ボーンズ アンド オールのレビュー・感想・評価
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恋愛要素も多々あるが…やはりエグい…
「君の名前で僕を呼んで」で一目惚れのルカ・グァダニーノ監督作品ということで鑑賞。
「サスペリア」で、あれっ…て感じがあったし、本作もジャンルがホラーなので、どうなの!?…て感じだったが、それでも期待満々で鑑賞してしまう。
結果「サスペリア」ほどではないにしろ、やはりかなりエグい。映像はきれいだし、一見すると普通のロードムービー的でもあり、所々でホラーとは思えないほどの平和なシーンが繰り広げられるので、これは好きかも!?と思うのも束の間、結局そんな淡い期待は大きく裏切られ、とどのつまりエグい。食欲げんなり必須。
かなり創り込まれた作品だし、役者陣の鬼気迫る演技も大いに評価できるものだとは思うのだが、やはり個人的には2度は観られないというのが正直な感想かな。
個人的には、ルカ・グァダニーノ監督には美しい作品を求めてしまう。
感想メモ
ティモシー・シャラメが好き
血まみれでセクシー
人喰い、という種族が曖昧が故の良さあると思う
その代わり、吸血鬼がハンターから逃げるみたいな緊迫感はない、サリーはそれの役目か
孤独な老人に生半可な覚悟で近づくな
ブロンドの髪だけで最悪がわかるの良い
愛する人に骨まで捧げたい
私失恋なんてこの世界ではちっぽけな出来事
この世界では、私の愛や恋なんてちっぽけで、
宇宙規模で見ればそんなこと無かったのと同じことなんだよ。
子を産まなくちゃいけないなんて誰が決めてるんだか。
殺されることだってあるのに、産んだだけ人口が増えるなんてどうして信じていられたんだろう。
人を食べたい衝動が残酷で、それでも愛し合っている姿が美しかった。
2人でいたって孤独では仕方ないと、2人で街に暮らすのもいい。
因みに、我に帰ると急に倫理が襲ってきます。いい?この世界に殺していい人間なんて居ないのですアンダスタン?
勝手ながら先日恋人とお別れをして、傷心な中この映画を見たわけだが、なんかこんなに愛し合えていたかって言われたらそうでもねぇや。ポテチおいしい。
まぁ、それでも死ぬほど幸せになったり、死ぬほど辛くなったりするのは生きてるからなんだろう。
ハッピーエンド
鑑賞後の気持ち
まあ理解できない。できていいものじゃない。でもグロさに嫌悪感はあるけれど、彼らに対しての嫌悪感はそれほどない。
食欲が呪われると幸せになれない。三代欲求の一つである食欲が呪われたのが彼ら。多分性欲が歪むと幸せになれない。睡眠欲が歪むというのはイマイチピンとこないが。
仮に狂ったおっさんの襲撃がなくても、多分どっかしらで限界が来て、普通の生活はできなかった。
ここまでがストーリーの感想。
映画としては全く面白くない。
抑えられない衝動に悩む少年少女。誰からも理解されない自分たちの悩み。それを表現したいんだとしたら、この結末はいかがなもの。あのおっさんはなにを表現している?
何もかもが意味不明。意味不明を面白いとできない俺からしたら、この映画は面白くない。
鑑賞後の心の変化
なし
鑑賞後の行動の変化
なし
好きなシーン
なし
嫌いなシーン
グロいシーン
おっさんシーン全般
骨の髄まで僕を愛して
平凡な18歳の少女、マレン。
父親と二人暮らし。引っ越しが多く、この地も引っ越して来たばかり。
友達も居なかったが、親しくなった同世代の女子らに誘われ、父親に内緒でこっそり家を抜け出し、お泊まりへ。
楽しい時間も束の間、マレンが信じられない行動をする。
自分でも分からぬ衝動に駆られ、一人の少女の指に食らい付いたのだ…!
事情を知った父親はマレンを連れてすぐさま引っ越し。
一体、自分は何者…?
やがて父親にも捨てられ、残された出生証明書やカセットテープから初めて知る。
マレンは幼い頃から人食の嗜好があった…!
