劇場公開日 2023年1月27日

「●評価できる点はわずかに2つ。1つは、実際のアイルランドの諸島で撮...」イニシェリン島の精霊 Minoruさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0●評価できる点はわずかに2つ。1つは、実際のアイルランドの諸島で撮...

2023年1月30日
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鑑賞方法:映画館

●評価できる点はわずかに2つ。1つは、実際のアイルランドの諸島で撮影された風景の荘厳さ。見渡す限りの海から荒涼とした岩盤層の大地まで、頻繁に差し込まれる絶景には目を見張る。時代考証と再現度が完璧であると称された、当時の孤島における生活様式や建造物の数々やセーターにも感服した。
●ヒューマンドラマに肝要な演技と表情も凄い。主役の情けなさとやりきれなさの様子、友人の気難しい苛立ちの様子、妹の強気でハツラツとした様子、若者の無教養かつ落ち着きのない様子。それぞれが見事に演じきられており、そればかりはいつまでも眺めていられる要素だった。各男優賞・女優賞にノミネートされるのも納得。

▲もうとにかく全編にわたって暗い、不快、気味が悪い。「アイルランドの内戦と親友同士の仲違いを重ねた」という触れ込みであったが、結局のところ意味不明。ただただ、本国から遠く離れた過疎地における、性悪あるいは奇人の老害たちの理不尽な言動を見させられる。そして、それに振り回される嫌悪感や、田舎特有の無力感を2時間ひたすら描写しているだけの作品である。
▲あまりネタバレをしたくないので多くは明かせないが、結末とその後も「観客のご想像にお任せします」というハッキリしないタイプ。鑑賞後の満足感など皆無。「マーティン・マクドナーらしいブラックな笑い」とかもう冗談じゃないし、クスリともできないただのブラック映画だった。この作品を絶賛している評論家を私は今後一切信用しない。
▲前述の2つの評価点による見どころがあったので最低評価の星1には断じないが、はっきり言って時間の無駄だった。そればかりか鑑賞の記憶を消したいくらいの負の感情が残った。「アカデミー賞候補」の宣伝文句につられて、私のように損をする人が一人でも少なくなるよう書き残しておきたい。わざわざ映画館に訪れてまで観る価値はない。いつか無料配信で眺めれば十分だし、それすら不要かも知れない。

※制作費…2000万ドル(推定)

Minoru
けはえさんのコメント
2023年1月31日

同意します。私もそのような評論家を一切信用しません。

けはえ