「世界を俯瞰しながらフワフワと漂っているかのような感覚の余韻がずっしり残るタイトル通りの作品」バルド、偽りの記録と一握りの真実 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

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採点

5.0世界を俯瞰しながらフワフワと漂っているかのような感覚の余韻がずっしり残るタイトル通りの作品

2022年11月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ロサンゼルス在住のジャーナリスト、シルベリオ・ガマはその活動が母国メキシコで認められてある賞が授与されることになるが、帰国の過程で奇妙な体験をすることになる。

幻想的なカットで始まったかと思えばいきなりスラップスティックなギャグがブチ込まれ、その後も日常風景の中にシュールな映像が紛れ込んできて正直混乱してきますが、それらの映像がどれも滑稽かつ重厚でひたすら圧倒されます。そうして積み上げられた不思議な体験が主人公の過去に対する忘れ難い悔恨や苦悩に根ざしていることがクライマックスで提示され、タイトルがまさしく本作を端的に表現していることを知らされます。

“バルド“とは仏教における中有、すなわち生と死の間の状態のこと。世界を俯瞰しながらフワフワと漂っているかのような錯覚は幽体離脱を疑似体験させられたと形容してよいかと。鑑賞後に残る何とも形容し難いずっしりとした印象は『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』とどことなく似ていて、イニャリトゥ監督の強烈な作家性に改めて驚かされました。

よね
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