TAR ターのレビュー・感想・評価
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もっと指揮者の技術面を観たかった
同性愛のドロドロでトップから落ちた女性
って話。それだけだ。
指揮者の凄さや苦悩とかは全然伝わらない。
そっち方面に詳しい人ならわかるんだろうけど。
唯一良いと思ったのは、彼女が再起を賭けた場所。
今風で納得できた。
リディア・ターのカリスマ性と作品の構造
「イン・ザ・ベッドルーム」「リトル・チルドレン」のトッド・フィールドが16年振りに監督した長編作品。
天才的才能を持つベルリン・フィルハーモニー管弦楽団初の女性主席指揮官リディア・ターの栄枯盛衰を、昨今のキャンセル・カルチャーを軸に、彼女が行使する権力とその結果を浮き彫りさせながら描かれる、いわゆるヒューマン・ドラマ、のはずなのだが…。
158分にも及ぶ、異色の長編。
一回の鑑賞では、散りばめられたあらゆる仕掛けに反応出来ないと思う。
冒頭、いきなり始まるエンドロールとバックで流れる謎の歌声。
誰が撮っているのか分からないリディア・ターの寝姿らしき映像とチャットの文字。
序盤に描かれる約8分にも及ぶリディア・ターのインタビューシーン。
そして、さらに彼女が教えるある講義の一部始終を描いている約10分を超えるワンカット長回しのシーン。
この冒頭のシーンはどれも作品の展開を示唆する重要なシーンである。
そして、それ以降も無駄なシーンは一切なく、すべて物語の展開に直結している。
この、本作の基軸リディア・ター役のケイト・ブランシェット。
「ブルー・ジャスミン」でのジャスミン役の印象は強烈だった。
本作はある意味近いキャラ設定ではあるが、そもそもトッド・フィールドはケイトを主役とすることを念頭に本作の脚本を書いており、またケイト自身もそれに応えるかの様に、ドイツ語、ピアノ、オーケストラの指揮者等のレッスンに励んでいる。
その結果、公開当初、本作のリディア・ターが実際の人物だと思われたらしいが、もちろん人物も話も架空である。
ケイト・ブランシェットの力量が遺憾無く発揮された本作の魅力は、話運びの方向性とミステリー的要素でもある。
ただし、劇中において謎は一切明かされない。
本作は2回、3回と観て理解を深めていくべきだろう。
また、遠慮なくネットやYouTubeの解説や動画を観て、劇中のミステリー部分を考察するべきだと思う。
そうすることで必ず2回目が観たくなる。
すると、散りばめられられた謎も少しづつ解けてくるはずだからである。
最後にある映画ライターの動画からの引用。
「TAR」と言う名前の由来を、トッド・フィールド監督は「アナグラム」であること以外ケイトには説明してなかった。
なので、ケイト自身は「TAR」を「RAT」のアナグラムだと思っていたらしいのだが、果たして真相とは…?
コレは難しくて,後から調べて行く内に…
あまりクラッシックのオーケストラ等の事は、人様に偉そうに語れる程詳しくは無い中&わりと話題になっていないかい?なんて安易な思いで鑑賞してみた。
一寸ケイト・ブランシェットの役の入り方には格好えぇんとちゃうの⁈と言いたくなる程…。
冒頭にも言った癖にと怒られそうだが,自分の為にも観た作品の内容云々を思い出す為にも記録させて頂こうかな?と…。
この手の作品は、交響曲5番とか云々を語れる程知り尽くしていないと語ってはいけない気もしたが…,
やっぱり気になった箇所を記録しちゃいます。
夜中に起きてしまっちゃう程,冷蔵庫の細かい音に迄敏感に反応してしまうのも職業柄仕方が無い事なのかもしれない。
結局の処、世の中の名だたる著名人は言い方非常に悪く言っちゃうが、一寸頭可笑しくて普通(って言う基準も良く分からん処だが…)では無い様な言動,行動を取ったりしていやしないかい⁈
ケイト・ブランシェットの魅力が見どころのすべて!