“カニバリズム”を題材にした衝撃作。
ホラー映画ではたまにある題材だが、本作もホラーテイストでありつつ、異色作。
父親に捨てられ(娘を育てるのに失敗したと自責の念から)、存在を知った母親を探す旅に出る。
一人の少女のアイデンティティーや彷徨を描いたロードムービー仕立て。
行く先々で出会ったのは…
ある町で声を掛けてきた一人の初老の男、サリー。
彼も人食者。初めて出会った自分以外の自分と同じ人。
人食者は普通の人や同族も食らう事あるが、自分は同族は食しないという。
マレンに同族の匂いや他にも同族がいる事、血の匂いなどを教える。
招かれた屋敷で瀕死の老婆を食らうサリー。
生きている人を食らう事に抵抗を感じるマレン。絶命してからはその衝動を抑えられず…。
食べた相手の髪の毛をコレクションしているサリー。
その異様さや不気味さに不快感を感じ、マレンは去る。
そんなマレンを見つめるサリー…。
また別の町。スーパーで店員の目を見計らって万引き中、横柄な態度の男の相手をする一人の青年。
スーパーから出た人目に付かぬ所へ。やがてその青年は口や身体中に血が。
この時マレンは“匂い”で分かった。彼も人食者。リーと名乗る。
彼と共に行動。
自分に近しい世代。彼も何処か自分と同じく、孤独や彷徨を感じる。
そんな二人の間に芽生え始めていく感情…。
この二人の出会いが本作の主軸と言っていい。
カニバリズム・ホラー×ロードムービーに、同じ秘密を抱える若い男女のラブストーリー。
ルカ・グァダニーノ監督とティモシー・シャラメの『君の名前で僕を呼んで』タッグが、まさかカニバリズム題材の作品を撮るとは…!
確かに際どい題材でグロい描写もあるが、それ見世物のゲテモノホラーなどは撮らない。(それが見たかった人には期待外れだろうが)
あの繊細な作品を手掛けた二人だけあって、本作も若者の葛藤や内面を瑞々しく描き取る。
そして今回も一筋縄ではいかない愛の物語。
美しい映像やセンスのいい楽曲も。
意外過ぎる題材ではなく、ちゃんとこのタッグならではの作風。通じる点もあり。
所々退屈や冗長も感じ、題材やグロ描写から好き嫌いは分かれそう。
多くの方はティモシーくん目当てだろう。またまた難しい役所を、色気や魅力、儚さや実力たっぷりに魅せる。
実質主役は、マレン。孤独や苦悩、複雑な内面…。リーに心惹かれる一人の少女として。己の運命と相対する。
これまた難しい役所を、注目株テイラー・ラッセルが熱演。大躍進。
若い二人の難演もさることながら、マーク・ライランスが不穏さと圧倒的存在感の怪演。出番は序盤だけではなく、終盤でも印象放つ。
道中、またまた人食者と出会う。サリーの言葉ではないが、同族は多くはないが思っている以上にいる。
その青年ジェイクから人食の中でも“フルボーンズ”の存在を聞かされる。人肉だけではなく、骨の髄まで食べ尽くす事。
人食に中毒なりつつあるリーにその傾向あると危惧。
旅の目的であるマレンの母親の元へ。そこは施設で、母親も人食者だった。自分で自分の腕を食らい、気も触れ、娘さえも食らおうとする。
ショックを受けるマレン。リーと思わず口論。
リーも家族との関係でぎくしゃく。
すれ違いから別れる。
リーは父親や妹と改めて対し…。
マレンもまた一人に。
その後再会。普通の人々と同様穏やかに暮らそうと始めた時、マレンの前にサリーが現れ…。
ずっとマレンを追っていたサリー。孤独だった自分に安らぎを与えてくれたマレンに横恋慕し、異様に執着。
襲い掛かられ、そこをリーが助けに入り、サリーを殺すも、リーも重傷を負う。
あまりにも深手。助かる見込みも薄い。
意識が遠退く中、リーは言う。
僕を食べて。骨の髄まで。愛しているなら。
一般の思考や常識では分かり得ない。
でももし、我々の常識を越える存在があるとしたら…?
我々の思考や常識では計り知れない形もあるかもしれない。
食らう。骨の髄まで。
それによって、君とずっと一緒。永遠に。
究極極限の愛の形。
これは狂愛か、激愛か、純愛か…?
