「初のイラン映画」熊は、いない N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
初のイラン映画
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熊はいない。
が、いることにすれば生きて行ける皮肉。
恐れるに足りないが、恐れているフリをしている。
国境の際で、あざとく生きる人々を言い得ているような気がしてならない。
初のイラン映画。
センセーショナルなところはないが、その分逆にジワジワ、ずっしりくる。
悔しいのはイランという国に明るくないおのれの無知か。
しかしながら伝わってくる「雰囲気」はあった。
生活のため国境を越えて密輸が必要だからこそ、目をつけられないため善良な村人、村を演じなければならず、一方で自由を得ようと国境を越えた若いカップルは撃ち殺されるというどうしようもない成り行き。
健全からは程遠く歪んだことが起きているが、何をどうすれば良くなるのか分からない。
分からないから監督もこの作品を撮ったのではなかろうか。
それだけははっきりと理解できた。
世界は広い。
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