「美しくも切ないロード・ムービーだが、ラストの展開には疑問を感じる」ボーンズ アンド オール tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
美しくも切ないロード・ムービーだが、ラストの展開には疑問を感じる
自分を理解し、受け入れてくれる者の存在は大切である。
それにしても、親切で、生きる知恵を授けてくれる老人のことは拒絶する一方で、つっけんどんで、危うさを感じる若者には自ら助けを求める少女のダブル・スタンダードには、「それはそうだろう」と納得しつつも、内心、笑ってしまった。
普通に考えれば、欲求を満たしつつ、人を殺さずに生きていけるのだから、老人と生きていく方がいいに違いないが、思春期の女子であれば、イケメンの方を選ぶのは致し方のないことか・・・
まあ、もしも少女が老人を選んでいたら、ラブ・ストーリーとして「絵」にならないし、美しくも切ないロード・ムービーも成立していなかっただろうが・・・
ただし、同族同士でトラブルになるラストには、もっと違う描き方ができなかったものかと、少なからぬ疑問を感じてしまった。むしろ、「怪物として人間に退治される」みたいな展開にした方が、阻害され、排除されるマイノリティーの悲哀のようなものが、より一層際立ったのではないかと思えるのである。
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