彼の想いを受け止め、彼を我が身へ。
マレンのその後に思いを馳せられる…。
原作読み終わり
原作は父親探しの旅。旅の途中で出会う男2人組は出てこない。サリーはもっとマレンに影響を与えてくる存在。リーが決して主役じゃない、小説はマレンの青春物語といった感じ。最後は喰うことに躊躇しなくなる…喰いまくる。映画のマレンは喰うことに最後まで葛藤があるように見えた。映画はシャラメのリーを引き立たせて、たとえ喰われてもキラキラ青春純愛物に仕上げたといった感じ。
咀嚼するのに時間がかかる
稀に、咀嚼しきれない映画を見る事がある。まさに今回の映画はその類のものだった。想像しやすいストーリー、演技派ぞろいのキャスト、観客の情感を煽る数々の旋律。計算されつくされた美しさは、一見チープとも言えた。けれど、飲み込めない。心のどこにもつっかえないままに、映像は流れていった。
もちろんそれだけと言えばそれだけなのだけど。同じ監督の映画を見た際に似たような感情を抱いたので、少しこの気持ちを解きほぐしてみようと思い文字に書き起こしている。
人をくらうという事を軸としたこの映画は一体観客に何を投げかけているのか。正解のない日々にもがきながらも微かな幸せを、大切に大切に抱きかかえながら過ごす日々。その刹那の瞬きの中に何が隠されていたのだろう。
人は常に何らかの欠陥を伴い、孤独というものに鈍感であり、敏感だ。
一度自らの不足分を知ってしまったら、孤独に気づいてしまったら、あっという間に均一だったはずの世界は崩れてしまう。もう過ぎ去りし日々の思い出は散々に砕かれて、かき集めた愛しい日々はどろりどろりと指の隙間から滴り落ちていく。
脆くて愚かな人間は、ここでどうしようもない矛盾を抱える。
美しく生きたい。醜く生きたい。それは生に対するどうしようもない憧れと執念が生み出した魔物だ。誰しもの心に巣くうおどろおどろしく、気高い魔物。
私達はその片鱗を映画の中に垣間見たのではないだろうか。
骨ごと食いつくしてしまうことで得られる恍惚感。後には何も残らない。
白いシーツは真っ白で、風で柔く揺れる草原はおぼつかない。それが幻であれば。それが私の一部であれば。私はもっと強く生きていけるだろうか。この矛盾を愛しいものであると認めれば、もっともっと、私は美しくあれるだろうか。
これが私なりの映画の解釈だ。
最後の自問に対する答えはない。それは、これから生きていくうえで見つけていきたいことだ。
まさかカニバル映画で感動するとは…
ホラーではなく人食いによる純愛ロードムービーといったストーリー。
R18でゴア描写もしっかりあるが、ティモシー・シャラメの美しいビジュアルによって緩和されているのか鑑賞していて苦にはならなかった。
この作品は人食いを社会的マイノリティーとして描いていて面白い。
人を食べたいと思う衝動や食べることに対する苦悩が丁寧に描かれているので、だんだんと人を食べる人もいるのかと途中からうっかり受け入れてしまった。
ラスト リーがマレンに向けて言った「骨まで全部食べて」という台詞でタイトル回収。
ラストでしっかりタイトルの意味を回収し、またその行為が人食いにとって愛情表現の最上級の行為だと気づいたとき、妙に感動してしまった。
同族は食べないとタブーにしていた行為を最愛の人にしなければならないマレンのつらさ。最愛の人にだったら食べられてもいいと思うリーの愛。
マレンが泣きながらリーを食べるシーンはおぞましいのに、確かな愛がある感動シーンになっていた。
自己嫌悪の苦しみから解放される話
原作未読です。
ティモシーシャラメの人気の為か上映館は多いものの、この映画が刺さる層は広くなさそうです。
なぜなら、カニバリズムというテーマとホラー・スリラー的な演出、ロードムービーとしての脚本と表現、キャストの個性という映画の各構成要素がそれぞれ別ベクトルを向いているので、どれかを目当てに鑑賞すると「ちょっと思ってたのと違うかな......」となる可能性が大きいためです。
以下、主人公のマレンの視点を中心とした個人的な解釈です。
映画を見終わった後、「なんかよくわかんなかったな.....」.と思いながら読んで頂き、少し納得してもらえる部分があったら嬉しいです。
この映画のテーマと脚本に通底するのは「自分が存在を認められる(愛される)存在だと認めたい」というものです。
主人公のマレンは人を傷つけてしまうことで「自分は存在してはいけない(愛されることのない)人間では」という苦しみ(自己嫌悪)を持っています。父親から見放されたことでその苦しみはピークに達しますが、母に会うという目的ができます。「母=自分を無条件に肯定してくれる(愛してくれる)かもしれない人」というわけです。
サリーは存在が許されない存在(人食い種族)であることを受け入れ、それを前提として生きています。マレンがサリーと行動を共にしなかったのは、「人から愛されなくてもしょうがない、だって我々はこうなのだから」というサリーの考えに同調できなかったからだと思われます。
(単純に不気味なおっさんとのロードムービーは嫌だろという話でもありますが......)