名女優ケイト・ブランシェット主演ということで注目してしていた本作。公開2日目の朝イチで鑑賞してきました。
ストーリーは、天才的能力と辣腕でドイツの有名オーケストラの主席指揮者となったリディア・ターが、公私共に多忙を極める中、かつて指導した若手指揮者の訃報が舞い込んだことをきっかけに、知らず知らずのうちに周囲の人間との間に生まれた軋轢や抱かせた不満が噴出し、しだいに追い詰められ、転落していくというもの。
言葉にすればこんな感じのストーリーだと思うのですが、映像からは細かい点が読み取れず、かなり難解な作品だと感じました。冒頭からいきなりクレジットが延々と流れるという挑戦的な構成で、その後の公開インタビューシーンでは音楽の解釈をめぐる抽象的なやりとりがこれまた延々と流れます。さらにスポンサーと思われる男性との会食シーンの会話へと続き、早くも脱落しそうでした。内容はまったく理解できませんでしたが、リディアが強い信念と絶対的な自信とプライドをもっていることは伝わってきました。
そんなリディアだからこそ、今の地位に上り詰めることができたのでしょう。しかし、一方で、考え方の合わない学生を否定、副指揮者を排斥、お気に入り奏者を重用、パートナーへ冷淡な態度、保身のために助手を冷遇と、高慢と専横の色を強めたリディアが転落していくのも、無理からぬことだったのだと感じます。
ただ、その観せ方がどれも断片的というか曖昧であったことや、登場人物が多くて相関をうまく整理できなかったことが、本作をやや難解にしていると感じました。中でも、転落のきっかけとなるクリスタやその過去、後半のキーマンであるオルガの背景などが、はっきり描かれず、観客の想像に委ねられているような気がしました。とはいえ、ラストはリディアのあくなき情熱と再生を感じさせる締め方で、悪くなかったです。
主演はケイト・ブラシェットで、本作の見どころのすべては彼女の魅力に尽きると言っても過言ではありません。まさに名女優の面目躍如です。他に、ノエミ・メルラン、マーク・ストロングらが脇をしっかり固めています。
完璧なるブランシェット ‼︎
3時間もの長尺の1分1分に意味と問いと答えが秘められクッタクタに疲れる。 そして希望とファイトが湧くんだ。 日時の朝9時半に関わらず満席は見事。
大満足‼︎
理系(オタク)の私としては
1.自殺したのは副指揮者になれなかったあの愛人?
2.指揮者は誰でも同じじゃないのか?好みの問題?
3.基準が曖昧だから、権力が大きくなる
4.そして、そういうの好きなのは非人格者
5.落魄れた先は、アジア
6.大阪の代わり、ゲーム、コスプレ
7.結局、LGBT?扱ってSDG装っているがアジアを馬鹿にしている
8.あの最後の方に出てきたチェリストは何者?
9.スラムでも一生懸命やってる良い人?
10.コスプレ、ゲーム、アジアを馬鹿にし過ぎだ
11、そして、それらを誤魔化す為に難しい話が長い。
観客もマエストロの掌で・・・
成功者、権力者の心の奥に潜む闇、ダークサイド、そして転落していく姿が、周囲の人々の憧れ、妬み、嫉妬などを絡めて描かれています。主人公が抱える罪悪感からくる悪夢の映像をはじめ、主人公が精神に異常をきたすサイコスリラーとしての面白さ、Metoo運動によって女性である主人公が失脚するという時事的な社会性、ケイトブランシェットの素晴らしい演技、クラシックな名曲の数々と、演奏シーンにおけるダイナミズムなど、エンタメとして非常に面白くできていると思います。世間ではケイトブランシェットの演技ばかり注目されているようですが、やはりリディア・ターというキャラクターと、この傑出した物語を創造した監督のトッド・フィールドこそ最高のマエストロです‼️
2時間50分、ひたすらブランシェット。
上り詰めるって我を通してこそ抜き出せる。結局自分が全部正解になってしまうのか。言われてる様にブランシェットの演技に圧巻。もうマエストロにしか見えないし迫力ありすぎ。一見の価値あり。
意思でなく才能が人生を選ぶ場合もあるのでは
ケイト・ブランシェット劇場が満喫できます。
才気に溢れ天下をとれる位置にたった彼女は、増上慢になり、人を傷つけることの諸刃の剣な行為に目を閉じ、アドバイスにも耳を塞ぎ、まわりの大切な人ををも顧みない。
しかし地に堕ちようとも彼女は歩むことをやめない、その生き方をどう思うかによって感じ方は違うと思いますが、傷ついても倒れることを良しとしないケイトに拍手を送ります
『リディア』、もっと音楽に没頭しなさい
『リディア・ター(ケイト・ブランシェット)』は時代が産んだマエストロ。
「ベルリン・フィル」初の女性首席指揮者であり
作曲もこなし、アマゾン原住民の音楽にも造詣が深い。
冒頭、対談形式のセッションでは
彼女の経歴が延々と語られ
『レナード・バーンスタイン』の弟子ともされている。
劇中名前が挙げられる多くの人物は実在。
それを巧く絡めているため、
