劇場公開日 2023年3月17日

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「きつかった」The Son 息子 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5きつかった

2023年3月24日
iPhoneアプリから投稿

自傷・自殺衝動のある鬱病になってしまった息子と、親はどう向き合えばいいのか?というテーマゆえ、けっこうきつい。
ニコラス役のゼン・マクグラスの不安定な少年の演技はよかったものの、鬱の描写が少し昔のイメージで、医学監修が入っているか疑問を抱きました。
精神疾患にも様々な種類があるので、鬱とひとくくりにしてはだめだし、対処法が多岐にわたるんですよね。

離婚して母子家庭ゆえに母親は働きづめで家にいない。
代わりにと預かった男親は、仕事人間でほとんど家にいない。
真面目で優しい人間ほど、自分が悪いんじゃないかと自らを追いつめ、孤独感に苛(さいな)められる。
「生きている状態がすでに最大限頑張っている」という状態だと理解し、寄り添い、そばにいることが重要で、一瞬でも目を離してはいけないし、それが無理なら医師に全面的に任せるしかない。
なのに、これだけは「やっちゃダメ」「言っちゃダメ」ってことがあるんですけど、これをヒュー・ジャックマンが演じる父親が繰り返す。
「できて当たり前」「学校に行っていい人生を歩め」「なぜできない?」「頑張れ」
など追い詰めていく。
父親のきつい言葉は愛情の裏返しではあるのだが、それによってどんどん症状が悪化していく。

それを観客として、なにもできず見てるだけという体験を味わう羽目になるという。

うわーーーって叫んで席を立ちたい衝動を、このクソ親をウルヴァリンが切り裂いてくれるに違いないという妄想で乗り切りましたが、気持ちのいい内容ではなかったな。

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コージィ日本犬