リーはその点、マレンと似たような苦しみを持っている一方で、妹や母から「一緒にいてほしい」と願われていたわけで、マレンは家族からなんやかんや愛されるリーを内心うらやましく思っていたはずです。それはマレンがリーに惹かれた大きな理由と思っています。
(ていうかシャラメが目の前にいて親しくなれたら好きになっちゃうじゃんね)
※途中で出会う二人組は人食い種族であることを楽しんでおり、マレンやリーの苦しみを分かち合う存在ではありません。
結局母親からも殺されかけるというマレンにとって最悪な形で拒絶され、当初の選択に戻ります。
・人食い種族であることを前提として人を食べて生きるか(=サリールート)
・自分という存在を肯定してくれる人(愛してくれる人)と共に生きるか(=リールート)
当然ながらリールートになるわけで平穏な生活を送ることになります。
サリーとの乱闘の後、負傷したリーを食べることは
「愛してくれた人の血・肉・骨を取り込んで共に生きる」という意味を持ち、リーと過ごした時間とリーの血肉を以て、マレンは自己嫌悪の苦しみから解放されたという解釈をしています。
監督の手腕による映像の美しさや、キャストの個性の光り方が素晴らしいのは言わずもがなですが、
このカニバリズムをフレーバーとした一連の自己肯定の流れを美しいと思えるかどうかは観客の年齢や感性にも依存すると思っています。
年齢的には18-20歳前後の感性に最も刺さると思うのですが、R18指定ですしなかなか刺さる観客層は上映館の多さほど広くないのではないでしょうか。
あなた、匂いますよ。
結構、文学的。ちょっくらホラー感で、ふりかけ程度にサスペンス。基本は純愛で、何か切なくもありで。
これは良かったです。カニバリズムがネタって事で、半分スルー体制に入ってたビビりのワタクシでしたが、久しぶりのテイラー・ラッセルだし彼女が「少女役」にハマるのも、ここ数年だろ、って思うと「スルーするわけにはいかんだろ!」と勇気を振り絞って朝一観戦w
ハリウッドって、心象風景で映画を終わらせる、なんてのを許さないと思ってるんですが。「ザリガニ」と言い、コレと言い、アメリカに何が起きた?って考えてしまいます。
床に残った血痕。ベッドの下に残されたヘアバンドの「カケラ」。部屋は綺麗に片付けられ、マレンは立ち去った後だと分かります。
I want you to eat, Maren.
Bones and All.
リーの全てを食い尽くしたマレンの心象風景。原野を見下ろす低い峰に腰を下ろして、リーを抱え込む様に抱きしめているマレンは「生まれたままの姿」です。
旅の途中で出会った男の言葉。
Maybe, LOVE will set you....Free.
原作は未読ですが、この流れ・繋がりが、キッチリとしてて、シンプルだし美しいしで。
良かった。
とっても。
音楽・画・映像表現・役者さん・演出。全てがレベル高かったです。と言うか、スルーしなくて良かったよ、マジでw
1988年、米国東部の田舎町。 18歳の少女マレン(テイラー・ラッ...