架空の主人公があたかも現実に存在するように錯覚してしまう脚本の妙。
彼女の楽曲に対する解釈は
同業者が教えを乞うほど独創的。
自己プロデュースも完璧で、
自伝を出し、
出資を募り女性指揮者を育て上げるプロジェクトを立ち上げ、と
次第に自身の権威を高めて行く。
私生活ではレズビアンを公言。
現在のパートナーは楽団のコンサートミストレスであり
また、養女の溺愛ぶりも膏肓に入っている。
その一方で、得た権勢を自身の欲望の為に行使、
意にそぐわぬ時は容赦なく切り捨てる非情さを持つ。
そんな彼女が、
新曲の作曲の行き詰まりと、
〔マーラー 交響曲第5番〕のLIVE録音へのプレッシャーから精神の均衡を崩し、
加えて私生活の、とりわけ性的嗜好の絡むスキャンダルから次第に追い詰められていく。
嘗ての音楽家と「ナチス」との関係性が
『フルトヴェングラー』や『カラヤン』の名を示し語られる。
〔マーラー 交響曲第5番〕は〔ベニスに死す(1971年)〕でも使われ、
そこからは撮影時の『ルキノ・ヴィスコンティ』による男優の扱いを思い出させる。
力は「セクハラ」や「パワハラ」と
どれだけ結びつき易いかの暗喩が次々と提示され、
それは『ター』とて例外ではない。
権力者が次第に腐敗する世の常を非情な眼差しで描く。
『ター』が堕ちて行く過程は、
あくまでもスキャンダルによる部分が大きく、
〔ブラック・スワン(2010年)〕のように芸術に惑わされた末による純粋な悲劇とは異なり
もやもや感は残る。
また『ケイト・ブランシェット』からは
〔ブルージャスミン(2013年)〕での演技に通底するエキセントリックな印象を受け、
新たな境地とは言えぬうらみがあり。
その一方で、同作の監督『ウディ・アレン』による性的虐待を想起させる
副次効果もあるのだが。
男がふつーにやってる事をLGBTに変えただけ
ケイトの演技は素晴らしかった!他の俳優陣もみな素晴らしかった。
演技力のみで観れる映画だと思う。
でもそれ以上はない。
ストーリーに関して、当たり前に男たちが行ってきた事やその結果が招く転落劇が今度は権利主張しているあなた達にも起こりうるんですよ!それが多様性!ですよね?!みたいな感じを受け取った。
うん、そらそーやろ。だって、やったらあかんねんから。で終わる。何を鼻息荒くしとんねん。となってしまった。
ケイトブランシェットを浴びました
これは。
コリンファースで言うところの「シングルマン」とでもいいましょうか、とにかく大好きな俳優さんがこういう作品でてくれると本当に感謝しかありません。
ちなみにマーラーちゃんと聴いたことないレベルの者でも楽しめました。
逆にクラシック好きの方は意外と演奏シーンが少なかったのでその点は物足りないかもなとも思ったり。
158分間、リディア・ターに支配される
才能が権威(マエストロ)になり権力を手にしたリディア・ター。自信に満ち溢れた威容は、周りの者を圧倒する。ケイト・ブランシェットが放つオーラはスクリーン越しでも伝わってくる。
リディア・ターと助手や指導した学生との関係は、はっきり描かれない。狭い業界に君臨する圧倒的な権力を前に、思い切って身を委ねるか、生きていくために心を殺す。その二択しかないと思い込んでしまうのは容易に想像できる。
リディア・ターの耳に入ってくるノイズ、幻聴。ターの脳裏に映し出される幻覚。不吉な予兆は、文学的な演出にとどまっているので、ターの内面の不安を示しているのか、未来を暗示しているのかわからないが、見ているこちらの心も掻き乱される。
選ばれし者は、何をしても許される。ケイト・ブランシェットの怪演を見ていると、そういう錯覚に陥る。リディアに畏怖してしまう副指揮者のセバスチャンと助手のフランチェスカ。彼らが見せる愛想笑いが屈服してしまった人間の哀しさを物語っている。
リディアがジュリアード音楽院で指揮者コースの講義を行うシーンがある。生徒の1人が、バッハの人種や人間性を理由にバッハの曲を頑なに拒否する。僕には屁理屈にしか聞こえないが、キャンセル・カルチャーが行き過ぎると、バッハでさえもアウトになってしまう危険性がある。バッハが20人の子供を作ったというだけで。
もっとも、ワーグナーの方が先にキャンセルされる可能性が高いが。
「五感を震わせる圧巻のラスト」という謳い文句は大袈裟だが、虚を突かれた。このラストの受け取り方はどちらかに分かれると思うが、僕は好意的に受け止めた。リディア・ターは必ず復活する。
追記
2度目のTARは、TARの視点で鑑賞。権力が一つ一つ剥がされて行く恐怖は、天上から地上に堕ちていくようで、自殺を選びたくなる。追従を言っていた人間が冷笑を浮かべてTARにトドメを刺す。
TARが、子供の時に何度も見たであろうバーンスタインのビデオ。「音楽は、人々に喜びを与えるために存在する」バーンスタインの言葉は、迷い子になったTARの進むべき道を照らす。
実在してそうな人物
ケイト・ブランシェットの鬼気迫る演技!
