「この痛々しい世界に生きている私たち」イニシェリン島の精霊 カレーか豚カツかで悩むアラ50さんの映画レビュー(感想・評価)
この痛々しい世界に生きている私たち
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嫌なことされてるなら仕返しする流れなら理解できるけど、そのベクトルを自分(ブレンダングリーソン)の左手の指に向け、さらに、その指を相手(コリンファレル)の家の扉に叩きつける所業は常軌逸するぐらいでは済まされない。
投げつけた指爆弾が更なる悲劇を生み、指を投げつけられた相手は指爆弾の友達の家を焼く。からの雪解けというか、一次停戦。
一見穏やかな小さな島には、暴力、虐待、セクハラと争いに繋がる種が散りばめられている。イニシェリン島でこうだから、東京ぐらいのサイズ感なら至る所で火を吹いてるってこと。この不幸なループを断ち切るためには、いっそ他人との関係をほどほどにした方が良いのかもと、複雑な気持ちになった。
(鑑賞後10日)——————————————
その後、様々な情報に触れて、この作品までのコリンファレルとブレンダングリーソンの歩み、同性愛、土地柄、知識と無などを知ると、作品が立体的に立ち上がってきた気がする。観終わった後に楽しみ方を知る作品かも。
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