1988年、米国東部の田舎町。
18歳の少女マレン(テイラー・ラッセル)には生まれつき、食人衝動があった。
これまで父親と国内を転々としていたマレンだったが、ある日、父親は彼女の前から姿を消し、ひとりで生きていかねばならなくなった。
残されたのは、父親の告白の録音テープと出生証明書。
出生証明書に記載された行方不明の母親の出生地を頼りに、マレンはかの地に赴く・・・
といった物語で、これまで自分一人だと思っていた食人衝動のある他の人間に道中出逢っていきます。
ひとりは、初老で自ら「サリー」と呼ぶサリヴァン(マーク・ライランス)、もうひとりがマレンに年齢も近い青年リー(ティモシー・シャラメ)。
観る前の想像では、抑えきれない食人衝動というのが、吸血衝動の焼き直しかしらんと、ジョージ・A・ロメロ監督の初期作品『マーティン 呪われた吸血少年』を思ったものでした。
たしかに、その路線の作品で、自らではどうしようもない衝動を抱えた思春期のマイノリティ。
その思春期要素は映画が進むに連れて若干薄まり、マイノリティ的部分が濃くなってきます。
リーと出逢ったのちに、二人連れの食人症の男に出逢いますが、片方は生まれながらの食人症だが、もう片方は異なる。
むむむ。
この登場をどう解釈すればよいのか。
そのような嗜好がなくても、なってしまう・・・
それは、許されることではないが、否定すべきことではない・・・
と、マレンのリーの道行は、少しばかり様相が変わってきます。
生きるためとばかりに(ということだけでなく歓喜のために)人を殺して食ってしまうリーには、ある種の無軌道な感じがします。
この無軌道感、どこかでみたような・・・
思いついたのは、テレンス・マリック監督『地獄の逃避行』、それと『イージー・ライダー』。
そうだね、この映画、遅れてきたアメリカン・ニューシネマの香りがプンプンするのよ。
(リーの妹が、リーを指して「男だか女だかわからない格好して」云々と言います。まさしく、そういう時代のニュアンス)
なので、残念なのが結末で、ストーカーじみたサリーに襲われて・・・というのは、アメリカン・ニューシネマじゃないんだよなぁ。
ここは、食人が周知されて、田舎町の住人に襲われて殺されてしまう、というのが納得的結末なんだけど。
(って、それって、モロ『イージー・ライダー』ですけど)
2時間超の長尺なれど、意外と退屈しませんでした。
どちらかといえば、結構好きな部類かも。
選考基準の見直しを求める!
まず声を大にして言いたいのは、
ターゲットを決める時の、
私のような単身者には超絶不利な謎の倫理観なんとかしてくれ。
長い人生の中で、食う気スイッチがONになるキッカケもよくわからないし、
「青春×ロマンス×ホラー×カニバリズム」
などと書いているところがあったが、
詰め込んだことによってなのか残念なことに、全方向で中途半端だと感じた。
メタファー云々と言われても、知らんがな。
「孤独」「マイノリティー」や「送電線」を含め、
ドストレートに来てもらわないとダメな鈍感人間には伝わってこなくて申し訳ない。
監督さんは『ポーの一族』を読んでみてほしい。久しぶりに読みたくなった。
いつも上半身を晒しているわりに一向に日焼けせず白っちいままの細っ子シャラメくん、
「僕64キロしか無いから」と言った瞬間、心の中で「でしょうねぇ〜!」。
もっと食べないと!
・・・いや、アカンアカン。
金髪ってだけで「ケイラを食べたのね!」ってなるマレンは、
ちょっと察し良すぎじゃね?
それにしても、出逢うべくして出逢ったという奇跡を見た。
マレンとリーではなくて、途中の「見る側の人」と「食べる側の人」。。。
ルールはそれぞれ
過激な題材をどう着地させるかが気になっていたが、率直に言うと煙に巻かれた印象。
序盤、(トイレシーンいるか?とは思ったが)マレンの衝動が溢れて旅立ちに至るまでの展開はスムーズ。
そこから、同族と出会いながらのロードムービーへ。
いくつかの交流を重ねる展開は丁寧ではあるが、マレンのスタンスが不明瞭。
人喰いを否定するでも積極的になるでもなく、悩みや葛藤の描写もあまりない。
死の近い人間を察知し食べるサリーからは逃げ、感じの悪い独り身を食べるリーと行動を共にする。
「勘が当たってるかより自分がどう感じるか」というのは理解するが、この二人は“ルール”が違うだけ。
若いイケメンの“ルール”に倣っただけにも見えてしまう。
終盤、穏やかな暮らしを選んだようにも見えるが、食人衝動はそんなに簡単に抑えられるのだろうか。
サリーは「より強くなる」と言っていたし、母親との邂逅は逃れられないことを示しているように見えたのに。
また、「骨まで食べる前と後」について言及されていたのに、食べたところで終わるのは肩透かし。
あの後どうやって生きていくか、その選択が見たかった。
リーの狂気と脆さを孕んだ美しさや、サリーの不穏さは良かったが、もっと踏み込んだものを期待していただけに、やや残念。
同族じゃなくてもティミーの香りは嗅ぎ分けたい
ティミーがカリバニズム?!