主人公ターがトップに君臨するためには
犠牲にしなければならないことが多くあります。
人をマネジメントする難しさや
中傷を浴びること、そして私生活も犠牲になります。
まともな神経ではいられなくなるでしょう。
強くあればあるほどそのリバウンドが恐い。
実在の人物ではないけど実在してそうな人物でした。
今度は3大ケイト‼️
先日、我が家の3大クリス(プラット、エバンス、パイン)の話を別のレビューで書きました。
とくれば、今回は3大ケイトに触れないわけにはいきません。
ブランシェット、ウィンスレット、ハドソン‼️
ラン、スー、ミキと比べてもなんら遜色ない。
いやまあ、スケール感というか度量衡が違う、とかはこの際言いっこなし❗️(あくまでも我が家限定の一般教養として、ご容赦ください)
ブランシェットは、我が家では神のような存在です。
親娘揃って『ロード・オブ・ザ・リング』を崇め奉ってますから、誰がなんと言おうとガラドリエル様を未来永劫尊崇し続けることになってます。
映画のジャンルがまったく違っても、まさに、降臨としか表現できない(劇中の言葉で言えば、音符♫でしか表現できない)圧倒的なオーラ‼️
ハーバード白熱教室のサンデル教授のような講義のシーンもついつい字幕を追ってしまい乗り切れず、その後のストーリー展開も少し凝りすぎな感じでややダラけかけたところはありましたが、ジョギングとサンドバッグ打ちで、心身のリズムやテンポを調えるパターンは、個人的にはナイスでした。
知的作業や創作を行うことと運動が脳に与える効果との関係性については、アンデス・ハンシェンの『運動脳』や『スマホ脳』で説得力のある事例が紹介されてます。
テーマ性を読み解こうとすると、ちょっと疲れる映画ですが、ケイト・ブランシェットの〝神〟演技を堪能できるのが嬉しい人と、個人的嗜好が合う人にとっては、とても満足度の高い映画です。
パワハラセクハラ主人公を正面から描いた稀有な名作‼️❓
字幕で観たが、吹き替えを含めて、字幕と吹き替えの表現で内容にフィルターが掛かると思う。
例えば、娘をいじめている子に迫る言葉が、直訳なら、殺す、だが無難にしてる、それだと主人公の造形を歪める。
最初の、自殺者のところから始まるが、主人公が、ただ、個性の塊か、鬼畜なのか、グレーだが、現実にはパワハラもセクハラもグレーなことが多いのだろう。
参考になるのは、主人公が悩み苦しみながらも、とことん太々しいこと、あれだけ有名なら、ベトナムくらいしか活躍の場がないのだろう。
パワハラやセクハラ、いじめに自死するに対比して、なんと前向きなことか、感心した、敵ながらアツパレ、惚れ惚れする、嫌味じゃなく。
予告編にミスリードされて、ホラーかサスペンスと誤解して観てたら、人間ドラマでした。
吹き替えならどんな印象でしょうね、ミュージカルみたいに別物の映画になると思います。
いろいろ見方が変わる映画🎞🎟🎬、みんなのレビューが楽しみな映画🎦是非
クラシック音楽業界に止まらない、21世紀の人間の業が凝縮された感じ
まずはその、ケイト・ブランシェットの役作りに圧倒される。リディアになりきって、吹き替えなしのパフォーマンス。逆に「すごい努力家の俳優さんだな」という邪念まで湧いてきてしまう。
ストーリーを図にするとグライダーみたいだ。実力と向上心で正当に上り詰めた主人公は、いわゆる超人であるがゆえに少しずつ周囲の人たちとの関係性が綻び、内部から崩壊していく。エンパシーの欠落だろうか。彼女のベルリンのアパートメントのクールすぎるインテリアと同じで、隙はないけど温かみもない(個人的には好みだけど)、みたいな、、、。
だからこそ、まさかのラストに救いが! ビジュアル的にもサプラーイズ!
ところで、アジア人もアラブ系かラティーナ系の人も見えたようけど、見当たらなかったようなカテゴリーの人も、、、。BLM(Black Lives Matter)概念とクラシック音楽業界には距離があるのが現実なのだろうか。
プログラムによると、仕掛けも多いみたいだし、できればもう一度見たいと思った。翌日もひきづるタイプの大作だったと思う。
ひとえにケイトのおかげ。
ブラック・スワンほど病んでいかない。
凡庸な女優さんでは主役はムリだったろうな。
しかし、病む理由なんて浜の砂ほどあるんだなぁ…
でも、Tarは世に出てくるよ。
何羽かのツバメが電線に停まってても、棒振るね、彼女。
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