「ややセリフが丁寧ではないかな…。」ステラ SEOUL MISSION yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
ややセリフが丁寧ではないかな…。
今年325本目(合計600本目/今月(2022年11月度)12本目)。
合計で600という一つの大台にのりました。
今後ともよろしくお願いいたします
さて、こちらの映画。
友人が高級車で逃げたという話が出たところ、主人公にまでその疑いが出てきたため、「今時」50km/hしか(設備的)出せないという車でおいかける、という趣旨…のはず。
ところがそれだけならまだしも、このおんぼろ車、音楽が勝手になったりランプが勝手になったりと故障しまくりの「面倒な」車だったりします(この点についてはラストで回収があります)。いい年して涙が出たのはいついらいだろう…?
韓国映画はつくりがすごくて、予告編などで結構詳しく書いてくださりますが、実際の放映ではそうした予告編からわかるのは3割くらいで、あとの7割は「多分誰もわからないよ~」という部分が待っています。アクションものだったり、「実は裏の裏のボスがいました」みたいな展開ですね。ただ、基本的に「ジャンルだまし」ということはないので大丈夫です。
単に「車の追いかけあい」と思えば、実は「その車には別の人も興味を持っている」事情があって、おいかけあいにさらに車が1台追加されたり、また「いろいろな事情」で自分の父親の葬式に良い考えを持っていなかった主人公が、最後近くになってあかされる「この自動車と父親の深い深い関係」でまた涙が…。本当に韓国映画って涙もの好きですね(いい意味で)。
それだけだと、ただの「オンボロ車のお話?」と思いきや、実は車の中に「あんなもの」や「こんなもの」を入れようという人もいたようですが…。おおっとネタバレはそこまで。ぜひぜひ作品に行ってくださいね。
この映画は特異な減点要素があります。
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(減点0.3/日本の法律系資格持ちが混乱する)
・ まず、日本と韓国は民法の範囲では、親族相続は大きく変わっていますが、2022年時点では「基本的には」同じ構成が取られています。
まずこの映画で何度も出る「譲渡証券」(を渡すとか渡さないとか)って何なのだろう…。それが車の話にもかかわってくるんですよね。
日本でも韓国でも、ある契約を結んだり、ある物権変動を生じさせるために何かもらったりもらわれなかったりということは今は少ないですが残ってはいます。ただそれらの大半は「根保証」といった特殊な分野ばかりで、現在では「紙(や電磁的媒体)に書いておかないとダメ」という条文は日本からも韓国からも民法はどんどん消えています。
日本でも韓国でも、物件の権利変動(や、対抗要件)に「証券」はかかわってこないからです。それどころか、これよく考えると「何の証券」なのかも不明だったりします。
この「証券」の話は最初に2回くらい出ますが、「結局は」この証券をめぐっていろいろな人が複雑な利害関係に立たされてしまう…一面もあります。ここはちゃんと説明したほうがよかったかなぁ…とは思えます。ただ、映画内ではこれ以上出てこないので(かつ、法廷ものでもないので、法廷も法律名も出ない)…。いろいろ謎はあります。
おそらく韓国の「民法の細かい規定」や「民法の特別法」(日本では、失火責任法等が民法の特別法)等で定まっているのではないか…とも思えますが、それはそう書かないとわからないです。
こうした点が全体をわかりにくくしている点はどうしてもあり、それはそれでどうかな…と思ったところです。
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