こりゃ必見!と楽しみにしていた作品。
ティミー主演にも関らず上映館は少ないのは
「食人」がテーマだからだろうが
実際、直接的な食人シーンはほぼない。
これをR18+にするとは彼の影響力も
考えられるのか?とも思う。
熱狂的で狂信的なファンがいそうだもんね💦
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食人=カリバニズムといえば
羊たちの沈黙のレクター博士と比較しがちだけど
彼は単に人を食材として、以下に美味しく
調理をして料理にするか。料理人って感じだけど
本作で登場する「同族」と呼び合う彼らは
恐ろしい嗅覚で「同族」を感知できるから
レクター博士のように変態な人間ではなく
魔物的要素があるのかな?と思う。
だけど不老でもなければ、不死でもない。
嗅覚だけかぁ…。となんかどっちつかずの
中途半端な正体だなぁと思った。
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マレン(テイラー・ラッセル)と
リー(ティモシー・シャラメ)の苦悩と
恋に発展しそうでしないぎこちなさとはがゆさ。
1988年頃のアメリカの風景と音楽
あえて画質を落とした映像と、
血まみれになってもティミーは美しいというのが
本作の良い点といったところ🤤
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サリー(マーク・ライランス)がきもこわ😱
最高の狂気を演じ圧巻ですw
送電線
期待のTBSラジオパーソナリティ、石山蓮華さんは、今作を鑑賞したのだろうか? もし鑑賞したならばあのオープニング映像に対するメタファーをご教示願いたいものである
私の見解は、かなり薄い考察だ 繋がり、血族、そんな感じかなぁと… ラストの広大な景色には鉄塔は皆無 その真逆さに、今作のテーマが隠されているのだろうけど・・・
勿論表テーマは『マイノリティ』、『 Queer』 只、どの評論サイトを観ても、今作はそれを表層的に扱っていて、カリバニズムを挿入する意図は薄いという見解である 正直私としては、その見解はどっちつかずというか、それ程今作の摑み所に対して計りかねるという思いである ホラー、サスペンス、美青年という沢山の表層的演出は散りばめられていても、その本質は中々正体を現さない それは丸で、作中の『嗅ぎ分ける』のそれを彷彿させるのではと勘ぐる程だ
そして同族程、期待と失望、そして裏切り、と言った『同族嫌悪』を産み出しやすい土壌も今作では演出されている事は非常に皮肉的表現である
最後に、嗅ぎ分けの動物としての代表格、犬はその能力により、現在過去未来のビジョンを明確に捉えているという点が今作のキモに通ずるのではと思案した次第
社会からあぶれた者たちが欲望のままに人を喰らい、本能のままに互いを...
社会からあぶれた者たちが欲望のままに人を喰らい、本能のままに互いを求め、共に旅を重ねる中で魂を慰め合っていく。相容れない他者や脅威、孤独に飲まれそうになった時に、彼らは何を軸に人生を選択していくのか。刹那的瞬間瞬間に下す言動にその答えが宿る。
恍惚で物憂げなティモシーが、表情と存在感で人生の憂いを語る。陰影がエロス。
ゲイのクルージングもサラッと登場、原作がヤングアダルト小説よろしく、家庭内のしんどい事情も赤裸々に描かれる。そこに縛られず外へ外へ、拒絶からの解放に向かうのがよい。
同族を嗅覚で察知するの、日本語でも「(同族嫌悪的に)同じ匂いがする」という言い方するので、あれは絶妙な描写だと感じた。
マーク・ライランスのラストの展開、何となく頭に浮かんだのは「溺れるナイフ」だった。
タイトル回収も、ああ、なるほど腑に落ちた(が展開に納得したわけではない)
勿体無い!!
現代のバンパイア物語?
もう少し葛藤と苦悩も見せて欲しかった
が
主人公がいうほど苦悩してない気がする。
なので
同族とのラブストーリーも
いうほど切なく見えない。
もっとドラマチックになりそうなのに
勿体無い!!
自分を自分の名前で呼ぶ人
怖いよ、サリー
食生活が普通の人だとしても拗れてます
あとクロエセビニーさんも、こわかった
肉だのサカナだの、ふだんはたくさん食べているのに、
一旦捕食される側になったとしたら、これは最高に怖いし、嫌悪しかない
恐竜が怖いもんだと再認識させてくれたジュラシックパークを
観た後の気分を思い出しました
食べられたくないなぁ
ベビーシッター食べちゃうのが、人喰いあるある、なトークで笑えました
主人公たちはしあわせになってほしかったけど、やっぱり食べるかー
骨ごと。
タイトルがそういう意味なんでしょーね
毒を食らわば皿まで
予告でなんじゃこりゃと思いつつ
何度か観てるティモシー・シャラメ出演だし
どんな役回りかと興味持って観賞
…感想としては
「純愛ホラー」ねぇ…
どの程度その「属性」に支配されて
いるのかが取り出せずただただ
行動原理がぼやけて浅い感じ
カニバリズムという
突拍子もないテーマを取り扱う
ようで全然やれてない
(やる気はなかった)感じ?
