バルド、偽りの記録と一握りの真実のレビュー・感想・評価
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傑作👏👏👏
もうめっちゃくちゃサイコー‼‼️️😆👏👏👏。こんなに素晴らしい映画はなかなか体験できない‼️イニャリトゥ監督作品では間違いなくベストだし、おれが今年観た映画でもベスト1かもしれない。3時間弱の長尺が短く感じるほど引き込まれっぱなし。そしてあまりの感激にエンドクレジットでは音を消してひとりシッティングオベーション👏😁。イニャリトゥ監督最新作とくれば無理をしてでも劇場に観にくるし、Netflixの配信での鑑賞はもったいない😅。でも映画館で観られてよかったー。アバウトな期待を遥かに上回る出来に興奮がとまらない💓。そんで本作はフェリーニの8 1/2のような監督自身の赤裸々で自伝的モチーフであるばかりか雰囲気もフェリーニに似ているのよ😆。でもイニャリトゥ監督のオリジナリティに満ちていてバードマン的でもある😁。まあおれの感想も意味不明だけどこの映画も相変わらず安易ではない。ピカソの絵画を観るようになにも考えずに鑑賞しないとまったく共感できないと思うよ。というか映画でここまでの可能性の広さと未来性を感じたのは初めてかもしれない。とにかくとてつもない映像‼️もはや人間業を超えてないか?笑。何もかもが圧倒されましたー‼️😆。本作が今の期間だけの劇場公開というのはもったいないね。キネマ旬報シアターにて鑑賞
イニャリトゥ監督作品にしてはこちら側とのシンクロ率が高い作品
イニャリトゥ監督作品の中では比較的わかりやすい方だと思います。相変わらず長いけど。
主人公はジャーナリスト兼ドキュメンタリー映像監督で、メキシコをルーツにしながらも生活の主体は北米にあるおっさん。
イニャリトゥ監督作品は多分全部観てるはずですが、この監督のこと自体はあんま知らんです。でも多分、結構自分自身のことを話してるのかなと。
北米を含む世界で成功し、生まれ故郷の誰もが絶賛すると思いきや、友人からはメキシコから逃げたお前なんてクソだみたいなことを言われたりする。
ついでに息子からもメヒカーノともアメリカンとも言えない身分をディスられる。
この息子の話は空港のとある場面に対する伏線にもなってますが、さすがはイニャリトゥ監督。速攻伏線回収しないところがニクいです。まあ単に全体的に長いだけなんすけど。
なお、今作は映像的にわりと笑える場面が多かったりします。
ただし、最近妻子にないがしろにされてない?俺、という人にとっては結構刺さります。なかなかに致命傷を負います。
そんなわけで、わりと難解な作品の多いイニャリトゥ監督作品にしては、結構シンクロ率が高かったです。
あと、これネトフリで公開されるようですが、結構映像もトリッキーで深かったりするので、ホームシアターの設備が無い人はなるべく映画館でご覧いただく方が良いかと。
まるでメキシコ版の『バードマン』だなぁ
難解で全く解らない、
それはそうなんだ。
メキシコ、移民、植民地、貧困、餓鬼などを経験した日本人は数少ない。
現在の日本において異邦人としてのカントリー・アイデンティティ欠如は自己存在の不安や葛藤を理解出来ない。
きっと今日のグローバルな時代の異邦人の立場がバルド中陰(ちゅういん)となれるのかも知れない。
世界を俯瞰しながらフワフワと漂っているかのような感覚の余韻がずっしり残るタイトル通りの作品
ロサンゼルス在住のジャーナリスト、シルベリオ・ガマはその活動が母国メキシコで認められてある賞が授与されることになるが、帰国の過程で奇妙な体験をすることになる。
幻想的なカットで始まったかと思えばいきなりスラップスティックなギャグがブチ込まれ、その後も日常風景の中にシュールな映像が紛れ込んできて正直混乱してきますが、それらの映像がどれも滑稽かつ重厚でひたすら圧倒されます。そうして積み上げられた不思議な体験が主人公の過去に対する忘れ難い悔恨や苦悩に根ざしていることがクライマックスで提示され、タイトルがまさしく本作を端的に表現していることを知らされます。
“バルド“とは仏教における中有、すなわち生と死の間の状態のこと。世界を俯瞰しながらフワフワと漂っているかのような錯覚は幽体離脱を疑似体験させられたと形容してよいかと。鑑賞後に残る何とも形容し難いずっしりとした印象は『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』とどことなく似ていて、イニャリトゥ監督の強烈な作家性に改めて驚かされました。
人生は、ままならない。
東京国際映画祭の舞台挨拶にて、イニャリトゥ監督は「理論スイッチをOFFにして、感じてみてください」と語った。
その言葉の通り、本作は理解しよう、分かろうとする映画ではない。本作の主人公はジャーナリストであり映画製作者。現実と夢の世界を往来する様子は“映像の魔術師”フェデリコ・フェリーニ監督の『8 1/2』を考えずにはいられない。
米国が誇るアカデミー賞で2度監督賞を受賞したメキシコ出身のイニャリトゥ監督にしか描けない内省的で半自伝的ともいえる本作。言ってしまえば、万人向けの映画ではなく、理解しようとすると退屈に感じてしまうのは間違いない。(実際、睡魔に敗れた人も少なからずいた)
しかし、制作まで6年を費やし、65mmフィルムで撮影された映像の美しさは言うまでもなく素晴らしい。(撮影監督は『愛、アムール』『ミッドナイト・イン・パリ』のダリウス・コンジ)
『バードマン』のワンカットのシームレスな映像、『レヴェナント』の自然光のみの撮影、それらを組み合わせたような『バルド』のルックは、浮遊感のある独創的で美しい映像体験をもたらしている。夢と現実を行き来する様子は、さながら監督の記憶の中を旅している感覚だ。
チベット仏教の教典「チベット死者の書(バルド・トゥ・ドル・チェンモ)」に由来すると言われるタイトル。「バルド」とは、死んだあと輪廻転生して新しい命が宿るまでの「中有(日本でいう四十九日)」のこと。まさにその精神世界を映像で表現していると考えると、一人の人間の魂と同化したような感覚だ。
「成功が私の最大の失敗だった」
偽りの記録からみえる一握りの真実。人生はままならない。フェデリコ・フェリーニは『8 1/2』で「人生は祭りだ。共に生きよう」と締めくくった。後悔に満ちた『バルド』だが、そんな人生でも「あなたがいなくなったら寂しい」と言われたようなイニャリトゥ監督の人間讃歌を感じた。
余談だが、会場となった有楽町よみうりホール、非常灯が煌々と輝き、暗い場面の多い本作のため、非常に見づらい環境で残念だった。本作、一部劇場公開でNetflix配信がメインだが、ドルビーシネマなどの環境でこそ観たい映画。公開は一部劇場のみだが、Netflixで本作を楽しむのは厳しい気もするのが本音だ。
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