減。
とある昔ながらの銭湯“まるきん温泉”。
東京で建築家をしている史朗は仕事に行き詰まり、実家の銭湯をマンションに建て替えようと考え、帰郷。
経営者だった父親が亡くなったばかりで、弟の悟朗が継いでいた。
無論、衝突。帰って早々喧嘩。が、ボヤ騒ぎで悟朗が入院し、史朗は銭湯を切り盛りする事に…。
この兄弟と、銭湯が大好きな看板娘のいづみの3人を軸に、
お風呂が大好きで、湯道にハマっている中年男性。定年後は自宅の風呂を檜風呂にしようと思っているが、家族は反対…。
近所の常連客たち。食堂の夫婦、いつも仲良く浸かりに来る老夫婦、一番に入りに来て歌を歌う中年女性は息子の帰りを待っている。その息子は…。
謎の風呂仙人。
いい湯に水を差すような温泉評論家。
そして、湯道の家元。若き師範。
一癖も二癖もある豪華なキャストが湯に浸かる。
似ても似つかないけど、やり取りは絶妙な生田斗真と濱田岳の銭湯屋兄弟。
橋本環奈が番台に立つ銭湯なら毎日行くで!
小日向文世、寺島進&戸田恵子、笹野高史&吉行和子、柄本明らはこの銭湯屋の住人にぴったり。
天童よしみもクリス・ハートもいい湯に浸かって美声を聞かせてくれる。
善人ファンタジーの中で、吉田鋼太郎はさすがの憎まれ役。
温泉評論家や名字研究家などおじさん連中の扱いが上手い朝日奈央。
唱える湯道は至って真面目なんだけど、角野卓造も窪田正孝も時々シュールに見えてくる。
おや、“湯婆婆”も。
キャストの豪華さは監督が支配人を務める殺人ミステリーホテル級だが、あちらがきら星の如く豪華絢爛なのに対し、こちらは味がある。
ホテルから銭湯へ。古びた銭湯の内装にも味がある。
“わ”と“ぬ”の意味、桶合図…銭湯うんちくも愉快。
人は何故、風呂に浸かるのか。
風呂は心の洗濯。浸かれば、しがらみも確執も悩みも綺麗さっぱり。
人は何故、お風呂が好きなのか。
裸になれば、人は皆同じ。性別も肩書きも身分も国籍や人種だって超える。これぞ“裸の付き合い”。成分なんかより尊いものがある。
人は何故、風呂に浸かると身体も心もあったまるのか。
天から授かった水。自然から授かった薪。それを人の手で沸かすから。
手間隙かけて苦労した分、尚更。格別。
たかがお湯。されどお湯。だけどお湯には人それぞれの思いが込められており、だからあったかい。
お風呂で人を幸せにする。
お風呂は人を幸せにする。
お風呂が人を幸せにする。
昔ながらの銭湯を見掛けなくなってきた。あるのは全国チェーンの銭湯くらい。
銭湯は遺物か。
確かに湯に浸かるの最上位は温泉だろう。
自宅のお風呂は最も手っ取り早い。
でもでもでも、
温泉なんてそう易々とちょくちょく行けやしない。
自宅の風呂じゃちょっと狭い。
そんな時足を伸ばせるのが、銭湯。
いい湯に浸かれば、身体も心もあったまる。
そうして繋がる人と人。
それもまた湯道。
いや、それこそ湯の道の極意なり。
自然と歌を歌いたくなる。上を向いて歩き、湯はマイ・サンシャイン。
自然と駄洒落だって言いたくなる。
いい湯だな。
いい映画だな。
さて、銭湯に行こうかな。
湯道を見てそのままお風呂へ寄り道せずに入ろう
常連さんと1軒の銭湯を通して、いくつかの小さな物語が1つの物語に発展していきます。毎日の小さな楽しみがあることで、今日も一日頑張ってよかったと思い、明日も頑張ろうと思うようになります。自分への小さなご褒美は何かは自分で決めることである。湯に浸かることが楽しみな登場人物たちが自分の物語を持っており、常連さんばかりですが、常連さんの理由が分かるような物語を持ってあります。シアター内の明かりが点いた瞬間お風呂に入りたくなりました。銭湯は地味な仕事のように見えますが、その中にも温度や設備、風呂上がりの牛乳などこだわっているポイントがたくさんあります。そこで新しい物語が生まれ、思い出となっていきます。日本の名俳優、有名な方々がたくさん出演している映画ですが、彼らのさりげない日常をただひたすら楽しむ映画でした。まるきん温泉のお客様の人間性のよさと家族愛と人間愛が素晴らしいですね。さすが、同じ銭湯をハマった常連さんだけありますね。私たちが日々当たり前に生活の一部で行っていることや有難み、小さな楽しみの起源は自然にあります。今考えてみれば、水や太陽にありがとうと言ったことなかった気がします。細かい設定や小道具(美術)までへのこだわり、エンドロールのこだわりが鈴木監督の世界観そのものでした。感動と涙と笑いが混合していて、新しい整い感覚を体験できた映画でした。そして、つまらない毎日で何を楽しみ、何を極め我が道にするのかはあなた次第(you do)ですね。
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