少なからず「当事者」がいる
事柄であることを考えると
見た目以上に軽いノリ
たぶん1980年代くらいの
情報がまだ錯綜してないネットレスな
世界のアメリカ
学校で女子お泊まり会に誘われた
厳しい父と二人暮らしの
マレンは話をしている少女の
指を不意に…「食べだして」しまい
血まみれになりながら自宅に
帰ると父は抜け出した理由も聞かず
一緒に荷物を抱えて逃げ出します
マレンは人を食べたくなる
衝動が抑えられない
そしてそれらの行為の記憶を
ほぼ失う(無意識にやる?)
という習性があり
それが原因で母とはもの知らぬ
間に離別
やがて父も出生証明書と
いくらかの現金
そして独白した肉声テープのみ
を残して消えてしまいます
マレンは悲しみに暮れると
ともに自分の出生の真実
母に会いたいといった気持ちで
証明書にあった場所へ向かいます
その途中サリーという
「臭いで分かった」と言う
怪しい初老の男が声をかけてきます
サリーは「同族は食べない」と言い
家に誘い食事をごちそうすると
言いますがどうも様子がおかしく家の
二階にあがると心臓発作か
何かで倒れている老婆を発見
マレンは助けを呼ばなきゃと
最初は言いますが衝動に勝てず
思い悩んだ末
その老婆が朝に亡くなったところで
二人は…
サリーは色々自分の話をし
食べた人間の頭髪を
繋いでロープにするなど狂気的で
怖くなったマレンはその場を
逃げ出します
その後次の町で染みついた臭いを
取りたいが金もないので
スーパーで物品をくすねていると
リーという青年がチンピラのおっさん
の気を引いて見逃してくれます
しばらくしてマレンがスーパーを
出ると血だらけになったリーが
向かいの建物から出てきて…
お前もかい!
そこでリーと知り合い
マレンは母のところへ一緒に
行ってほしいとリーに告げると
アッサリ受け入れます
サリーもそうでしたが
こんな習性がある者同士
孤独を感じている部分は共通で
二人はやがて愛し合うように
なります
どうもこの人食い習性
食べないと飢えて死ぬとか
ではないようで普通に
飲食もできるようです
(それでは物足りないとか
味がしないとかって描写も
とくにないんでいまいち
重みがわからないんですが)
途中ほぼ自分の快楽のために
捕食する男たちなどに出会い
マレンは困惑しますが
どうも食べたくなるのは
衝動にまかせたかどうかで
制御できるのは自分次第の
ようです
リーはマレンと違い母も妹も
いて家庭には恵まれてますが
習性はある程度仕方のない
ことだと割り切っていますが
どうしようもないクズそうな
奴を狙っていたようです
しかし遊園地で襲った
ゲイっぽい男は家を調べると
妻も子供もいてマレンは
ショックを受けますが
ひとまずその場を逃げ出します
そして二人は母の実家に着き
母の現在を訪ねると精神病院に
いると聞きそこへ向かうと
もはや精神が崩壊し
両腕を失った人間がいるだけ
崩壊する前に書いたという
手紙では途中マレンが見る
悪夢の中で父が人食いを
する側だったかのような
描写もありましたが
衝動を抑えられなかった
のは母のようです
真実を知りショックを受けた
マレンは自分はコントロール
すると言いますが
リーは自分の考え方を
変えようとしません
そこでいったん二人は
別れます
その後マレンは
ずっと追いかけていた
というサリーと出くわし
あの女みたいな男と別れたのなら
一緒にいないかと言われますが
こんなストーカーオヤジは
嫌じゃと拒絶すると途端に
ブチギレられます
このオヤジがじつにキモくて
キモくて絶妙なのです
そこから一か月後
マレンはリーに会いに行くため
リーの金髪がきれいな妹に
居場所を聞くと色々教えてくれて
粗暴な父にDVを振るわれたところで
リーは妹を守るために抵抗し
父は死亡したためリーは
殺害容疑もかけられたが
無罪になったという話を聞きます
マレンにはその真実はわかって
いましたが二人は再会し
リーの考え方も理解し
衝動を抑えて社会で普通に生きて
いこうと街を移って
暮らし始めます
マレンは本が好きなので
図書館の職員を務め
二人で仲良く暮らしていました
しかしそこへやってきたのは…
やはりサリー!
