劇場公開日 2023年2月17日

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「トレント・レズナー&アッティカス・ロス」ボーンズ アンド オール TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5トレント・レズナー&アッティカス・ロス

2023年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2016年、アメリカ図書館協会のヤングアダルト図書館サービス協会が主催するアレックス賞(12歳から18歳のヤングアダルトに特に薦めたい大人向けの本10冊)を受賞したカミーユ・デアンジェリスの同名小説(未読)を映画化したもので、映画の製作にはシャラメも名を連ねています。
そのシャラメと『君の名前で僕を呼んで(18)』以来の再タッグの監督はルカ・グァダニーノですが、二つの作品に共通して言える「小説らしさ」の雰囲気を壊さない構成と演出が、題材としての不気味さを補って余りある「愛の力」が伝わる表現力に魅了されます。
そしてまた、主人公マレン(テイラー)の心情の変化或いは安定を肌感覚のようにイメージさせてくれる劇伴、『ソウルフル・ワールド(21)』『ゴーンガール(15)』『ドラゴン・タトゥーの女(12)』等々でお馴染みの信頼のコンビ、トレント・レズナー&アッティカス・ロスの仕事が素晴らしく、状況の説明をわざわざセリフにする必要がない「演出」として、映画作品としての重要な要素を担っています。
出演者もそれぞれ素晴らしい演技で、特にマレンを演じたテイラー・ラッセル。眼差し一つで感じさせる存在感、大人へと変化していく少女の戸惑いや葛藤を見事に表現していると思います。
また、謎の男サリーを演じるマーク・ライランス、流石です。不気味ながら有無を言わさぬ感じで追い詰める様子は、「マレンでなければ」と思うと本当にゾッとします。終盤のシーンで見せる「涎」には、観ていて思わず顔を背けました(笑)。

TWDera