一緒にならなかったマレンを
ストーカーよろしく殺しに来ます
同族は殺さないとか言ってた
サリーはもうそんな自分ルールは
なくただの殺人鬼
そこへ駆けつけたリーと
もみくちゃになりマレンは
サリーの息の根を止めます
やがてマレンはサリーの
持っていた頭髪のロープに
「見覚えのある金髪」も
結ばれていました
この乱闘でリーも肺に重傷を
負っておりリーは自分を食べろと
マレンに言います
しかしマレンは否定します
そこで画面は暗転し…
風舞う草原で寄り添う裸の二人を
少しずつ迫りながらやがて終わって
いきます
うーんなんというか
カニバリズム自体は
宗教的にであるとか
精神的に異常な状態でそうした
行為に至るとか
極限の飢餓状態で緊急的に
といった前例があるわけで
それ自体を主体的に扱っている
今作とは関連性はないと
思います
つまり結局のところ
マイノリティや
特殊な性癖であるとかを
比喩的に扱いたいって
意図が見え見えなのです
それでも社会に溶け込めるか
どうかは自分次第だよ
みたいなね
そのへんを指して
「とことん食い尽くせ」
( Bones and ALL )
というタイトルなんですが
言いたいことがちぐはぐ
マイノリティを認めろと
世間に主張いう最近の
風潮ですか?
80'sビジュアルは美しいし
これぞ細マッチョの究極形態
と言えるシャラメの魅力は
たっぷり感じるので
まぁうら若き女性ファンは
それだけでも観れ…
でもこのテーマで観に行きたくなる?
昔シュワルツェネッガーが妊娠する
っていう映画がありましたが
あれ誰が見たかったんですかね?
後藤家は出ません
待ちに待ったルカ・グァダリーノ監督最新作!!R18区分というガチグロデスク案件かと思いましたが、全然構えるほどのグロデスクさはありませんでした笑 サスペリアの方が断然グログロです笑
今回はアメリカでの製作となり、アメリカらしいロードムービーですが、ファーストショットから完全にルカ・グァダリーノ監督の画です。撮影監督も今までと違うのにすごい。左右にフッと振るカメラワークや、ズームなどもルカ・グァダリーノ作品だなぁっていうショット。
肝心の食人シーンは意外とあっさり笑
ただ、マーク・ライアンスの不気味さは半端ない。立ってこっち見てるだけで怖いって彼にしか出来ない笑
途中で出会った食人族の2人組(1人はなんちゃって食人族でしたが)も多くは語られなかったが、普通にこの世界に存在しているかのような不気味さがあり良い味を出していた。
ラストはボーンズアンドオール(骨まで全て)"食べて"という作中2回ほど出てくるこの言葉を補完するラスト。ある種の通過儀礼的なことを主人公が終えてエンディング。行って帰ってくるがロードムービー、ジュブナイル映画の鉄板でしたが、行きっぱなし、先行き不明のラスト。
ガンニバルといい最近食人ネタが多かったのですが、本作は食人行為自体(歴史的・文化的背景)はそこまで掘り下げていなかった。誰一人調べようとすらしていなかったのは不思議だった笑
あれくらい緩く社会に潜んでるなら誰かしら捕まってて、一般的に知れ渡ってもおかしくないのに。みんな上手くやってるんでしょう笑 そこはテーマにしていないというのはわかった。
ラストに賛否両論とありましたが、この結末は誰でも予想出来たんじゃないかと思います。単純に作品の出来に賛否両論なんじゃないかな笑 北欧テイストのアメリカ横断ロードムービー。とても不思議な映画だった。
大手配給ですが、ミニシアター系の内容だと思います。
公開初日はシャラメファンらしき女子達が客の9割くらいでした。
映像、音楽共に良かったので★1つおまけ
ポール・バーホーベン監督の「ベネデッタ」と同日公開と聞いた時は勘弁してくれと思いましたが、なんとか初日ハシゴして観ました笑
どっちも良かった。。
パンフレットも相変わらず凝っているが高い!笑※最近のパンフレットは普通に1000円超えてくる。。。
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